GセブンHD Research Memo(7):2025年3月期は2ケタ増収、過去最高益を更新する見通し(2)

2024年6月5日 13:57

*13:57JST GセブンHD Research Memo(7):2025年3月期は2ケタ増収、過去最高益を更新する見通し(2)
■G-7ホールディングス<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0750800?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><7508></a>の今後の見通し

(2) 業務スーパー事業
業務スーパー事業はM&A効果もあり2ケタ増収増益を見込んでいる。食品の値上げが続き節約志向が継続するなかで、既存店売上高も1ケタ台の成長が続く見通しだ。また、新規出店については12店舗を計画しており、このうち4店舗については物件の目途が付いているもようだ。地域的には、関東や中部、九州を中心に出店する予定で、なかでも今まで手薄だった名古屋エリアの物件探索を強化する。

利益面では、出店コストや人件費、光熱費の増加を増収効果で吸収し、増益が続く見通し。顧客の利便性向上と回転率上昇を図るため、セミセルフレジやキャッシュレス決済の導入も順次進める方針だ。

(3) 精肉事業
精肉事業は既存店の堅調推移が見込まれるほか、新規出店効果により増収増益が続く見通し。集客力の高い「業務スーパー」との同時出店により2025年3月期は12店舗の出店を計画している。また、条件に適う物件があれば他の商業施設にも出店する可能性がある。為替の円安によりブラジル産の鶏肉や豚肉などの仕入コストが上昇傾向となっており、今後価格改定なども検討していくものと思われる。

(4) その他事業
その他事業は増収増益となる見通し。ミニスーパー事業については商品戦略の見直しや店舗スタッフの教育によるサービス品質の向上に取り組むことでリピート客数を増やし、店舗売上高を拡大する方針だ。商品戦略では、今まで売上高の約1割を占めていたユニーのPB商品の取り扱いを2024年3月末で終了したため、今後は段階的に自社グループのPB商品の取り扱いなどを増やす予定だ。精肉についてはG-7ミートテラバヤシから調達できる体制を構築し、また個食化需要に対応して総菜や生鮮食品なども充実させていく。CRM戦略としてはLINEを活用した電子クーポンの定期配信を開始しており、既存顧客の来店頻度の増加と販売促進、並びに新規顧客の獲得に取り組んでいる。価格についても柔軟に見直しながら売上総利益率の改善を図り、2025年3月期の黒字化を目標とする。

課題は、店舗スタッフのサービス品質向上と離職率の改善にある。現状は外国人スタッフが中心で離職率も高く、採用・教育コストの改善余地が大きい。正社員化して採算が取れるようであれば理想的だがハードルは高く、現状では非正規社員の就労のモチベーションを維持向上するような人事考課の見直しが検討されている。同社では不採算店舗の比率を3割程度まで引き下げることを当面の目標としている。

アグリ事業については、前期の第4四半期に不採算店舗を3店舗退店したことが売上高の減収要因となるが、既存店舗の増収でカバーする考えだ。利益面では、前期に計上したインボイス制度導入に伴うシステム改修費用20百万円が無くなるほか、不採算店舗の削減効果によって増益が見込まれる。

こだわり食品・プライベートブランド事業については、魅力的な商品の発掘と物産展への出展などを継続することで増収増益を見込む。また、「カーブス」については既存店舗の会員数増加に加えて2店舗の出店を計画しており、増収増益を見込んでいる。そのほか、新規事業を立ち上げるべく準備を進めているようで今後の動向が注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《SO》

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