【どう見るこの株】グリーンモンスターは3Q大幅増益業績と初配当を見直し割安株買いが再燃
2024年6月5日 09:08
グリーンモンスター<157A>(東証グロ-ス)は、今年3月29日に新規株式公開(IPO)され、今年5月10日に発表されたIPO後の初決算となる今2024年6月期第3四半期(2023年7月~2024年3月期、3Q)業績が、大幅増収増益で着地し、IPO時に未定としていた今期配当も、年間10円として初配当を予定していることを見直して割安修正買いが再燃している。テクニカル的にも、今年4月19日につけた1番底の上場来安値961円や2番底が、IPO時の公開価格980円をわずかに下回った水準で踏み止まり、下値岩盤感を強めていることもサポート材料視されている。
■投資学習アプリのダウンロード数が54%増と続伸し投資デビュー数も22%増
3Q業績は、売り上げ15億4100万円(前年同期比64.9%増)、営業利益2億5000万円(同44.2%増)、経常利益2億5200万円、純利益1億6300万円(同43.6%増)と大幅続伸した。同社は、投資初心者向けに投資学習支援の体験型投資学習アプリの「まねらん」と「つみたて投資学習アプリPowered by トウシカ」をリリースしており、岸田内閣の「資産取得倍増プラン」で貯蓄から投資への流れが強まり、今年1月には新NISA(少額投資非課税制度)も開始された好事業環境下で、3Q3カ月のアプリダウンロード(DR)数が、55万2000DR(前年同期比54.9%増)、DRのうち投資口座を開設した投資デビュー数が1万7758人(同22.8%増)、口座開設に伴う成功報酬の平均報酬単価が2万7050円(同8.0%増)と好調に推移し、3Qの売り上げが、5億4600万円(同40.0%増)と過去最高となり、営業利益も9700万円(同2.77倍)と大幅増益となったことなどが要因になった。
今6月期通期業績は、IPO時予想を据え置き売り上げ20億7100万円(前期比21.0%増)、営業利益3億2300万円(同96.0%増)、経常利益3億2300万円(同90.5%増)、純利益2億1300万円(同75.8%増)と見込んでいる。ただ3Q累計業績の通期予想業績に対する進捗率は、売り上げで74.7%、営業利益で77.4%増、経常利益で78.0%増、純利益で76.5%と目安の75%を上回っており、業績の上ぶれ期待も強めている。IPO時に未定としていた今期配当は、年間10円として初配当を予定している。
■公開価格近辺で下値を確認しPER12倍の割安修正で最高値に再挑戦
株価は、公開価格980円を73.4%上回る1700円で初値をつけ、上場来高値1990円まで買い進まれる高人気となったが、この反動やIPOラッシュなどが重なり、上場来安値961円まで調整し、公開価格割れは売られ過ぎとして1310円の戻り高値までリバウンドし、全般相場の波乱展開とともに964円まで再調整し2番底を形成した。テクニカル的にも、公開価格割れで下値を確認し、バリュー的にもPERは、12.7倍と割安放置を示唆しており、戻り高値奪回から上場来高値に再チャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)