4日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で続伸、中国不動産セクターに買い戻し
2024年6月4日 18:00
*18:00JST 4日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で続伸、中国不動産セクターに買い戻し
4日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比41.07ポイント(0.22%)高の18444.11ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が22.33ポイント(0.34%)高の6554.32ポイントと小幅続伸した。売買代金は1162億3120万香港ドルに縮小している(3日は1323億980万香港ドル)。
前日の好地合いを継ぐ流れ。米長期債利回りの低下が続いたほか、中国景気の過度な減速懸念がひとまず後退したことを材料視した。3日発表された5月の財新中国製造業PMI(民間集計)は予想を上回る51.7に上昇し、景況判断の境目となる50を7カ月連続で超えている。約2年ぶりの高水準だ。米格付け大手ムーディーズは3日、2024年の中国経済成長率予測を4.0→4.5%に引き上げている。ただ、上値は重い。米国景況感の悪化や原油相場の下落などが嫌気された。指数は安く推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が7.6%高、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が7.0%高、江蘇省拠点の翰森製薬集団(3692/HK)が4.7%高と上げが目立った。
セクター別では、中国の不動産が高い。遠洋集団HD(3377/HK)が16.5%、越秀地産(123/HK)が8.6%、世茂集団HD(813/HK)が8.5%、中国奥園集団(3883/HK)が6.6%ずつ上昇した。足元の物件販売は依然として苦戦しているが、当局の支援策で回復に向かうと期待されている。中央政府が5月17日に住宅ローン規制の緩和を発表して以降、各地方政府は具体的な実施規定を相次いで明らかにした。また、シティグループは最新リポートで、「中国の不動産市場はソフトランディング(軟着陸)に向かっている」との見解を示している。
ゼネコンや建機などインフラ建設セクターもしっかり。中国中鉄(390/HK)が3.0%高、中国鉄建(1186/HK)が2.4%高、中国龍工HD(3339/HK)が4.7%高、中聯重科(1157/HK)が1.4%高、北京金隅集団(2009/HK)が3.1%高、中国西部水泥(2233/HK)が1.8%高で取引を終えた。
半面、石油・石炭セクターはさえない。中国海洋石油(883/HK)が1.9%、中国石油化工(386/HK)が1.8%、中国石油天然気(857/HK)が1.7%、エン鉱能源集団(1171/HK)が9.1%、中国中煤能源(1898/HK)が1.8%ずつ下落した。原油安が逆風。昨夜のWTI原油先物は3.6%安と4日続落し、約4カ月ぶりの安値を一時付けた。
そのほか、ピックアップトラック・SUV生産の長城汽車(2333/HK)が11.0%安。5月の自動車販売が前年同月比で9.5%減少し、14カ月ぶりのマイナス成長転落が嫌気された。
一方、本土市場は4日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.41%高の3091.20ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。医薬株、金融株、運輸株、公益株、インフラ関連株、素材株、食品・酒造株なども買われた。半面、石炭・石油株は安い。自動車株、ハイテク株も売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》