4月のバイト・パート時給、上昇続く 販売系や飲食系が好調

2024年5月21日 08:48

 求人サイトを運営する各社が4月度のパート・アルバイト時給動向を発表。学生アルバイトの入れ替えに伴い、販売系や飲食系を中心に時給の上昇傾向が続いていることが分かった。

【前月は】3月のバイト・パート時給、高水準続く 春闘の好結果が影響

■マイナビは19カ月連続で前年同月上回る

 16日、マイナビが4月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表。全国平均時給は前年同月比43円増の1,230円となり、19カ月連続で前年同月を上回った。直筋における時給の伸びは落ち着いているものの、求人件数が増加していることから、企業の採用意欲は旺盛。物流業界の「2024年問題」で、運送業者だけでなく荷主側となる企業も負担軽減につなげる人員需要が増えるという。

 業種別で時給が上がったのは、「販売・接客・サービス」系のカウンター業務が1,161円(前年同月比:84円増、以下同じ)、ガソリンスタンド・クルマ関連が1,083円(55円増)、コンビニ・スーパーが1,069円(53円増)、ドラッグストア・量販店が1,088円(52円増)、ホテル・ブライダル・トラベルが1,237(76円増)。

 「教育」系のその他教育が1,479円(345円増)。「アパレル・ファッション」系の雑貨・コスメ販売が1,098円(99円増)。「エンジニア・サポート・保守」系のSE・プログラマーが1,472円(93円増)、テクニカルサポート・保守・テスターが1,595円(240円増)。

 「医療・介護・保育」系のその他医療・介護・保育が1,258円(50円増)、ヘルパー・介護が1,417円(63円増)、医療専門職が1,440円(124円増)、看護師・准看護師が1,990円(75円増)、保育士が1,536円(82円増)、薬剤師・登録販売者が1,796円(358円増)。

 「飲食・フード」系のキッチン・調理補助が1,143円(73円増)、その他飲食フードが1,256円(247円増)、ファミリーレストランが1,071円(54円増)。

 「レジャー・アミューズメント」系のカラオケ・ネットカフェ・マンガ喫茶が1,117円(58円増)、スポーツジム・スパ・レジャー施設が1,136円(91円増)、ワゴン販売・売り子が1,176円(74円増)。

 「エステ・理美容」系のボディセラピスト・エステティシャンが1,074円(55円増)。「警備・清掃・ビル管理」系のその他警備・清掃・ビル管理が1,094円(74円増)。「工場・倉庫・建築・土木」系の建築・土木・設備作業が1,792円(170円増)、食品製造・加工が1,159円(121円増)。

 「配送・引越・ドライバー」系の新聞配達・ポスティングが1,252円(51円増)、配達・配送・ドライバーが1,285円(148円増)など。

 反対に時給が下がったのは、「営業」系の営業アシスタントが1,040円(102円減)。「アパレル・ファッション」系のその他アパレル・ファッションが1,194円(69円減)。「クリエイティブ・編集」系のDTP・CADオペレーターが1,209円(347円減)、Web/グラフィックデザイン・POP制作が1,305円(78円減)。

 「イベント・キャンペーン」系のアンケート・調査・企画が1,395円(71円減)、その他イベント・キャンペーンが1,272円(111円減)。「軽作業」系の搬入・搬出・会場設営が1,654円(153円減)など。

 地域別では北海道・東北が前年同月比53円増の1,108円、関東が同44円増の1,299円、甲信越・北陸が同10円増の1,119円、東海が同42円増の1,177円、甲信越・北陸が同4円減の1,122円、関西が同35円増の1,237円、中国・四国が同10円増の1,084円、九州・沖縄が同45円増の1,115円だった。

■リクルートは時給の前年同月比プラスが丸3年続く

 20日、リクルートのジョブズリサーチセンターが4月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比43円増の1,186円となり、36カ月連続で前年同月を上回った。

 ゴールデンウイークを見越した求人などにより、過去3番目に高い時給水準となった。さらに過去最高額を更新したフード系の求人では、勤務時間を2~3時間に区切った短時間の求人や、「清掃のみ」「食器回収のみ」のような業務を限定した求人が見られたという。

 職種別で時給が上がったのは、「販売・サービス」系のレジが1,135円(前年同月比:64円増、以下同じ)、販売が1,158円(66円増)、アパレル販売が1,131円(61円増)、化粧品販売が1,127円(69円増)、ホテルスタッフが1,229円(59円増)。「フード」系のファストフードが1,184円(52円増)、食品製造・販売が1,139円(56円増)、その他が1,135円(55円増)。

 「製造・物流・清掃」系の組立工が1,242円(117円増)、組立・生産(重工業除く)が1,265円(75円増)、物流作業が1,205円(54円増)、発送・仕分け・梱包が1,204円(52円増)、警備員・監視員・パーキングスタッフが1,222円(86円増)、ビルメンテナンス・施設管理が1,226円(63円増)、その他が1,239円(87円増)。「事務」系の医療事務が1,146円(53円増)、その他が1,234円(71円増)。

 「専門職」系の看護師が1,974円(163円増)、医療関係従事者が1,336円(66円増)、介護スタッフが1,278円(71円増)、訪問看護師(ホームヘルパー)が1,340円(62円増)、介護福祉士が1,396円(92円増)、サービス管理責任者・サービス提供責任者(介護・福祉系)が1,279円(66円増)、美容師・理容師が1,165円(53円増)、幼稚園教諭が1,221円(59円増)、プログラマー・エンジニアが1,226円(100円増)、その他が1,228円(77円増)など。

 反対に時給が下がったのは「販売・サービス」系のホールスタッフ(パチンコ・遊技場)が1,280円(11円減)。「事務」系のコールセンタースタッフが1,425円(7円減)、データ入力が1,289円(16円減)。「専門職」系の塾講師が1,486円(39円減)、家庭教師が1,412円(34円減)。時給が下がったのは、この5職種のみだった。

 地域別では首都圏が前年同月比43円増の1,227円、東海が同43円増の1,104円、関西が同35円増の1,141円となり、3地域とも前年同月比プラスが続いている。

■ディップは40カ月連続で前年同月上回る

 同日、ディップが4月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は前年同月比123円増の1,359円となり、40カ月連続で前年同月を上回った。またアルバイト・パートの求人件数は同11.3%増の約33万9,000件だった。

 職種別で時給が上がったのは、「事務」系の営業その他が1,404円(前年同月比:181円増、以下同じ)、営業・企画営業が1,490円(90円増)、専門事務が1,221円(75円増)。

 「専門」系のIT・クリエイティブ/クリエイターその他が1,365円(76円増)、Webデザイン・CAD・DTPが1,735円(374円増)、SE・PG・エンジニア・運用が1,177円(62円増)、看護・介護が1,906円(215円増)、医療・介護・福祉その他が1,276円(118円増)、薬剤師・登録販売者・薬局が1,432円(250円増)。

 「販売」系のアパレル・雑貨販売が1,086円(63円増)、食品販売が1,113円(56円増)、携帯・家電販売が1,787円(230円増)、専門ショップが1,079円(52円増)、販売その他が1,113円(54円増)。

 「飲食」系のホール・キッチンスタッフが1,143円(56円増)、カフェ・レストラン・ファストフードが1,172円(72円増)、フード・飲食その他が1,123円(52円増)。

 「サービス」系のイベントその他が1,609円(247円増)、モデル・エキストラ・芸能関連が1,732円(233円増)、清掃が1,158円(77円増)、旅行が1,256円(64円増)、美容・理容・メイクが1,110円(61円増)、エステ・リラクゼーションが1,257円(102円増)、美容・理容・サロンその他が1,141円(81円増)。

 「運搬・清掃・包装」系の仕分け・検品・梱包が1,353円(61円増)、軽作業・物流その他が1,363円(163円増)、警備・車両誘導が1,446円(306円増)。「建設」系の建築・土木その他1,251円(53円増)。「製造・技能」系の工場・製造その他が1,434円(239円増)。「教育」系の教育・保育が1,324円(108円増)など。

 反対に時給が下がったのは、「事務」系のテレアポ・テレオペが1,359円(60円減)。「専門」系の編集・制作・撮影が1,229円(74円減)、調査業務が1,223円(138円減)、調査・モニターその他が1,216円(78円減)。「サービス」系のパチスロが1,285円(299円減)。「建設」系の建築系が1,428円(407円減)など。

 地域別では関東が前年同月比159円増の1,429円、東海が同77円増の1,270円、関西が同65円増の1,309円、九州が同212円増の1,391円と全地域で前年同月比プラスが続いている。

■エン・ジャパンは18カ月連続で前年同月上回る

 同日、エン・ジャパンが4月の「全国アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。全国平均時給は前年同月比96円増の1,272円となり、18カ月連続で前年同月を上回った。

 卒業した学生アルバイトの欠員を埋めるため求人が活発化し、学生アルバイトの多い「販売・サービス」系や「フード」系で時給がアップした。また待遇改善を行った企業が多い「販売・サービス」系や「医療・福祉」系で賃金上昇に伴う時給のアップがあったという。

 職種別は、10職種中8業種で平均時給が前年同月を上回った。「販売・サービス」系が1,307円(前年同月比:114円増、以下同じ)、「フード」系が1,128円(52円増)、「運輸・配送・軽作業」系が1,264円(107円増)、「医療・福祉」系が1,438円(113円増)、「教育・その他」系が1,446円(145円増)で伸び幅が大きめ。

 反対に「企画・事務・管理」系が1,274円(13円減)、「営業」系が1,379円(2円減)と、2職種で前年同月を下回った。

 エリア別では関東が前年同月比54円増の1,329円、東海が同28円増の1,252円、関西が同65円増の1,256円となり、3エリアともに前年同月を上回った。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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