BeeX、通期で増収増益 堅調なストック型ビジネスに加え、クラウドインテグレーションが大きく伸長
2024年4月24日 09:15
会社概要
広木太氏:株式会社BeeX代表取締役社長の広木太です。本日は、2024年2月期通期決算についてご説明します。
まずは会社概要です。当社は2016年3月に創業し、現在9期目となります。昨年度末の従業員数は166名です。事業内容はクラウド関連の導入、保守・管理事業およびソフトウェア開発です。クラウドを専業にしているのが、我々の事業の大きな特徴となります。
IT業界には、オンプレミスやクラウドなど、さまざまな形態があります。我々はすべての形態を扱うのではなく、クラウドに特化することで、クラウドに関しては他社よりも圧倒的に高いスキル・ノウハウを持っているのが強みとなります。
BeeXのマルチクラウド対応力
クラウドといっても、さまざまなプラットフォームがあります。その中で我々が何を取り扱って、何をビジネスにしているのかについて、ご説明します。
世界的に見て、高いシェアならびに成長率を持っているクラウドプラットフォームの提供会社が3つあります。1つ目が「Amazon Web Services」で、通称「AWS」と呼ばれています。2つ目は、Microsoftが提供している「Azure」、3つ目はGoogleが提供している「Google Cloud」です。これらがクラウドにおいて、圧倒的なリーダーとなっています。
我々は、この3つをすべて取り扱っており、導入や運用支援などを行っています。複数のクラウドを使うため、マルチクラウドと呼んでいます。
クラウドは、多くの企業で導入が進んでおり、昔は「AWS」や「Azure」だけというお客さまが多かったのですが、最近はシステムの特性に応じて使い分ける時代に入っています。
1つのクラウドだけでは、なかなかお客さまのニーズに応えることができないため、これらすべてを取り扱い、構築や開発ができるようにしている点が、クラウドを専業としているクラウドインテグレーターとしての、2つ目の特徴です。
当社の3つ目の特徴は、SAP認定パートナーであることです。SAPはドイツのERPパッケージベンダーで、日本でも大手企業の基幹システムとして導入されています。我々はSAPとクラウドを合わせてビジネスを行っています。
大企業の非常に重要なシステムにSAPが使われているため、我々のお客さまは大企業が中心です。お客さまの基幹システムを中心とし、お客さまの事業にとって非常に重要なシステムを扱っているところが我々の大きな特徴であり、他社にはない強みだと考えています。
事業内容
クラウドを使ってどのようなビジネスを行っているのかについて、ご説明します。
我々の事業は3つあります。1つ目はクラウドインテグレーションで、クラウドを専門としたシステムのインテグレーションです。我々はクラウドを導入する前に、クラウドをいかにして正しく活用するか、利活用をどのように進めていくかについて、コンサルティングを行っています。
そして、実際の導入作業、環境構築、既存のオンプレミス、従来型システムからの移行、クラウド上の、クラウドに最適化したかたちのアプリケーション開発などを行っています。
2つ目はクラウドライセンスリセールで、クラウドライセンスの販売です。ライセンスの販売といえば、例えば「1,000万円のパッケージを売る」といった一過性のビジネスだと思う方も多いと思います。しかしクラウドライセンスは少しかたちが違い、どちらかといえば、電気代や携帯電話の通信料金のようなものです。契約後に、お客さまの利用状況に応じた対価を、毎月いただくかたちになっています。そのため、一度契約すると、長きにわたって売上と利益が上がるのが特徴です。
3つ目は、マネージドサービスプロバイダーです。少々わかりづらい言葉ですが、クラウド環境の運用・監視を行います。クラウドインテグレーションでクラウド上にあげたシステムを24時間365日監視して、障害が起きた場合に対応しています。
クラウドは日進月歩で新しい機能が追加されるため、今できていないことが、次の日には実現できることもあります。新機能の採用・活用などを行うのもマネージドサービスプロバイダーの大きな仕事です。
このように、我々は3つの事業を展開しています。それをさらに2つに大別すると、クラウドインテグレーションはフロー型のビジネス、クライドライセンスリセールとマネージドサービスプロバイダーは、ストック型のビジネスになります。
クラウドインテグレーションは、お客さまから「このようなシステムを作りたい」「このようなクラウドを使いたいため導入してほしい」などのリクエストを受け、システムを構築するフロー型のビジネスです。
クライドライセンスリセールとマネージドサービスプロバイダーは、先ほどお伝えしたとおり、利用料や運用・保守の実績に基づき、毎月請求して売上を上げるストック型のビジネスです。
フロー型ビジネスとストック型ビジネスの2つを組み合わせることにより、クラウドの安定的な売上と収益を上げつつ、クラウドインテグレーションという新しいビジネスを作っていくことができます。これらを両立できるところが、我々の大きな強みだと考えています。
AWSパートナーネットワーク 最上位認定を取得
2024年2月期のトピックスについて、ご説明します。1つ目のトピックスは、AWSパートナーネットワークの最上位認定についてです。当社は「AWSプレミアティア サービスパートナー」認定を取得することができました。
現在、日本においては当社を入れて15社しか持っていない資格です。「AWS」の導入や運用において、高い技術力や実績、ストック売上など、一定の基準を満たし、今後も成長していく企業としてお墨付きをいただき、認定されました。
お伝えしたとおり、日本では15社と、限られたパートナーしかいません。その中に我々が入ったことは、今後ビジネスを伸ばしていく上でも、非常に大きなポイントになると考えています。
内製化支援を強化/推進
我々は、「内製化支援推進AWSパートナー」にも参加しています。後ほどご説明しますが、デジタルトランスフォーメーションにおいては、お客さまの内製化の推進が、非常に重要だと言われています。
我々は、クラウドテクノロジーのスペシャリストとして、この企業の内製化を推進するためさまざまな支援をおこなっています。この当社の取り組みをAWSから評価いただき内製化支援パートナーとして参加することになりました。
オブザーバビリティサービスの提供開始
新しく提供を開始した2つのサービスについて、ご説明します。「オブザーバビリティ」は非常にわかりづらい言葉ですが、運用・保守に対する新しいサービスとなっています。
今までのモニタリングのように、システムに問題が起きたときに監視アラートを上げるのではなく、問題が起きる前に、現在のシステムの状況を把握するのがオブザーバビリティです。
デジタルトランスフォーメーション用のシステムは、さまざまなシステムが連携して動くため、どこで障害が起きているかを検知するだけでなく、システム全体が正しく動いているかを把握していくことも大事です。この複雑に連携したシステムの状況を把握するサービスが、オブザーバビリティサービスです。
クラウドセキュリティー分野におけるリーディングカンパニーであるOktaの導入支援サービスを開始
もう1つの運用サービスとして、我々が力を入れているのが、クラウドセキュリティーです。特に最近は「ゼロトラストネットワーク」といって、クラウドになれば、今までのセキュリティではなく、新しいモデルに変える必要があると言われています。
そのファーストステップで非常に重要なのが、アイデンティティ管理です。例えば、従業員にどのような人がいて、どのような権限を持ち、どのアプリケーションにアクセスできるのか、認証の基盤を整えてアイデンティティを管理するのが、先ほどお話ししたゼロトラストモデルに対する入口だと言われています。
ここに我々は力を入れており、実際にお客さまの導入など、実績が増えてきています。ここはシステムインテグレーションとマネージド・サービス、ライセンスすべてにアップセルできる新しいソリューションになっているため、今後も強化していきたいと思います。
公共部門での認定を取得
もう1件、新たな「AWS」の認定を紹介します。「AWS公共部門ソリューションプロバイダー」という認定を取得しています。
今まで我々は、大企業を中心にビジネスを行ってきました。しかし昨今、公共部門宛のビジネスも開始しています。その実績を認められて認定をいただきました。
今までの大企業向け、中堅企業向けといったエンタープライズ向けにプラスし、公共部門に対して新しい取り組みが可能となりますので、新たなビジネス展開ができるのではと期待しています。
KPIハイライト
2024年2月期の通期決算概要について、KPIハイライトをいくつかご紹介します。
まず、全体売上高(通期)は前年同期比33.7パーセント増の77億円、全体営業利益(通期)は前年同期比48.6パーセント増の5億9,900万円と、売上・利益ともに大きく伸ばすことができました。
業績サマリ 前年同期比較
今ご説明したことを可視化したのが、スライドに記載のグラフです。売上高、売上総利益、営業利益、経常利益ともに、非常に大きく伸びています。
特に経常利益は50.4パーセント増と、創業以来、大きな成長を遂げた年になりました。関係者のみなさま、株主のみなさまのおかげと、大変感謝しています。ありがとうございました。
サービス別売上高
それぞれの内訳について、お話しします。まず、サービス別の売上高です。スライドの赤線で囲ったところがストック型ビジネス、オレンジ色のところがフロー型ビジネスとなっています。ストック型ビジネスが堅調に伸びていることが、見て取れると思います。
また、スライドをご覧のとおり、2024年2月期はクラウドインテグレーションが非常に大きく伸びました。四半期ごとの推移で6億円を達成し、大きく売上が上がっています。
クラウドライセンスリセール売上の推移
クラウドライセンスリセール売上高の推移です。スライドをご覧のとおり、ストック型ビジネスのため、新しいお客さまが入ると売上が上がっていきます。基本的には、増加基調のビジネスモデルになっています。
残念ながら、第4四半期は少し売上高が下がっています。企業のコスト最適化の要求が非常に強く、第4四半期は「AWS」の「SP/RI」という長期契約ディスカウント、長期で使うと利用料が大幅にディスカウントされるプログラムを大型のお客さまに適用しました。そのため、第3四半期に比べると売上が下がっていますが、全体としては増加基調にあります。
クラウドライセンスリセールビジネスアカウント数推移
スライドは、クラウドライセンスリセールアカウント数推移のグラフです。こちらも、随時増えているのが見て取れると思います。
2024年2月期第2四半期は、いくつか解約などもありましたが、その後は増えています。先ほどお話ししたとおり、売上自体は第4四半期に少し下がりましたが、実際にお客さまは増えています。したがって、今後、売上を伸ばしていく材料があることが、おわかりいただけると思います。
マネージドサービスプロバイダー売上、ユーザー数の推移
マネージドサービスプロバイダー売上と、ユーザー数の推移のグラフです。こちらもお客さまが堅調に増え、売上も増加していることが見て取れると思います。
このように、ストック型ビジネスのお客さまをしっかりと把握した上で、システムインテグレーションを行うことにより、売上・利益を増加させているところが、我々の強みだと考えています。
クラウドインテグレーション受注件数・売上高の推移
スライドのグラフは、クラウドインテグレーションの受注件数と売上高の推移です。先ほどお話ししたとおり、クラウドインテグレーションは2024年2月期において、かなり大きな売上を上げることができています。その理由は、SAPの大型案件などが受注できたためです。
受注件数は減っているように見えますが、大型案件を中心に獲得があり、その売上が非常に大きいため、売上高としては伸びています。
貸借対照表の推移 〜健全な財務基盤〜
貸借対照表の推移です。特に問題なく健全なかたちで推移していることが、スライドから見て取れると思います。
2025年2月期 業績予想
2025年2月期の業績予想について、ご説明します。売上高は23パーセント増の94億7,000万円を計画しています。営業利益は8.5パーセント増の6億5,000万円、経常利益は5.3パーセント増の6億4,800万円、当期純利益は6.2パーセント増の4億6,800万円を計画しています。
2025年2月期 業績予想のポイント
業績予想のポイントです。売上の伸びに対して、利益の伸びが少しおとなしいと思われたかもしれません。こちらについて、お話ししていきたいと思います。
引き続き、今後の成長のためにしっかりと投資していきたいと考えています。1つは、マーケティング戦略に対する投資です。特にクラウドライセンスリセールの拡販を目的とし、Web媒体やSNS等での広告展開を予定しています。
また、昨期からできるようになっていますが、コロナ禍であまりできていなかった、リアルイベントでの露出などを行い、BeeXを市場により知っていただくことが大事だと考えています。そのため、このような施策をしっかり行っていきたいと考えています。
もう1つは、人材採用・育成戦略です。まずは人材の採用だと考えています。優秀なエンジニアを採用し、どのように育てていくのかが、我々の事業を成長させていくための要となっています。営業人員の増強も含め、今年もしっかりと投資していきたいと思います。
人材紹介会社の紹介手数料なども、非常に増えています。こちらの部分や、求人サイトの求人広告などに投資を行い、来期以降の成長につなげていきたいと考えています。
また人材育成について、入ってきたエンジニアや営業人員をいかにして次のステップに上げていくのか、パフォーマンスをアップしていくのかも重要なポイントになっています。現場でしっかりと仕事しながら伸ばしていく方法もありますが、それだけでなく、各種トレーニングや、人材教育のためのコンサルティングなどにも投資していきたいと思っています。
来期以降の成長のための、この大きな2つに対して、継続的な投資を計画しています。
2025年2月期 業績予想
2025年2月期の業績予想です。スライドをご覧のとおり、売上高が継続的に伸びる計画になっています。経常利益は、昨期の非常に大きく伸びたところと比較すると、小さく見えるかもしれません。しかし、こちらも先ほどご説明したような投資を行いながら、しっかりと伸ばしていけると考えています。
昨期に売上が増えた要因として、SAPの大型案件の受注が大きく寄与していました。2021年2月期も、同じようなかたちで売上・利益が増えました。そして2022年2月期は、売上高の伸びが弱く、利益も落ちました。しかし2025年2月期においては、SAPの大型案件が取れたあとでも、売上高をしっかり伸ばすことができ、利益も伸ばすことができるような計画となっています。
エンジニアの採用も、昨年はうまくいったため、売上・利益ともに伸ばすことができると計画しています。
このように、2025年2月期も売上・利益ともにしっかりと成長する期にしていきたいと思いますので、引き続きご支援いただければ幸いです。
SAPシステムのクラウド化・S/4HANA化支援
最後に成長戦略について、3つお話しします。1つ目は、基幹システムのクラウド化/モダナイズ化です。こちらは、BeeXが創業以来ずっと取り組んでいるビジネスです。
今まで、企業の基幹システムであるSAPは、安定性重視かつオンプレミスでした。このSAPシステムを、クラウド化していきます。また、SAPのメインで使われているバージョンの標準サポートが2027年、延長サポートが2030年に終了するため、「S/4HANA」という新しいバージョンにアップグレードします。
それをモダナイズ化といいますが、こちらが市場として続いています。大企業で多く使われている基幹システムですので、ある意味、社会課題的なところがあります。この課題に対して継続的に取り組んでいくことが、我々の一番の成長戦略となっています。
我々はSAPシステムをクラウド化し、「S/4HANA」にバージョンアップします。「S/4HANA」化したあとも、定期的なバージョンアップが必要になってきます。「S/4HANA」は、今までよりも短いサイクルで保守が切れますので、バージョンアップして終わりではありません。「クラウド化」「S/4HANA化」「S/4HANA化アップグレード」という3つの施策を継続して行っていきます。
ここはやはり、市場として非常に大きい部分ですので、しっかりと投資していきます。
データプラットフォーム構築/アプリケーション開発
成長戦略の2つ目は、デジタルトランスフォーメーション(DX)です。今までは、コロナ禍での「働き方改革」のようなものを、企業はDXの主眼に置いていました。しかし昨今は、デジタルを使った新しいビジネスの創出など、本質的なDXに企業の軸足が移ってきています。
我々はその中で、まずはデータドリブン(データ駆動型)に企業を変革していることに対する支援をおこなってきました。今まで人間が勘でやっていたことをデータに基づいて考えたり、データを見たりすることによって、新しいインサイトを得る企業文化への変革のご支援に非常に力を入れていきます。
先ほど、SAPシステムのクラウド化についてお話ししましたが、クラウドに上げるだけでなく、企業の重要な情報が溜まっているSAPのデータをより積極的に活用していきます。また、SAPデータだけでなく、企業のいろいろなデータも集めて活用していきます。
データ集約/分析では、分析にAIを活用することも非常に重要になってきます。このような部分は、特にクラウドとSAPに特化してきた我々にとって、非常に強みになりますので、継続してしっかりと伸ばしていきます。
また、DXによって得られる新しいビジネスを創出するための、モダンアプリケーションの開発を行っています。我々はクラウドネイティブ・アプリケーションと呼んでいますが、今までのアプリケーションの作り方ではなく、新しいデジタルチャネル・ビジネスのためのアプリケーションの作り方です。新しいアプリケーションのための、新しい手法を使った開発を、我々は得意としています。
また、昨今注目されている、生成AIを活用したアプリケーション開発にも力を入れていきます。お客さまからは、「自分たちで簡単なかたちのアプリケーションを作りたい」「導入後の簡単な拡張も自分たちで実施したい」というニーズがあります。ですので、リクエストをいただいた開発に加え、内製化支援にも引き続き取り組んでいくことが、今後、より注力していくポイントであり、成長が期待される分野となっています。
SAPサラウンドソリューション
その中で、特に我々が強みとしているのが、SAPのデータ活用です。我々は「SAPサラウンドソリューション」と呼んでいますが、今まであったSAPのデータをクラウド上に集約して、活用していきます。ここは我々の強みであり、今後、成長が最も期待できる部分だと思います。
マルチクラウド対応マネージドサービス
マルチクラウドリセール/MSPについて、お話しします。何度かお話ししている、ストック型ビジネスの強化ですが、「ライセンスリセール(AWS/Azure/Google Cloud)」の強化、「マネージドサービス(運用・監視)」の強化に継続して取り組んでいきます。
ライセンセスリーセールの拡大
ライセンスリセールに関して、売上として高いのが基幹システムのマイグレーションです。基幹システムをクラウドに上げると、その後、運用やライセンスリース料がついてきます。そこが一番大きなボリュームゾーンになっています。
この部分に対し、先ほどお話ししたDXの推進・内製化支援による拡大によって、システムインテグレーションだけでなくライセンスのリセールも伸ばしていきます。また、公共部門への販路も拡大していきます。さらに、このようなビジネスを手がけているSaaSの会社に対して、クラウドに特化した我々が、運用・保守、ライセンスリースを提供していきます。
これまで我々がサービスを提供してこなかったSMBのエリアについては、昨期も多くのお客さまを拡大できました。しかし我々は、まだまだ大企業が中心のため、伸ばせる領域かと思っています。先ほどお話ししたマーケティングの強化を行うことによって、まだ伸ばせると考えていますので、このような部分の強化も行っていきます。
今まで我々が、コアとして取り組んできた、1件あたりの売上が非常に大きい基幹システムのマイグレーションをさらに強化し、DX推進やSaaS会社との連携を行います。また、マーケティングとしてSMBエリアに販路を拡大します。さまざまな取り組みを行うことにより、ライセンスリセールは伸ばしていけると考えています。
マネージドサービスの推進
マネージドサービスのさらなる展開についてです。我々は、今まで「運用・監視サポート」が中心でしたが、「セキュリティサービス」などを追加し、クラウド利用時のセキュリティへの脅威に対応してきました。また、「オブザーバビリティ」を使うことにより、DXのための高度なシステム利用を推進していくような運用サービスを提供します。
さらにはシステムコストの最適化ということで、さまざまなサービスを自動化します。お客さまのコストに着眼して運用を考える「FinOps」といった新しいサービスや、「伴走型サービス」も提供します。
導入後にクラウドの利活用が進んでいないお客さまは多いです。導入時はよかったものの、その後の展開に、ついていけないお客さまがいます。日進月歩で進んでいくクラウドについていけないお客さま、導入したものの、クラウドが最適なかたちになっていないお客さまに提供するのが、伴走型サービスです。今後、活用していくにあたって、Readyな状態(準備完了)になっているかどうかを診断しながら、一緒に改善活動を行います。
このように、今までの「運用・監視サポート」という守りの部分から、攻めの部分を強化して、推進していくことを考えています。
セキュリティソリューションの拡大
セキュリティについては、継続して拡大していこうと考えています。外からの攻撃に対して守るエンドポイントだけでなく、ゼロトラストといった、より新しいネットワークやセキュリティモデルを作る部分にも拡大していきます。
クラウドは、誰かがミスをすると非常に大きな問題になります。それを人間が診断するのは、不可能に近いことです。したがって、AIの活用のように自動化して、何かセキュリティの問題がないかを発見するサービスを追加していきたいと考えています。
クラウドに上げて終わりではなく、我々はクラウドをいかに推進していくかを考え、新しいデジタルビジネスへの活用に対して多種多様なサービスを追加し、支援していきたいと考えています。
Our Vision
我々の命題は、クラウドに特化したテクノロジーという部分から、企業の経済活動を活性化することです。今後、我々はテクノロジーのスペシャリストとして、よりよい社会の発展に貢献していきたいと考えています。
株主・投資家のみなさまには、引き続きご支援いただければと思います。本日は、ありがとうございました。