10日の米国市場ダイジェスト:NYダウは422ドル安、CPI悪化で利下げ期待大幅後退
2024年4月11日 08:00
*08:00JST 10日の米国市場ダイジェスト:NYダウは422ドル安、CPI悪化で利下げ期待大幅後退
■NY株式:NYダウは422ドル安、CPI悪化で利下げ期待大幅後退
米国株式市場は下落。ダウ平均は422.16ドル安の38,461.51ドル、ナスダックは136.28ポイント安の16,170.36で取引を終了した。
3月消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったため年内の利下げ期待が後退し、寄り付き後、下落。長期金利の大幅上昇が警戒され、終日軟調に推移した。終盤にかけ、10年債入札の弱い結果を受けて、金利が一段と上昇すると下げ幅を一段と拡大し終了。セクター別では、エネルギーは小幅上昇した一方、不動産が大きく下落した。
石油・天然ガス生産会社のエクソンモービル(XOM)や再生可能燃料会社のシェブロン(CVX)は原油高に連れ、収益増期待に買われた。地中海レストラン、CAVA(CAVA)はアナリストの投資判断引き上げで上昇。半導体のエヌビディア(NVDA)は値ごろ感からの買いに上昇した。ソーシャルメディアのフェイスブック(FB)を運営するメタ・プラットフォームズ(META)はエヌビディア(NVDA)に対する依存度を減らすべく、自社製人工知能(AI)チップ、「MTIA」の最新版を発表し、上昇。オンラインゲームの設計や開発を手掛けるロブロックス(RBLX)は広告付き新サービスが収益増につながるとの期待に、上昇した。
住宅建設会社のレナー(LEN)やDRホートン(DHI)は金利先安観の後退で売上減を警戒し、それぞれ下落。靴メーカーのデッカーズ・アウトドア(DECK)はアナリストが同社の人気スニーカーブランド、「HOKA」の売り上げ減速予想に基づき同社投資判断を引き下げ下落した。
連邦準備制度理事会(FRB)が公表した3月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の中で、ほとんどのメンバーが年内に利下げを始めると見ていることが改めて示された。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル全面高、米インフレ高止まりで利下げ観測後退
10日のニューヨーク外為市場でドル・円は151円80銭から153円24銭まで上昇し、153円16銭で引けた。米3月消費者物価指数(CPI)やコア指数が予想を上回り、インフレの改善が見られず年内の利下げ観測が大幅に後退し長期金利上昇に伴うドル買いが強まった。さらに、米財務省が実施した米10年債入札も不調で金利動向に連れドルも一段高となった。その後、日本当局の円安是正介入警戒感に一時伸び悩むが、米国や同盟国がイランによる対イスラエルのミサイル、ドローン攻撃が間近に迫っていることに備えていることが明らかになると、質への逃避のドル買いも強まった。
ユーロ・ドルは1.0865ドルから1.0729ドルまで下落し、1.0742ドルで引けた。ユーロ・円は、164円96銭から164円03銭まで下落。ポンド・ドルは1.2708ドルから1.2520ドルまで下落。ドル・スイスは0.9025フランから0.9147フランまで上昇した。
■NY原油:反発で86.21ドル、中東情勢悪化で供給不安強まる
NY原油先物5月限は反発(NYMEX原油5月限終値:86.21 ↑0.98)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は、前営業日比+0.98ドルの86.21ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは84.55ドル-86.38ドル。米国市場の中盤にかけて84.55ドルまで値を下げたが、中東情勢の悪化などを受けた供給不安が再び強まり、86.38ドルまで反発。通常取引終了後の時間外取引では主に86ドル台前半で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 36.65ドル -1.08ドル(-2.86%)
モルガン・スタンレー(MS) 91.65ドル -2.43ドル(-2.58%)
ゴールドマン・サックス(GS)400.76ドル -9.95ドル(-2.42%)
インテル(INTC) 37.20ドル -1.13ドル(-2.94%)
アップル(AAPL) 167.78ドル -1.89ドル(-1.11%)
アルファベット(GOOG) 157.66ドル -0.48ドル(-0.30%)
メタ(META) 519.83ドル +2.93ドル(+0.56%)
キャタピラー(CAT) 372.07ドル +0.17ドル(+0.04%)
アルコア(AA) 36.19ドル -0.63ドル(-1.71%)
ウォルマート(WMT) 60.62ドル +0.83ドル(+1.38%)《ST》