上昇相場で金価格も最高値更新の理由は?
2024年4月5日 16:12
●利下げ観測で金現物が最高値
金の現物価格は4月1日、FRB(米連邦準備理事会)が6月に利下げするとの見方が強まり、最高値を記録した。
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“有事の金”と言われ、金価格は株式市場が下落した時には上昇する、逆相関の関係になることが多いが、上昇相場の中でも金価格は好調だった。
利下げ期待でさらなる株価の上昇が期待されるが、そうなれば金価格が下落してもおかしくない。
なぜ、金価格も最高値を記録するくらい買われるのだろうか?
●コロナ後の金価格の動き
2020年2月のコロナショック以降、金相場は金利の低下もあり、急上昇した。
2020年8月からは利益確定の動きやコロナの楽観的な見通しから、金価格が急落する場面もあった。
一旦回復したが、2022年3月にFRBが利上げを開始してから再び下落した。2022年11月には、雇用統計での失業率の悪化や消費者物価指数などから利上げペースの鈍化が意識され、再び上昇に転じていた。
2023年10月には再び利上げ観測が意識され、下落する場面もあった。
●今後も最高値更新が続くのか?
FRBの動き、特にパウエル議長の発言などが意識され、利下げがいつになるかが金価格にとっても大きな焦点となるだろう。
金にとってのライバルは金利であり、金利が上昇すれば金が買われにくくなる。
インフレの高止まりが続いているとはいえ、これから金利が上昇する場面は考えづらく、金にとっては売られる要素は少ない。
金融商品のひとつとして買われることももちろんだが、安全資産としての需要もある。
コロナ禍は終わっても、ロシアとウクライナの戦争は続いており、イスラエルとハマスの戦況が悪化するとなれば、地政学リスクが意識され、さらに買われる場面が出るだろう。
ただ、金価格も株式相場と同様に買われすぎているという見方もでき、双方が同じように利益確定などで現金化の動きとなれば、相関関係になって下落するリスクも考えられる。
上昇相場に乗って買うより、基本に忠実なドルコスト平均法で投資することが望ましいだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)