22日の香港市場概況:ハンセン2.2%安で3日ぶり反落、減益の東方海外17%下落
2024年3月22日 18:00
*18:00JST 22日の香港市場概況:ハンセン2.2%安で3日ぶり反落、減益の東方海外17%下落
22日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比363.63ポイント(2.16%)安の16499.47ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が147.60ポイント(2.50%)安の5757.67ポイントと3日ぶりに反落した。売買代金は1356億5280万香港ドルに拡大している(21日は1180億5080万香港ドル)。
投資家の慎重スタンスが強まる流れ。中国発の新規材料に乏しい中、香港で月末集中する主力企業の決算動向が気がかり材料となった。業績不振の銘柄群に失望売りが広がり、全体相場を押し下げている。また、米中対立の警戒感がくすぶっていることもマイナス。外電が22日報じたところによれば、米超党派議員は20日、米国のインデックスファンドに対し、中国の株価指数に連動する一部商品への投資を禁止する法案を米議会に提出した。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が16.7%安、オンライン医療の京東健康(6618/HK)が12.6%安、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が10.9%安と下げが目立った。前日引け後に公表された2023年通期決算で、東方海外は86%減益を強いられている。京東健康は20日引け後に公表した通期決算が利益5.6倍と堅調だったが、一部ブローカーがその後に報告した最新リポートで24年の業績伸び悩みを予想。目標株価も大幅に引き下げた。理想汽車は21日、今年第1四半期(1〜3月)の予想納車台数を下方修正している。
セクター別では、半導体が安い。中芯国際集成電路製造(981/HK)が5.5%、上海復旦微電子集団(1385/HK)と華虹半導体(1347/HK)がそろって4.4%ずつ下落した。中芯国際集成電路製造については、米国の制裁も不安視されている。エステベス米商務次官(産業安全保障担当)は21日、米国の制裁対象となっている華為技術(ファーウェイ)に半導体を供給するため、中芯国際集成電路製造が米国の法律に違反した可能性があるとの見解を示した。
非鉄セクターも売られる。五鉱資源(1208/HK)が5.9%安、江西カン鋒リ業(1772/HK)が5.7%安、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が2.8%安、金川集団国際資源(2362/HK)が2.4%安で取引を終えた。
産金セクターもさえない。霊宝黄金(3330/HK)が5.9%安、招金鉱業(1818/HK)が3.6%安、山東黄金鉱業(1787/HK)が3.3%安、紫金鉱業集団(2899/HK)が2.7%安で引けた。
一方、本土市場は続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.94%安の3048.03ポイントで取引を終了した。保険株が安い。医薬株、素材株、インフラ関連株、ハイテク株、消費関連株、不動産株、エネルギー株、運輸株なども売られた。半面、メディア・娯楽株は高い。通信ネットワーク株、銀行株の一角も買われた。
亜州リサーチ(株)《CS》