フリービット、売上高・利益が前年比2桁増、全セグメントで増収増益、4Qも計画どおりの進捗を見込む

2024年3月12日 09:24

2024年4月期第3四半期決算説明会

清水高氏:フリービット株式会社取締役副社長CFOの清水でございます。2024年4月期第3四半期の決算につきまして、私のほうからご報告させていただきます。

連結子会社(ギガプライズ社及びその子会社)決算期変更に係る影響

今期につきましては、ギガプライズグループにて決算期変更を行っています。これまで3月末決算だったものを4月末決算としたため、今期は13ヶ月分の数字を織り込んだ決算となっております。ギガプライズグループ分の数字につきましては、すでに第1四半期から4ヶ月分取り込んでおり、第3四半期までで10ヶ月分を計上しております。

これにより、前期との比較で差異が発生するところもございます。そのため、本説明資料につきましても、決算期変更を含んだ値と決算期変更の影響を除外した値の2つを用いて説明しておりますので、その点をご留意いただければと思っております。

2024年4月期 第3四半期 連結業績サマリ

第3四半期連結業績のサマリでございます。売上高につきましては、399億9,200万円となりました。

営業利益につきましては、我々の中期経営計画『SiLK VISION 2024』をもとに、インキュベーションゾーンならびにトランスフォーメーションゾーンにおいて、今後を見据えた戦略投資を行っております。その部分が実際の会計数字上に入っているため、そちらを除いた値を「ベース利益」と表現させていただいております。

営業利益の会計上の実績値は46億7,000万円、ベース利益は53億6,800万円となっております。経常利益につきましては、会計上の実績値で45億9,200万円、ベース利益で52億9,000万円となっております。

親会社株主に帰属する四半期純利益は28億6,800万円となっており、1株当たり四半期純利益につきましては143円68銭となっております。

ギガプライズの決算期変更の影響を含んだ値については、当然ながら前期比で大きく数字が増加しておりますが、影響を除いた数字につきましても、売上高で11.8パーセントの増加、営業利益で34.9パーセントの増加、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましても63.7パーセントの増加となっております。

したがって、第2四半期に引き続き、前年同期を上回る非常に好調な数字を達成できていると思っております。

2024年4月期 第3四半期 トピックス

第3四半期のトピックスでございます。売上高につきましては、フリービットのB2B2X(B/C)モバイルサービスにおける規模拡大に合わせまして、フルスピードグループの主力事業であるアフィリエイトサービスにおける顧客獲得の進展などにより、大きく進捗しております。

また、ギガプライズグループの主力事業である「5G Homestyle」の集合住宅向けISPサービスにおける提供戸数も順調に獲得でき、前年同期比で16.9パーセント増となっております。

営業利益につきましては、戦略投資を継続して実行している状況ではありますけれども、先ほど申し上げたとおり、売上高は全セグメントとも大きく伸長しております。「トーンモバイル」を提供するTONE事業についても、利益改善効果があります。これらの結果、全セグメントが順調に推移し、前年同期比で47.4パーセント増となっております。

親会社株主に帰属する四半期純利益についても、営業利益・経常利益の増加と合わせて、前年同期比で73.2パーセント増となっております。

2023年12月8日に発表した上方修正後の通期業績予想に対しても、売上高・各段階利益とも堅調に推移しているところでございます。

前年同期比差異分析 売上高

前年同期比の差異分析でございます。売上高については、企業・クリエイター5G DX支援事業のアフィリエイト事業が主な牽引役となっております。その他のセグメントについても堅調に推移し、前年同期比で実績16.9パーセント増の、399億9,200万円という数字となっております。

前年同期比差異分析 営業利益

営業利益は、6億9,800万円の戦略投資を行っている一方で、5G生活様式支援事業を中心に、すべてのセグメントが堅調に推移し、前年同期比で実績47.4パーセント増、ベース利益で38.0パーセント増の着地となっております。

2023年4月期と2024年4月期の戦略投資内訳

今期も戦略投資を実行しております。中期経営計画『SiLK VISION 2024』の過程では、過去3年間の期間内すべてにおいて戦略投資を積極的に行っており、特に2023年4月期については「TONE」ならびに「TONE Labo」のユーザー獲得を積極的に行ってきました。

今期の「TONE」および「TONE Labo」の獲得費用については、きっちりとコントロールし、コストパフォーマンスを十分に留意して行っていく方針で実行しております。

中期経営計画『SiLK VISION 2024』の最終年度にあたる今期は、インキュベーションゾーンならびにトランスフォーメーションゾーンのアクションについて、幅広く実行してきております。

特に第2四半期と第3四半期については、「LIVING TOWN みなとみらい」のプロジェクト関連費用の計上や、データ連携プロジェクトに関する投資の実行がございますので、このような数字になっております。

前年同期比差異分析 経常利益

経常利益でございます。ベース利益の好調な推移を踏まえて、前年同期比で実績54.9パーセント増の45億9,200万円、ベース利益で43.5パーセント増の52億9,000万円という数字となっております。

前年同期比差異分析 親会社株主に帰属する四半期純利益

親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、経常利益までの増加によって、前年同期比で実績73.2パーセント増の28億6,800万円で着地しております。

連結業績サマリ BS比較

バランスシートの比較でございます。こちらは前期末との比較となっておりますが、これまでご説明してきたとおり、業績の堅調な進捗も合わせて、利益剰余金を着実に積み上げることができています。

一方で、手元資金と有利子負債のバランスを見据えて、一部では借入金の返済が進んでいるところもあります。それらを加味しまして、自己資本比率は30.5パーセントまで回復してきています。

前期末が22.9パーセントでしたので、純資産を大きく積み上げることができていると考えております。

1人当たり売上高・営業利益

1人当たりの売上高・営業利益につきましては、業績が前期比で非常に堅調に伸びてきているため、こちらの指標も前期を上回る数字で着地をする見込みとなっております。

セグメント別構成

セグメント別の業績でございます。5Gインフラ支援事業、5G生活様式支援事業、企業・クリエイター5G DX支援事業の全セグメントにおいて、増収増益となっております。

【業績進捗】5Gインフラ支援事業(モバイル革命領域)

まず、5Gインフラ支援事業でございます。

5Gインフラ支援事業 業績進捗

こちらにつきましては、B2B2X固定網のサービス利用減や、人員の増加や昨今の状況を踏まえた人件費の積み上げがあったものの、B2B2Xモバイルサービスの利用増加が牽引し、ベース利益は前年同期比13.5パーセント増の15億5,600万円となりました。

第2四半期から第3四半期にかけての利益は前四半期を若干下回る水準ではありますが、既存顧客に対する支援策を行いながら新しいサービスの立ち上げも行っているため、そのような部分の費用が入ってきているとご理解いただければと思っております。

5Gインフラ支援事業 トピックス

その一環として、新たなサービス展開を始めました。これまでパフォーマンスゾーンである5Gインフラ支援事業における既存の主力ビジネスは、事業者向けに卸売のようなモデルで提供する「B2B2X」という形態が主流となっており、小口の顧客層に対する直接リーチは制限されている状況でした。

しかし今期は、直販できる体制、システム開発も含めた組織体制の変革を行い、スタートアップ企業をはじめとして、よりさまざまな中小企業へサービスが提供できる体制を構築してきました。その結果「freebit Business」というブランド名で、サービス展開を行うことができております。

こちらは、第1弾として「どこでもIP」というサービスを発表し、すでに提供を始めております。第2弾としては、「freebit mobile Biz」の提供を発表しており、今期中にサービス提供をスタートできる状況になっています。

今後の戦略イメージ

我々のグループでは、各コンポーネントを開発し、それを組み合わせて個人を含めたお客さまに直接提供するかたちと、他の事業者さま向けにコンポーネントを組み合わせて提供するかたちの2つのビジネスモデルを行っています。

独自で提供する場合は、我々の「Showroom」を見ていただき、既存事業者さまの新しいビジネスの1つにしてもらうかたちで、我々のコンポーネントを組み合わせながら活用していただくことを考えております。

我々が『SiLK VISION 2024』において独自運用で提供しているものについては、『SiLK VISION 2027』では、各事業者さまに対して「Platform Maker (5G) / web3 blocks」として活用いただけるようなかたちで提供していきたいと思っております。

「どこでもIP」インタビュー記事掲載

「どこでもIP」は「INTERNET Watch」にてインタビュー記事を掲載していただき、ご好評いただいております。3月1日の記事公開から3日目で、週間の累計アクセスがランキング1位ということで、非常に興味を持ってお申し込みをいただいている状況になっております。

【業績進捗】5G生活様式支援事業(生活革命領域)

続いて、5G生活様式支援事業でございます。

5G生活様式支援事業 業績進捗

こちらにつきましては「5G Homestyle」の堅調な推移と、TONE事業の利益改善の結果、ベース利益としては前年同期比52.9パーセント増の29億8,300万円となっております。

5G生活様式支援事業 業績進捗

こちらのセグメントのKPIとして、集合住宅向けISPサービスの提供戸数を用いております。12月末実績の累計提供戸数は、115万7,000戸となりました。

5G生活様式支援事業 トピックス

ギガプライズグループでは、集合住宅向けのISPサービスを軸に「5G Homestyle」による新しい暮らしや住まいを実現するという目標に向かい、既存市場の横展開や新規プロダクトの開発、それらを組み合わせた新規市場の開拓を積極的に行っております。

その1つとして、NTTメディアサプライと共同で「クラウドカメラサービス」を行っております。ギガプライズグループでは、すでにこの商品・サービスを提供しておりましたが、NTTメディアサプライと組むことで、より幅広く、より多くの顧客と接点を持つことができますので、両社で協働して進めていきたいと思っております。

また、Secualとの協働では、都立明治公園における「Secual Smart Pole」を提案し、受託・導入いただいております。ギガプライズグループでは、明治公園以外にも、九州・中国地方の地方自治体向けにサービスの提供・受託をすでに行っております。今回の取り組みは、その一環と見ていただければ幸いです。

5G生活様式支援事業 トピックス

第2四半期の決算説明会でも発表させていただきましたが、web3におけるステークホルダーコミュニティーの実証実験として「One Vision」がスタートしております。この一環として、2月1日には、顧客向け「TONE Coin」のリアル価値交換を開始しました。

TONE Chain ノード数推移

昨年12月8日に「リアル価値交換」について発表した後はトレンドとしても急上昇し、ノード数の増加ピッチが明らかに上がっております。2月1日にリアル価値交換が始まってからも、増加傾向が順調に続いている状況です。

レイヤ1ブロックチェーンのノード数における世界ランキング

そちらを踏まえ、ユーザーのノード数増加により「TONE Coin」のノード数が世界第3位規模に拡大したことを本日発表させていただきました。スライドには、主要なレイヤ1ブロックチェーンのノード数を記載しておりますが、今まで3位だった「Zcash」を「TONE Coin」が追い抜いております。

こちらについては、これまでのパートナーノードを含めても上回る水準でしたけれども、トーンユーザー数のみで上回ることができたということで「世界最大規模の分散化」と表現できるのではないかと思っております。

【業績進捗】企業・クリエイター5G DX支援事業(生産革命領域)

続いて、企業・クリエイター5G DX支援事業でございます。

企業・クリエイター5G DX支援事業 業績進捗

こちらにつきましては、アフィリエイト事業が好調に推移しており、今期は売上高ならびに粗利が顕著に増加しました。

加えて、株式会社フルスピードの完全子会社化に伴うPMIの効果も出てきております。完全子会社として非上場化した直後から、当然ながら固定費は削減できていました。しかし、PMI効果として、これまでのフルスピードグループの技術開発力をグループ全般に行き渡らせることも、大きな主眼として考えておりました。

そのような効果も含めて、スライドに示したように、ベース利益は前年同期比46.7パーセント増の8億4,600万円で着地しております。

スライド左側のグラフには、四半期ごとの業績推移を記載しております。売上高については季節需要が大きく出てくるセグメントではありますけれども、利益については今期第3四半期のみで3億3,800万円と、過去最高水準となっております。

したがって今後も、このセグメントにおける改善傾向や増加傾向が期待できるのではないかと思っております。

企業・クリエイター5G DX支援事業 トピックス

トピックスでございます。「StandAlone」というインキュベーション事業に積極的に取り組んだ結果、順調に新規アーティストやクリエイターのサービス展開が進んでおります。

今後も引き続き「web3時代のファンコミュニティの形成」を目指し、より多くのクリエイターに使っていただけるように営業を推進していきたいと思っております。

「One Vision」の進捗

セグメントとは少し異なりますが、「One Vision」の進捗を報告させていただきます。先に顧客向けのソリューションについてご説明しましたが、ここでは株主向けの取り組みについてご報告したいと思います。

「One Vision」の進捗

「One Vision」の株主向け還元施策として、2024年4月末時点の株主のみなさまへの提供に向けたロードマップを本日発表させていただきました。2024年4月末時点で株主名簿に登録されている株主に対し、2024年6月上旬から中旬にかけて、サービスの案内状を送付させていただきます。

「One Vision」による株主優待については、「フリービット株主 DAO」アプリ及び「フリービット株主 DAO」参加権の「株主NFT」の提供を予定しております。アプリから「TONE Chain」のシーリングに参加することで報酬として「TONE Coin」の獲得が可能になったり、株主掲示板への投稿が可能になったりします。

加えて、2024年7月下旬以降にフリービットグループで行われる各種実証実験についても、参加が可能になる予定となっております。株主掲示板での当社IR担当との交流などをはじめとして、よりフリービットグループをご理解いただける場を提供していければと思っております。

2024年4月期連結業績進捗

『SiLK VISION 2024』の着地見通しでございます。第2四半期に上方修正を発表させていただきましたが、そちらの業績予想に対しても、非常に堅調に推移している状況となっております。

通期業績予想の目標数値としましては、売上高が530億円、営業利益が55億円、親会社株主に帰属する当期純利益が30億円となっております。売上高の進捗率は75.5パーセントですので、概ね予想どおりに着地するのではないかと思っております。

営業利益は84.9パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益は95.6パーセントの進捗率ですので、非常に好調な進捗を示すことができているのではないかと思っております。

第4四半期は『SiLK VISION 2024』の最後の四半期となりますので、最後に一連の施策の見直しをさせていただくことにより、そちらに係る費用が一部発生するかもしれません。ただし、第3四半期までの数字も非常に堅調ですので、今後についてもご期待いただくことができるのではないかと思っております。

中期経営計画『SiLK VISION 2024』業績推移

当初の『SiLK VISION 2024』におきましては、最終年度の売上高が500億円、営業利益が50億円という目標を掲げておりました。この目標について「売上高はさておき、営業利益は到達できるのか」という声も一部にはあったかもしれません。

しかし最終的には、売上高530億円、営業利益55億円で着地できるのではないかというところまで進捗しております。

『SiLK VISION 2027』に向けて

これまでお話ししたことを踏まえ『SiLK VISION 2027』に向けてのご説明をさせていただきます。今期は『SiLK VISION 2027』に向けた2回目の『Transformation Term』という位置づけでもありました。

こちらについては、これまでポートフォリオの最適化等々を推進してきております。組織戦略、人事戦略、事業戦略などを再点検し、未来を深掘りしたアクションの実施というところを今期第4四半期でもしっかりと完成させていくかたちで考えております。

『SiLK VISION 2027』では、「One Vision」をはじめとして、インキュベーション領域における新規事業の社会実装をテーマに掲げていきたいと思っております。また、既存事業の成長に合わせ、M&A戦略の解禁や業務提携により戦略ポートフォリオを積極的に拡大していきます。それにより、次の『SiLK VISION 2030』というところまで繋げていくことができたらと考えております。

以上をもちまして、2024年4月期第3四半期の決算についてのご報告を終了させていただきます。最後までご視聴いただきまして、ありがとうございました。

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