日銀マイナス金利解除秒読みで、円安・株高終焉か!?
2024年3月8日 15:42
●3月か4月にマイナス金利解除報道で日経平均急落
7日の東京株式市場は、前営業日比492円安となり、3日連続の続落となった。午前の取引では過去最高値を更新したが、ブルームバーグが、一部の政府関係者が3月か4月にマイナス金利解除を容認していると報じ、影響した。
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同日の参院予算員会で日銀・植田和男総裁が「賃金と物価の好循環強まりを確認し、2%物価目標の持続的・安定的な実現が見通せれば、マイナス金利・YCCなどの修正を検討する」と述べている。
ドル円は150円台が定着し、日経平均も34年ぶりに高値を更新するなど円安・株高の2024年だったが、マイナス金利解除によって終焉するのだろうか?
●気になる春闘と生活への影響
早ければ、3月18日と19日に行われる日銀政策決定会合で、マイナス金利解除の議論が行われる。春闘の賃上げ動向に注目が集まる。
3月中旬の春闘集中回答日が迫っているが、すでに大幅賃上げで妥結している企業が多い。
流通や外食などの労働組合UAゼンセン傘下の28組合が満額回答で妥結し、賃上げ率も6~7%の企業も多い。
全体の賃上げ率も昨年の3.6%を上回る3.8%~3.9%になると見られており、依然高い伸び率となることは確実視されている。
●円高・株安へと向かうのか?
7日の東京株式市場ではマイナス金利解除の見込みを受けて、メガバンクだけでなく銀行株全体が買われた。
2007年以来、17年ぶりの利上げがいよいよ現実味を帯びてきている。
ただ、金利上昇には副作用が伴う。日本の場合は、住宅ローンの約7割が変動金利であり、米国のような急激な金利上昇となれば、貸し倒れになりかねない。
1989年の公定歩合の引き上げ、2006年の緩和解除の時も株価が下がったことで、日本では、株は緩和の解除・利上げについて悪いイメージが強い。
今の日本の状況は構造的に円安になりやすく、日経平均のPER・PBRで見ても割安であり、1989年の2年後に起きたバブル崩壊のように、円高・株安になるとは考えづらい。
ただ、一本調子で円安・株高が進んできたため、調整局面としての大幅な値動きには警戒が必要である。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)