新NISAで副業 2つの投資枠を賢く使い分ける方法とは?

2024年3月8日 15:33

 2024年からスタートした新NISA制度は、従来のNISAを大きく進化させ、個人投資家にとってより柔軟な投資の選択肢を提供している。特に新NISAの注目ポイントとなるのは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠組みだ。本記事では、これらの枠組みを理解し、適切に使い分ける方法について紹介する。

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■「つみたて投資枠」は安定した資産形成に向いている

 つみたて投資枠は、年間120万円までの投資が非課税となる制度で、長期的な資産形成を目指す個人投資家に最適だ。この枠組みの主な特徴は、リスクを分散しながらコツコツと資産を積み上げられる点にある。

 つみたて投資枠では、インデックス型の投資信託が主な対象だ。インデックス型投資信託は、特定の市場指数に連動するように設計されており、市場全体の平均的なリターンを目指す投資方法である。

 そのため、特定の企業や業種に依存するリスクを避けつつ、長期的な市場の成長に乗じて資産を増やすことが可能だ。つみたて投資を通じて、少額からでも定期的に投資を行うことで、時間を味方につけた資産形成が期待できる。

 長期的な資産形成を重視する場合は、つみたて投資枠を中心に利用することが望ましいだろう。つみたて投資枠は安定した資産形成を目指すことに向いており、市場の変動に素早く反応することには向いていない。市場のチャンスをつかみたい場合は、成長投資枠を活用するのがおすすめだ。

■「成長投資枠」はつみたて投資と一括投資の両方を選択可能

 成長投資枠は、年間240万円までの投資が非課税となり、より積極的な資産運用を目指す投資家に適している。この枠組みの最大の特徴は、非課税保有限度額の再利用が可能であることと、より多様な投資商品にアクセスできる点である。加えて、成長投資枠はつみたて投資と一括投資の両方を選択可能だ。

 成長投資枠では、つみたて投資枠で対象となるインデックス型投資信託に加えて、より多様な投資商品に投資できる。例えば、アクティブ型投資信託やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)などにも成長投資枠では投資できるのだ。

 これにより、市場の動向を見極めながら、より高いリターンを目指す積極的な投資戦略が選択可能だ。市場が下落した際に、成長投資枠を利用して一括投資を行い、その後の市場回復による価値上昇を狙うといった戦略をとれる。

 つまり、市場のチャンスを捉えて積極的に資産を増やしたい場合は、成長投資枠の活用が鍵となるということだ。投資目的やリスク許容度に応じて、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を適切に使い分ける点がポイントである。

 新NISA制度の導入により、投資家は自身の投資スタイルに応じて、より柔軟な活用が可能となった。だが副業においても、分散投資によるリスク回避が投資の原則である点は変わらない。自分自身の投資目的に合わせて、つみたて投資枠と成長投資枠を上手に使い分けることで、効果的な資産形成を目指していただきたい。(記事:西島武・記事一覧を見る

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