三菱地所、軽井沢駅北口で商業施設整備に着工 温浴施設など2026年開業へ
2024年3月7日 16:49
三菱地所は、長野県の軽井沢駅北口で新たな複合施設(軽井沢町軽井沢)整備に着工した。温浴施設や宿泊施設、物販・飲食店舗で構成する施設で、軽井沢駅自由通路に直結し、観光客らを出迎える。開業は2026年春になる予定。
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施設は約1万3,000平方メートルの敷地に建設する鉄骨平屋建て、同2階(一部3階)建て併せて6棟の延べ約5,400平方メートル。温浴施設と宿泊施設、物販・飲食店舗が入居し、図書館運営やTポイント事業のカルチュア・コンビニエンス・クラブ、リゾート施設運営のアクアイグニスが運営に当たる。
事業名は「(仮称)軽井沢駅北口東側遊休地活用事業計画」。詳細な計画はさらに詰める方針だが、軽井沢駅前という立地特性を生かし、「信州らしさを発信し、体感できる好奇心をくすぐるゲートウェイへ」をコンセプトとする。
計画地は、1997年の北陸新幹線開業で廃線となった旧信越本線の跡地。長野県上田市に本社を置く第三セクター鉄道のしなの鉄道所有地で、しなの鉄道が2019年に実施した軽井沢駅北口東側遊休地活用事業のコンペティションに、三菱地所が応募。優先交渉権を得ていた。土地は三菱地所がしなの鉄道から借りる。
三菱地所は着工に先立つ1月末、地元説明会を開き、工事内容やスケジュールを説明。地元住民の間からは、旧信越本線の線路、ホームが撤去されて碓氷峠の鉄道事業復活が不可能になるうえ、軽井沢町東側からのパークアンドライドができなくなり、オーバーツーリズム解消にも逆効果などとして反対の声が上がっている。
軽井沢駅南口はかつての湿地の面影を残す景色があるなど、軽井沢らしさを感じられるが、北口は一面に住宅地が広がり、高原保養都市を掲げる軽井沢の玄関を感じさせる姿は失われている。(記事:高田泰・記事一覧を見る)