【QAあり】スマサポ、不動産とIT技術の融合によるソリューションを提供し、不動産管理業界の課題解決・活性化へ寄与

2024年2月27日 09:47

2024年9月期第1四半期決算説明

小田慎三氏(以下、小田):こんばんは。株式会社スマサポ代表取締役社長の小田慎三です。

藤井裕介氏(以下、藤井):代表取締役副社長の藤井です。どうぞよろしくお願いします。

小田:はじめに、2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震において被災されたみなさまには、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

ただいまより2024年9月期第1四半期の決算説明会を実施します。説明後、みなさまからの質問にお答えします。それではよろしくお願いします。

NEWS

まずはニュースということで、1つ目は売上高の増加です。「スマサポサンキューコール」等々の受注が予定どおりに推移しており、前年同四半期に比べて29パーセント増となりました。

2つ目は利益率の改善になります。経常利益については、取引条件の見直しや各種アライアンスによる業務効率化などを積極的に進めてきた結果が出ました。前年同四半期比で1,800万円の増加となっています。

会社概要

まずはスマサポについてお話しします。当社の説明会では、事業説明を行っています。当社の事業内容を初めてお聞きになるみなさまもいらっしゃいますので、毎回説明させていただいています。こちらについてはご理解くださるようお願いします。

当社の会社概要です。株式会社スマサポは、現在東京に本社を置いています。大阪、福岡、北海道の札幌、和歌山の白浜の5拠点で運営しています。従業員数は現在67名です。

経営陣の紹介

経営陣の紹介です。陣容は変わりありませんが、専務取締役だった藤井裕介が、1月より代表取締役副社長COOに就任しています。藤井さん、ひと言お願いします。

藤井:この度、代表取締役副社長COOを拝命しました。みなさまよろしくお願いします。今までも専務取締役としてスマサポ事業に関与していましたが、代表取締役として代表権を持つことにより、特にIR面で株主のみなさまにしっかりと事業の内容をお伝えすることと、機動的にスピードを上げて事業に取り組んでいくことを小田とも確認しています。

代表に就任したことをきっかけとして、IR活動等もより充実させたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

小田:同時に、取締役陣の役割を明確にするために役員人事を行いました。取締役CTOに森田、取締役CFOに室之園が、それぞれ就任しました。

ミッション

当社のミッションです。「不動産とIT技術を融合させてsmartなくらしをsupportする」を掲げています。

事業ドメイン

賃貸不動産領域において、不動産管理業界にIT技術などを駆使してさまざまなソリューションを提供していくことを事業ドメインとしています。

不動産業界の課題

不動産管理業界には課題が山積しています。やり取りはまだまだ電話や書面が中心で、非効率なコミュニケーションが山積している状態です。我々は、これらをデジタル化して、当社が掲げるさまざまなソリューションサービスを提供しながら、不動産業界に革命を起こしていきたいと考えています。

管理会社と入居者のコミュニケーション課題を解決

当社は、管理会社と入居者のコミュニケーションを包括して、課題を解決していくといったビジネスモデルを掲げています。

当社が提供するソリューション

スライドにお示ししているのは、当社が提供するソリューションサービスです。一番上が「スマサポサンキューコール」で、新生活のサポートサービスです。その下の入居者アプリ「totono」は、管理会社と入居者のコミュニケーションをデジタルで円滑にするアプリケーションになっています。

IoTのキーボックスとして、内覧サービス「SKB」というサービスも展開しています。また、家賃保証サービスの「sumai保証」も提供しています。

主要サービスのKPIサマリー

主要サービスのKPIです。「スマサポサンキューコール」では、契約していただく不動産管理会社の数と、我々が実際に入居者とコンタクトを取る数をKPIとしています。「スマサポサンキューコール」は、スマサポ事業における土台となる安定収益です。

今後の投資領域・発展領域として、入居者アプリ「totono」をキラーコンテンツに掲げています。こちらのKPIは、「スマサポサンキューコール」と同様に契約していただく不動産管理会社の数と、入居者が実際にアプリをダウンロードした数を掲げています。

スマサポサンキューコール:サービスの概要

「スマサポサンキューコール」サービスの概要としては、管理会社からの委託を受けて入居者にご連絡し、新生活で必要になるであろうインターネットやライフライン、ウォーターサーバーなどのサービスをご提供しています。

同時に、管理会社にとって非常に重要なアンケート調査など、管理会社が伝えたいことや「このようなものがあったらいいな」と考えていることを、「スマサポサンキューコール」に乗せて提供しているかたちです。

スマサポサンキューコール:ビジネスモデル

「スマサポサンキューコール」のビジネスモデルは、個人情報取得のリーガルをクリアした上で管理会社から委託を受け、新生活のサポートを入居者にご提供します。さまざまなサービスやライフラインなどをご提供して得た収益を管理会社にバックする、三方よしの収益モデルとなっています。

totono:サービスの概要

キラーコンテンツの「totono」は、これまでアナログかつ一方通行だった管理会社と入居者のコミュニケーションを、デジタルによって双方向のコミュニケーションに変えていくアプリケーションです。

totono:ビジネスモデル

我々は管理会社にサブスクリプモデルとして「totono」を提供し、さらに管理会社が新入居者や既存の入居者に対して、このアプリをどんどん提供、配布していくというビジネスモデルになっています。

「totono」が入居者に広く配布されればされるほど、自社の業務効率化が図れるようになるため、我々は広告宣伝費のようなコストを一切かけていません。管理会社から入居者へ自発的に配布してくださるため、コストをかけずに「totono」のダウンロードがどんどん進むといったビジネスモデルになっています。

2024年9月期第1四半期 業績ハイライト

続いて、業績報告とKPIの進捗についてご説明します。

2024年9月期の第1四半期業績のハイライトです。2024年9月期の第1四半期は、2023年10月から12月の3ヶ月間です。

売上高は5億7,000万円で、前年同四半期比で1億2,800万円増加しています。営業利益は1,400万円の損失ですが、前年同四半期比で300万円改善しているかたちになります。

第1四半期のトピックスとしては、リクルート社のサービスである「申込サポートby SUUMO」と当社の「スマサポサンキューコール」の連動・連携が12月にスタートしています。スタートが12月ということで、効果が発揮されるのは第2四半期以降とになると見ています。

また、入居者アプリ「totono」は需要が大きく、契約会社数が順調に推移しています。

藤井が代表取締役副社長COOとして就任しましたので、投資家のみなさまにも広く事業説明ができるような態勢を整えており、投資家のみなさまとのIR活動などについて、私としっかり役割分担しながら行っているところです。

業績の推移_全体

業績の推移について、スライドのグラフをご覧いただくとわかりやすいかと思います。売上は、増加しながら順調に推移しています。営業利益についても、今期に目指すところへ順調に推移しているというかたちです。

2024年9月期第1四半期 主要KPIハイライト

「スマサポサンキューコール」については、今まで獲得してきた既存顧客やサービスのうち、利益が取れていないところは見直して、利益をしっかり確保する体制やサービスの再提案を進めています。リクルートとの取り組みがヒットしたため、今期目標に対する進捗率は31パーセントとなっています。契約不動産管理会社数は、累計で784社に伸びてきています。

また、入居者とのコンタクト数は6万7,778件で、今期目標に対する進捗率は19パーセントです。100パーセントを四半期ごとに割れば、それぞれ25パーセントになるのではないかというところがありますが、繁忙期の1月から5月あたりに比べると、第1四半期の10月から12月は引っ越しのオフシーズンに入ります。閑散期ということもあり、19パーセントの進捗率でも、当社の進捗としては順調です。

入居者アプリ「totono」についても、契約不動産管理会社数が累計116社と順調に伸びています。また、アプリのダウンロード数も17万4,000件と、17万件を超えており順調に推移しています。

スマサポサンキューコールの主要KPIの進捗

主要KPIの進捗をグラフに表すとこのようなかたちになります。順調に階段を上っていることが見て取れるかと思います。

入居者アプリ「totono」の主要KPIの進捗

「totono」についても、今期のアプリダウンロード数は25万ダウンロードを目標にしています。

続いて、本日開示した業績予想の修正について藤井よりご説明します。

2024年9月期 業績予想の修正

藤井: 本日15時に開示した業績予想の修正についてご説明します。2024年9月期第2四半期累計の業績予想において、売上高は前回発表の12億6,800万円に対し12億4,400万円、営業利益は前回発表のマイナス1,100万円に対しプラス1,000万円、経常利益は前回発表のマイナス1,100万円に対しプラス1,300万円に修正しました。第2四半期の利益計画は、大幅に増加する見込みです。

通期業績予想についても、営業利益は前回発表の5,000万円に対し5,800万円、経常利益は前回発表の5,100万円に対し6,200万円に修正しています。

先ほど小田からもお伝えしたとおり、いわゆる不採算取引がありました。従前、電力やインターネットなどで単価が高く取れていた時期に、不動産管理会社に対して「このくらいお返ししする」というかたちで原価を設定していました。

ただし、前回のご説明でもお話ししたとおり、昨今は新電力等の単価が下がってきています。ですが、下がってきた分をお客さまへ順調に価格転嫁できていたかと言いますと、決してそうではありませんでした。結果として売上の単価が下がり、原価の単価は変わらないという状況において、一部で不採算となっている取引が散見されるようになりました。

前期末から徹底的に見直しを図った結果、利益率の向上により、第2四半期と通期の業績が改善する見込みです。

第2四半期に関しては、経常利益ベースで前回発表のマイナス1,100万円に対しプラス1,300万円を見込んでいます。通期は前回発表の5,100万円に対し6,200万円と、利益率の改善が若干鈍化しているように見えますが、入居者アプリ「totono」はここまで順調に受注獲得ができています。

獲得したものをしっかりと次の収益に結びつけるため、「totono」の機能開発をより積極的に実施していこうと考えています。足元の不採算取引が改善されたことを受け、経営陣の中で、「totono」への投資をより加速させようと考えています。

通期に関しては、第2四半期ほどの増加率ではありませんが、利益をしっかりと上げていくことを目的として活動していきます。

いずれも、我々が目的としている利益をしっかりと出し、利益率を向上させていく施策が十分に実行できていると考えていますので、今後は通期業績等も、より上を目指していけるように努力していきます。業績予想の修正に関しては以上となります。

成長戦略

小田:成長戦略および事業計画についてです。成長戦略については、非連続成長を図るために、入居者アプリ「totono」に先行投資をおこなっています。また、「スマサポサンキューコール」とのバランスを見ながら成長していきます。

アクションプランとしては、1つ目に「『スマサポサンキューコール』の拡大による安定収益の強化」、2つ目に「入居者アプリ『totono』の管理世帯数の増加による収益基盤の拡大」、3つ目に「入居者アプリ『totono』の他社連携等による収益機会の拡大」を掲げています。

①「スマサポサンキューコール」の拡大による安定収益の強化

アクションプランの1つ目の「『スマサポサンキューコール』の拡大による安定収益の強化」についてです。昨年からIRに取り組んでいますが、日本で一番大きな管理会社である大東建託グループに「スマサポサンキューコール」が導入されました。2023年8月から開始して、現在も順調に稼働しており、今年1月から初めての繁忙期を迎えます。

また、電子申込システム「申込サポート by SUUMO」との連携を開始しました。「SUUMO」を運営するリクルートは、どちらかと言いますとこれまで賃貸の仲介側で「SUUMO」というメディアを活用して営業を広げてきました。今回、我々とタッグを組みながら管理領域に進出するかたちです。

これまでは、保証会社へ送る書類もさまざまなサービスに関しても、すべて手書きし捺印するという文化でした。デジタルで申し込みができ、さらに連携していくといった新しい世界観を「SUUMO」と一緒に営業展開していくことで、不動産業界へのイノベーションを起こしていきたいと考えています。

②入居者アプリ「totono」の管理世帯数の増加による収益基盤の拡大

アクションプランの2つ目の「入居者アプリ『totono』の管理世帯数の増加による収益基盤の拡大」についてです。「totono」は2020年のアプリリリース以降、契約社数を順調に増やしてきました。

2023年12月末時点で、116社に導入していただいています。これがさらに広がっていくことにより、入居者アプリが管理業界におけるスタンダードになっていくことを目指しています。

③入居者アプリ「totono」の他社提携等により収益機会の拡大

アクションプランの3つ目として、「totono」のダウンロード数の増加によって「他社提携等による収益機会の拡大」を掲げています。

管理領域で賃貸の入居者にさまざまなサービスを届けたいという企業とタッグを組み、さらに、その元となっている管理会社ともタッグを組むことで、賃貸の入居者の方々にとって、より安心・安全・便利なサービスを届けたいと考えています。ここで収益をしっかりと上げ、非連続的な成長を目指していきます。

成長ストーリー

成長ストーリーとして、創業からのサービスである「スマサポサンキューコール」をベースとして培った顧客基盤をもとに、「totono」の拡大に注力していきます。「totono」上でさまざまな商品・商材をアップセルすることで、非連続な成長としてグロース成長を目指していきたいという成長ストーリーを掲げています。ぜひみなさまからの応援をよろしくお願いします。

以上で、2024年第1四半期決算の説明を終わります。

質疑応答:業績予想の修正について

小田:「上期の営業利益の業績予想を、前回発表からプラス2,100万円へ上方修正したのに対し、通期業績予想の修正幅がプラス800万円と、かなり小幅になっている理由を教えてください」というご質問です。

藤井:先ほど業績予想のご説明でも少し触れましたが、上期に関しては不採算取引の修正等をしっかりと実施してきました。「スマサポサンキューコール」の受注に関しては、予定どおりに推移しています。

このような状態で第2四半期まで進捗すると、本来は当然その流れに沿って通期を走るのですが、「totono」の受注が大変順調です。ダウンロード数は17万ダウンロードを超え、進捗率も非常に良い状況になっています。そのため、こちらを我々の成長エンジンとして掲げています。

「totono」を中心として、単なる利用料だけではなく、生活のサポートを「totono」上で行いたいと考えています。例えば、退去申請が来た時に不要なものを買い取るなど、今まで入居者へサービスを提供できなかった分野について、我々でしっかりとサービスインしていきます。電話や郵送などのアナログなやり取りではできなかったことを、アプリを使うことで簡単にできるようになるといったサービスを目指し、加速度的に取り組んでいきたいと考えています。

もちろん、目先の利益を出すことは非常に重要だと認識していますが、投資を緩めることなく、むしろ受注が順調だからこそ、しっかりと適正な投資を行っていきたいと考えています。今回、通期の業績予想を作成するにあたり、「totono」への投資を再度見直した結果、本件のような業績予想の修正となりました。

質疑応答:「totono」のAI実装などの大きなアップデートについて

小田:「『totono』の導入は順調に見えますが、今後『totono』の研究開発において、AIの実装など大きなアップデートの予定はありますか?」というご質問です。

藤井:先ほどのお話と若干重なってしまうかもしれませんが、おっしゃるとおり、順調に導入しています。現在17万ダウンロードされている中で、今あるやり取りを電話や郵送ではなく、データ上でしっかりと残しています。残したデータを研究開発に活用することで、AIの実装が可能になると考えています。

AIの実装等の大きなアップデートの予定は多くあり、現状では東京大学との研究を随時進めているところです。東京大学との間で、こちらの研究について加速させていくことをお話ししていますので、ご質問の回答としては、我々としては非常に大きなアップデートを行っていく予定です。

ただし、一足飛びにAIを実装するのではなく、今までなかったデータを十分に蓄えて、適正な回答ができるようにしていくところが現在のフェーズだと認識していただければと思います。

質疑応答:他社との提携による売上貢献について

小田:「ブックオフコーポレーションやエポスカードとの提携については、どのように売上貢献するのか可能な範囲で教えてください。また、収益貢献活動についてもご教示ください」というご質問です。

藤井:ブックオフコーポレーションとの提携については、賃貸の解約時に入居者に対して、「totono」でいらない本や物を整理するサービスがあることをお伝えする意味での提携になります。そのため、急激な売上貢献ではなく、徐々に「totono」のダウンロード数が増えていく中で、「totono」上でのブックオフの利用が増えていくというかたちです。

今後も「totono」上でIRを出していきたいと思っていますが、ブックオフコーポレーションと提携したから何かが一気に上がるというよりも、いろいろな会社との提携が少しずつ影響していくというかたちです。17万ダウンロードされている中で、退去される方へしっかりとアプローチしていくことで、ブックオフコーポレーションや今後提携する会社にとっても、入居者にとっても、より有意義なサービスを提供できるということです。したがって、すでに一部は収益化しつつありますが、まだそれほど大きな金額にはなっていません。

エポスカードとの業務提携については、家賃保証の部分で、我々の持つリソースとエポスカードの持つリソースの一部重なるところを業務委託のようなかたちで、共同で取り組んでいきます。こちらは売上貢献よりも業務の効率化を図るためであり、利益の改善につながるものです。

エポスカードとは1月9日から提携を開始していますが、そこからさまざまな座組を整えていきますので、実際の貢献開始時期は2月以降になるかと思います。今回、開示を出した中にも、エポスカードとの提携による効果を織り込んでいます。

小田:ブックオフコーポレーションのように、賃貸物件にお住まいの方は「こんなサービスがあったらいいな」と思うものがあると思います。不用品のリサイクルについても、「捨てるのではなく買い取ってもらえたらいいな」といった気持ちがあると思いますが、それをいかに簡単にできるかといったところに取り組んでいきます。

我々はアライアンスを組みながら、そのような機能をどんどん「totono」にアップセルしていきたいと考えています。それにより、「totono」が賃貸の入居者にとってなくてはならないものになっていくのだと思います。

今後もさまざまなIRを積極的に出していきますので、ぜひ期待していただき、楽しんでいただきながら、「totono」の成長をご覧いただければと思います。また、「X(旧Twitter)」上でも随時発信していきますので、ご期待ください。

質疑応答:不採算案件とコスト構造について

小田:「不採算案件はどうして発生してしまうのでしょうか? また、コストと売上の構造を教えてください」というご質問です。

藤井:売上とコストの構造については、インターネットやウォーターサーバー、電気、ガスなどの販売の中で、それぞれの単価から不動産管理会社にお返しする原価を我々がある程度算出し、決定するという構造になっています。その中で、これは我々もリスクの1つだと思っていますが、新電力の単価が著しく下落しています。

本来、不動産管理者は例えば売上が「10」で原価が「5」という状況において、売上が「5」ないしは「5以下」になると、当然原価を減らすようなアクションを取らなければいけません。ただし、不動産管理会社との取引の中で個別に原価を決めているため、規約上、一方的な通知だけで変更できるものではありません。信頼関係も含めて、しっかりと経済条件のお話をした上で下げていくことになります。

我々には全国に不動産管理会社のお客さまがいます。1社1社に対して丁寧にご説明し、できれば解約されることなく、我々のサービスをしっかりご理解いただいた上でご利用いただきたいと思っています。

ただし、「経済条件に関しては見直しをさせてほしい」というかたちで段取りを組んでいくため、今回は不採算案件が発生しました。今後に関しては、売上の原価をしっかりと見極めながら、お客さまである不動産管理会社にもフレキシブルに価格を設定できるように見直していきたいと思っています。創業来、我々が主力サービスとしているものですので、不動産管理会社としっかりコミュニケーションを取りながら採算性を維持するよう努力していきたいと思っています。

また、今後は我々のことをよりご理解いただくため、決算説明会以外でもさまざまなIRに注力していきます。投資家の方と接点を持つ場をどんどん増やしていきますので、ぜひともご参加ください。

「X」や「note」も始めており、そちらでもさまざまな情報を発信しています。そちらにお問い合わせなどをいただければ、いろいろとコミュニケーションが取れると思っています。

質疑応答:成長フェーズにおける営業利益率について

小田:「肌感覚でもよいのですが、成長フェーズにおいてどの程度の営業利益率を目指せると考えていますか?」というご質問です。

藤井:こちらはワクワクする質問ですが、難しい質問だとも思います。前回のミーティングや他のところでもお話ししたのですが、私は現状の営業利益率や株価に満足していません。それは先ほどの不採算案件も含めてです。

2024年9月期の業績予想における営業利益は5,800万円で、非常に低い状態です。我々としては、「totono」のAI実装やサービスインも含め、売上が成長していくプロセスの中で、まずは3年で営業利益率10パーセントを達成し、2桁台に乗せることを目指しています。「totono」への投資が終わると確認できる状態になれば、中期経営計画をお示しできると思っています。

この中期経営計画、3年、3ヶ年等々ですね、開示する初年度に対して10パーセントにより近いような利益率に戻していくというようなところが我々の今のフェーズというふうに思っております。

ご質問さまは非常に親切な方ですので、「肌感覚でも良いのですが」と前置きをしてくださいました。まさに肌感覚にはなりますが、これは来期、再来期といった範囲の中で、そのようなかたちを目指していくべきだと思っていますし、我々の目指している「totono」の世界観や成長性においては、先ほど小田からもお話ししたように、ブックオフコーポレーションに限らず、さまざまなチャネルがあります。

我々が目指すのは、退去しようとした時や車検の期日が来る時、ペットを飼う時、自転車を買う時など、マンションに住んでいる方にあらゆる生活の変化が訪れるタイミングで、「totono」上からしっかりとコミュニケーションを取ることができ、入居者にとっても有意義となる状態です。

単なる広告のようなアフィリエイトのモデルだけではなく、必要な方に必要な時に必要なサービスを提供する事業になっていくのだと自負しています。この辺りが充実していけば、急激にというわけではありませんが、売上が少しずつ増えていき、ストックになっていきます。さらに「totono」のダウンロード数が今の17万ダウンロードから20万ダウンロード、30万ダウンロードと増えていくことが、利益率の改善につながると思っています。

また、東京大学とのコミュニケーションの中でも「totono」のAI化を目指しています。インターネット上にはいろいろなデータがありますが、今まで不動産管理業界には、マンションのゴミ捨て場の鍵の番号やゴミの出し方、電気が切れている時にどうすれば良いのかといった、パーソナルなデータのストックがありませんでした。

「totono」をダウンロードしていただくと、そこにデータが蓄積していきます。そして、それを解析しているのが現在のフェーズになります。この解析が完了すると、入居者は管理会社に問い合わせなくても、AIとコミュニケーションを取ることで、フラストレーションの溜まらない状態で、聞きたいことがすべて解決できます。

これにより、管理会社も事務効率が向上し負担軽減になります。入居者にとっても、いちいち問い合わせて確認したり、回答が遅かったりといったストレスがなく生活できるようになっていきます。

我々は今、チャットセンターで何億円という単位のコストをかけて対応していますが、極論としては、そのようなコストがゼロないしはゼロに近い数字になっていきます。そのような世界観で利益率を改善していきたいと考えています。

小田氏からのご挨拶

小田:本日の説明会について見直して、再度ご質問されたい場合は「X」や「note」などを通じてご質問ください。

我々は、今後さまざまな情報を適時開示していき、募集も含めて投資家のみなさまとのコミュニケーションを活発に、そして大切にしていきたいと思っています。引き続きご支援のほどよろしくお願いします。

それでは、2024年9月期第1四半期の決算説明会を終了します。ありがとうございました。

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