8日の香港市場概況:ハンセン1.3%安で続落、決算嫌気でアリババ6.1%下落
2024年2月8日 18:00
*18:00JST 8日の香港市場概況:ハンセン1.3%安で続落、決算嫌気でアリババ6.1%下落
8日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比203.82ポイント(1.27%)安の15878.07ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が61.45ポイント(1.13%)安の5360.08ポイントと続落した。売買代金は777億1270万香港ドルに縮小している(7日は1036億3270万香港ドル)。
投資家の慎重スタンスが強まる流れ。中国企業の業績鈍化や、国内のデフレなどが投資家心理を冷やしている。朝方公表された1月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)が前年同月比でマイナス0.8%(市場予想マイナス0.5%)という結果。リーマンショック翌年、2009年以来の下落率となった。生産者物価指数(PPI)もマイナス2.5%と下落が続いている。消費活動の停滞が続いていると懸念された。また、香港市場はあす午後から週明け13日まで休場となることも(本土市場は9〜18日休場)、買い手控え要因として意識されている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国Eコマース最大手のアリババ(9988/HK)が6.1%安。7日引け後に発表した10〜12月期決算は純利益が69%減少し、1株利益が予想を下回っている。ほか、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が7.6%安、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が7.3%安と下げが目立つ。前日の取引では、標的とされた米バイオ企業規制案の警戒感がやや薄れる中で急伸していたものの、不安は払しょくされなかったようだ。
セクター別では、中国の銀行が安い。中国銀行(3988/HK)と中信銀行(998/HK)がそろって2.0%、中国建設銀行(939/HK)が1.7%、中国農業銀行(1288/HK)が1.6%ずつ下落した。
消費関連の一角も売られる。中国外食大手の百勝中国HD(9987/HK)が5.0%安、豚肉加工大手の中国雨潤食品集団(1068/HK)が4.6%安、家電メーカー中国大手の海爾智家(6690/HK)が2.3%安、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が2.0%安で取引を終えた。
半面、中国不動産セクターは高い。融創中国HD(1918/HK)が6.8%、広州富力地産(2777/HK)が6.0%、雅居楽集団HD(3383/HK)が4.5%、遠洋集団HD(3377/HK)が2.9%ずつ上昇した。
自動車セクターもしっかり。浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.0%高、北京汽車(1958/HK)が2.4%高、長城汽車(2333/HK)が2.3%高、五菱汽車集団HD(305/HK)が1.6%高で引けた。
一方、本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.28%高の2865.90ポイントで取引を終了した。証券株が高い。不動産株、ハイテク株、素材株、インフラ関連株、不動産株、自動車株、空運株なども買われた。半面、銀行株は安い。エネルギー株、食品・酒造株も売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》