相場展望2月8日号 米国株: 好業績で市場最高値を更新も、新たな暗雲の芽に注目 日本株: 好決算発表も反応はまちまち、エヌビディア決算次第
2024年2月8日 11:45
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)2/5、NYダウ▲274ドル安、38,380ドル(日経新聞より抜粋)
・2/5のNYダウは3営業日ぶりに反落した。米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が後退し、相場を押し下げた。前週末にかけて指数は最高値を更新し、主力株を中心に利益確定売りも出た。
【前回は】相場展望2月5日号 米国株: 好決算で米国株最高値更新も、懸念材料にも注意 中国株: 上海総合株価指数は、売り込まれる展開続く 日本株: 日経平均は36,000円攻防も、決算発表は今週まで
・FRBのパウエル議長は2/4夜の米テレビ番組で「経済が強い状況においては、いつ政策金利の引き下げを始めるかという問題にじっくりと対処することができるように感じる」と述べた。「物価上昇率が持続的に目標の2%に向かっていることを示すさらなる証拠を見たい」とも話した。市場の想定より利下げのペースが緩やかになるとの見方が広がった。
・2/5発表の1月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数は53.4と、市場予想52.0を上回った。個別指数では「価格」が大きく上昇した。
・市場では「企業がコスト増を値上げで顧客に転嫁している」との見方があり、根強いインフレが続くと懸念された。発表後に米長期金利が上昇し、株式の相対的な割高感を意識した売りも出た。・NYダウの下げ幅は一時▲430ドル超に達したが、主力銘柄への売り一巡後は下げ渋った。米経済が底堅さを維持し、ソフトランディング(軟着陸)に向かうとの期待が主力株への押し目買いを誘った。
・個別では、決算で売上高が市場予想に届かなかった外食のマクドナルドへの売りが目立った。工業製品・事務用品のスリーエムとドラッグストアのウォルグリーンズも下落した。半面、スマートフォンのアップルが上昇。四半期決算で1株利益が市場予想を上回った建機のキャタピラーも高かった。
・ハイテク株比率が高いナスダック総合指数は3営業日ぶりに反落した。電気自動車のテスラや交流サイトのメタプラットフォームズが下げた。
2)2/6、NYダウ+141ドル高、38,521ドル(日経新聞より抜粋)
・米国経済の軟着陸(ソフトランディング)期待が支えとなった。半面、最近の株高を牽引していた半導体関連を中心に売りが出て、投資家心理の重荷となった。NYダウは伸び悩む時間帯が多かったが、引けにかけて上げ幅を広げた。
・米債券市場で長期金利は前日に比べ▲0.09%低い4.07%を付ける場面があった。前週発表の1月の米雇用統計など米経済の底堅さを示す経済指標を背景にした長期金利の上昇が一服した。金利の低下で株式の相対的な割高感が薄れると見た買いが入った。
・NYダウの構成銘柄ではないが、地銀のニューヨーク・コミュニティ・バンコープが急落した。米連邦議会下院の金融サービス委員会に出席したイエレン財務長官が商業用不動産を巡る懸念を表明し、嫌気した売りが出た。市場では「商業用不動産向け融資を巡る銀行の経営不安への懸念などは残るものの、米経済の軟着陸期待は強い」との声があった。
・クリーブランド連銀のメスター総裁は2/6、インフレ率が持続的に2%に戻るという証拠がないまま、「政策金利を早急に引き下げるのは間違いだ」と述べたと伝わった。
・年内の利下げに言及したものの、米連邦準備理事会(FRB)高官による早期利下げ観測への牽制と受け止められた。積極的に買いを入れる雰囲気に乏しく、NYダウは伸び悩む場面が目立った。
・個別銘柄では、スポーツ用品のナイキと映画・娯楽のディズニーが上昇した。化学のダウとスマートフォンのアップルも買われた。半面、バイオ製薬のアムジェンと雇用情報管理のセールスフォースが下げた。
・ハイテク株比率が高いナスダック総合指数は小幅に反発した。電気自動車のテスラが上昇した。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が下げた。年初から上昇が目立っていた半導体株には利益確定売りが出たとの見方があった。主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は▲1%あまり下げた。
3)2/7、NYダウ+156ドル高、38,677ドル(日経新聞より抜粋)
・NYダウは3営業日ぶりに過去最高値を更新した。米経済のソフトランディング(軟着陸)期待や米企業業績の改善を好感した買いが優勢だった。
・前週から今週にかけて発表された1月の米雇用統計や1月のサプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数などが市場予想以上の米景気の強さを示した。米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げ観測が後退する半面、米経済が底堅さを維持していることが好感された。
・主要企業がこれまでに発表した決算も好意的に受け止められた。NYダウの構成銘柄ではないが、2/6夕~7にかけて自動車のフォードや配車サービスのウーバーテクノロジーズが発表した2023年10~12月期決算は売上高などが市場予想を上回った。QUICK・ファクトセットによると主要企業が発表済みの第4四半期決算では約7割が1株利益を上回っており、2024年は年間で+10%前後の増益が見込まれている。
・多くの機関投資家が運用指標とするSP500種株価指数が午後に一時4,999と、5,000の大台に近付いた。人工知能(AI)普及の恩恵を受ける主要ハイテクや半導体株を中心に上昇の勢いが強く、一部投資家が相場全体の上げに乗り遅れまいと買いを入れた。SP500種指数は4,995と過去最高値で終えた。
・NYダウの構成銘柄では、ソフトウェアのマイクロソフトやホームセンターのホームデポ、医療保険のユナイテッドヘルスが買われた。一方、2/6夕に10~12月期決算と併せて公表した利益見通しが慎重と受け止められたバイオ製薬のアムジェンは大幅安だった。
・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、2022年1月以来の高値で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズや画像処理半導体のエヌビディアの上昇が目立った。
●2.米国株:好業績で史上最高値を更新も、暗雲の芽の膨らみを注視
1)好業績や米景気楽観で米国株は上昇、史上最高値を更新
・米1月の雇用統計やISMサービス業景況感指数が市場予想を上回り、米経済の強さを背景に、NYダウは2/7に最高値を更新した。
・好業績発表:自動車のフォード、配車サービスのウーバー
・10~12月期決算で、1株利益が市場予想を上回った企業数は7割。
・早期利下げ観測が後退するというマイナス材料を、プラス材料が上回った。
2)米国株に新たな暗雲の芽
・FRBの早期利下げ観測が後退
・後退要因
・米1月ISM非製造業景況指数が53.4と予想52.0を上回った。
・米経済の底堅さを確認した。
・価格指数が大きく上昇し、インフレ懸念を示した。
・雇用統計で前月比+35.3万人増と市場予想+17.5万人を上回る。
・平均時給も+0.6%増と市場予想+0.3%・前月の+0.4%から加速。
・長期金利が上昇すると、株式の相対的な割高感が意識され、株式相場は下落
・米地銀株が連鎖下落
・ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)が決算発表で不動産関連で貸倒引当金を大幅引当をして予想外の赤字と減配を明らかにしたことで時価総額は▲6 0%減少した。
・バレーナショナルバンコープやバンクユナイテッドなど地銀株が相次いで株価下落するなど連鎖した。
・日本の「あおぞら銀行」も米国の不動産関連で赤字転落となり、株価は大きく下落し、日本株にも影響を及ぼした。
3)2/21決算発表のエヌビディアに注目
・エヌビディアは2/5時点で予想PER(株価収益率)が80倍を超え、割高水準に位置する。
・株価が過熱して高値圏にある場合、上昇局面が一気に反落するリスクもある。
・エヌビディアの決算発表内容と、その後の株価動向が、株式相場全体に影響が波及する可能性があるため、注意深く見たい。
●3.米スナップ、10~12月期売上高が予想を下回り、株価▲30%急落(ロイター)
●4.米議会予算局、「FRBの利下げ開始時期は、今年4~6月期と予測」(フィスコ)
●5.米経済は高金利に圧迫されず、時間かけて利下げ検討=ミネアポリス連銀総裁(ロイター)
●6.マクドナルド、10~12月期売上高が市場予想を約4年ぶりに下回った(ロイター)
1)売上実績64.1億ドル、予想64.5億ドル。中東ではイスラエルとハマスとの戦闘の影響と、中国の個人消費の低迷が続いたため。
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)2/5、上海総合▲27安、2,702(亜州リサーチより抜粋)
・前日までの軟調な地合いを継ぐ流れとなり、6日続落した。
・米中対立の激化や、中国不動産業の債務問題を巡る不透明感など、引続き重しとなった。
・国際通貨基金(IMF)は2/2、中国経済の年次報告を発表し、不動産開発企業の整理・再編などに遅れが生じた場合、2024~2025年の実質成長率が4%を割り込む恐れがあるとの見方を示した。
・また、国内株式市場の低迷を受け、中国で海外株ETF(上場投資信託)への資金流入が拡大しているとこもマイナス。外電が2/5付けで報じたところによれば、今年1月には中国本土で上場する海外株ETF(香港株を除く)33本に20億米ドル(約2,970億円)相当が流入している。
・このところ下落基調を受けた自律反発狙いの買いなどで、指数はプラス圏に
浮上する場面が見られたものの、上昇の勢いは続かなかった。
・業種別では、不動産の下げが目立ち、証券も冴えない。自動車・医薬・素材・公益・インフラ関連・運輸なども売られた。半面、金融やエネルギーの大型株はしっかり。酒造や食品の一角も買われた。
2)2/6、上海総合+87高、2,789(亜州リサーチより抜粋)
・投資家のセンチメントが上向く流れとなり、7日ぶりに急反発した。
・当局による相次ぐ相場のテコ入れ策が材料視された。「国家隊」と呼ばれる中国政府系投資会社・中央滙金投資有限公司は2/6、上場投資信託(ETF)の買い増し範囲を拡大したと報告。今後も保有規模を拡大し、資本市場の安定推移を支えていく方針という。
・中国証券管理監督委員会(証監会)は2/6、公募ファンド・私募ファンド・証券会社・社会保障基金・保険会社・年金基金など、各種の機関投資家による市場参加を一段と促す方針を示した。ほか、証監会は2/6午後、本土株の空売り規制を強化すると発表し、M&A(合併・買収)を含めた組織再編などで、上場企業の投資価値向上も支援する方針も明らかにした。
・また、外電が2/6、消息筋情報として伝えたところによれば、証監会などは早ければ同日中にも、習近平・国家主席に市場動向や相場対策などを報告する。中国当局は株価対策に本腰を入れるとの見方だ。
・指数は上げ幅を広げ、引けにかけて一段高となった。
・業種別では、ハイテクの上げが目立ち、医薬も急伸し、証券も高い。消費関連・銀行・保険・素材・軍事関連・インフラ関連・運輸・不動産・公益なども買われた。半面、エネルギーの一角は冴えない。
3)2/7、上海総合+40高、2,829(亜州リサーチより抜粋)
・前日の好地合いを継ぐ流れとなった。
・当局のマーケット支援スタンスが引続き材料視されている。関係部局は低迷する相場をテコ入れするため、「国家隊」と呼ばれる中国政府系投資会社による買い支えや空売り規制の強化、上場企業の投資価値向上を支援するなどの施策を集中して打ち出している。
・ただ、一時はマイナス圏に沈むなど、上値は限定的。2/6の急伸(上海総合指数は+3.2%高)を受け、売り圧力も意識されている。
・業種別では、証券の上げが目立ち、医薬も高い。レアアースや非鉄、鉄鋼、セメントなど素材も物色された。ハイテク、消費関連、不動産、インフラ関連なども買われた。半面、銀行は冴えない。
●2.中国・香港株、海外ファンドが1月▲26億ドル・12月▲38億ドル売り越し(ロイター)
●3.中国、株式の「売り」取引制限を強化(ブルームバーグ)
●4.中国当局が証券業界に追証の猶予を指導へ、株式市場安定化策の一環(ロイターより抜粋)
1)中国株式市場の値下がり圧力を和らげるため。
2)中国証券監督管理委員会は、悪質な意図を持った空売りや相場操縦などを徹底的に取り締まる方針も改めて明らかにしている。
●5.中国、証券規制当局のトップ交代、株式市場混乱の中(ロイター)
1)この人事は、市場を好転させようとする当局の意思を示す。
2)中国経済の問題に対処するという点では、何の解決にもなっていない。
●6.米国・財務長官、世銀の中国融資の継続に「強く反対」、現時点で増資検討せず(ロイター)
●7.中国SMIC、10~12月期利益は▲55%減益、需要低調や競争激化で(ロイター)
●8.アリババ、10~12月期売上高は予想に及ばず、自社株買い3.7兆円(ブルームバーグ、ロイター)
1)アリババは事業分割で立て直しを図るが、予想を下回る売上高はさらなる不透明感をもたらした。純利益は15.1億ドルと前年同期比▲77%減。
2)2023年に▲2万人程度の従業員を削減し、前年の約24万人から約22万人に減少。
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)2/5、日経平均+196円高、36,354円(日経新聞より抜粋)
・日経平均株価は続伸した。前週末の米株式相場の上昇や、外国為替市場で円相場が対ドルで下落したのを支えに買いが優勢となった。日経平均は昨年来高値に接近する場面もあったが、朝方に上昇した後は高値警戒感を意識した売りが上値を抑えた。
・海外投機筋の買いが先行して日経平均は朝方に前週末から+300円近く高い36,452円と、1/22に付けた昨年来高値36,546円に接近した。1月の米雇用統計が市場予想を大幅に上回る内容となり、米長期金利の上昇に伴って外国為替市場では円相場が1ドル=148円台後半に下落した。今週に決算発表を控えるトヨタに業績期待の買いが集まった。ホンダの上昇も目立った。
・ただ、買い一巡後は高値警戒感から売りも出て、上値の重い展開となった。本格化している主要企業の決算発表を見極めたいとの見方が広がる中、昼休み時間中に今期の業績見通しの下方修正を発表した郵船は後場に下げ幅を拡大した。商船三井、川崎汽船も連れ安した。2023年4~12月期決算を発表した伊藤忠など商社株の一角も下げた。決算が振るわずに売られるケースが目立ち、相場の上値追いは限られた。
・東証株価指数(TOPIX)は続伸し、1990年2月以来となる34年ぶりの高値を付けた。
JPXプライム150指数も続伸した。
・個別銘柄では、ソフトバンクG、ファストリ、京セラ、レーザーテクが上昇した。一方、アドテスト、KDDI、豊田通商、TDK、OLCが下落した。
2)2/6、日経平均▲193円安、36,160円(日経新聞より抜粋)
・日経平均は3営業日ぶりに反落した。米連邦準備理事会(FRB)による早期の米利下げ観測が後退し、前日の米株式市場で主要3指数がそろって下落した流れを引き継ぎ、東京市場でも売りが優勢となった。前場には下げ幅が▲300円に迫る場面があったが、後場は下げ幅を縮小した。午後の取引時間中にトヨタが2024年3月期の業績予想の上方修正を発表し、上場来高値を付け、相場全体を支えた。
・FRBのパウエル議長は2/4夜の米テレビ番組で「経済が強い状況においては、いつ政策金利の引き下げを始めるかという問題にじっくりと対処することができるように感じる」と述べた。2/5発表の1月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数が市場予想を上回ったこともあって、早期の利下げ観測が後退。米長期金利が上昇し、2/6の東京市場でも株式の相対的な割高感を意識した売りが優勢となった。
・売り一巡後は下げ渋った。トヨタが13時25分、2024年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比+84%増の4兆5,000億円になりそうだと発表した。従来予想から+5,500億円上方修正したうえ、市場予想を上回ったことから好感した買いが集まった。トヨタは上場来高値を更新し、時価総額が日本企業として初めて50兆円を超えた。
・市場では「トヨタの決算は投資家心理を明るくする内容で、国内外で重要イベントを通過し、不安材料が少ない中で買いが入りやすかった」との声が聞かれ、日本株全体を支えた。
・東証株価指数(TOPIX)とJPXプライム150指数は3営業日ぶりの反落した。
・個別銘柄では、ダイキンやファストリ、KDDIが安い。ファナックや安川電、ソニーが下落した。ヤマトやアステラス、エーザイも売られた。一方、三菱重が大幅高、アドテストや東エレク、スクリンなど半導体関連株の一角も上昇した。資生堂やキッコーマン、SUBARUやホンダも買われた。
3)2/7、日経平均▲40円安、36,119円(日経新聞より抜粋)
・日経平均は小幅に続落した。前日の米半導体株安や外国為替市場での円高・ドル安が重荷となり、やや売りが優勢となった。下げ幅は一時▲300円を超えた。もっとも、好決算を発表した銘柄の一角には買いが入り、指数を下支えした。日経平均は上げに転じる場面もあった。
・2/6の米株式市場では、エヌビディアなどが下げ、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は▲1.13%安で終えた。2/7の東京株式市場でも東エレクやアドテストなど関連銘柄の一角が下げ、指数を押し下げた。外国為替市場では1ドル=147円台後半と前日夕に比べて円高・ドル安が進行し、輸出関連を中心に重荷となった。午後の寄り付き直後にはが海外短期筋と見られる株価指数先物への売りが強まり、この日の安値を付けた。
・日経平均は上昇に転じる場面もあった。前日に2024年3月期の業績予想の上方修正を発表したトヨタが一時+7%上昇し、連日で株式分割考慮後の上場来高値を更新した。大規模な自社株買いを発表した三菱商事も急伸し、投資家心理の改善につながったことで、下値では主力銘柄を中心に押し目買いが入った。主力大型株で構成する「TOPIXコア30」の上昇が目立った。
・東証株価指数(TOPIX)は反発した。JPXプライム150指数は続落した。
・2/6発表の四半期決算が市場予想に届かなかったダイキンが急落した。一方、デンソーやHOYA、リクルートが高く。川崎汽船など大手海運、伊藤忠や三井物産など大手商社の上げが目立った。
●2.日本株:好業績への反応がまちまち、米エヌビディアの決算発表に注目
1)円安が進行し、日経平均に追い風
・米長期金利が2/5に大幅上昇し、円相場は148円台後半に。
⇒円安を好感して日経平均の下支えに。
2)好決算銘柄が支える相場
・トヨタ:市場予想を上回る決算発表
三菱商事
3)決算発表を先回りした株高もあり、発表で材料出尽くしで売られる相場に着目
・三菱UFJ、4~12月期大幅増益で前日に17年ぶり高値も、発表後に反落。
・ホンダ、決算報道が市場予想並みで反落。
4)営業利益が最高値も市場予想を下回ったということで売られる
・ダイキン
5)業績好調も利益確定売り
・タカラトミー
6)半導体関連銘柄が2/7に売られる流れが現れる
・半導体株が相場を牽引していたが、流れが変わるのか注目したい。
7)中国市場の低迷を警戒視され売られる
・ファナック
・資生堂
8)日経平均は1/22高値後は気迷いが続いており、決算発表シーズン後の動向に注目
・10/26底30,600を底に、+5,946円・+19.4%上昇した。
1/22に高値36,546円を付けた後、膠着状況が続いている。
・決算発表ラリーが終了する来週の株価動向を注視したい。
・米国ではエヌビディアの決算発表が2/21にあり、東京市場への波及を見定めたい。
●3.去年の家計調査1世帯12月消費額29.4万円、3年ぶり前年下回る=総務省(NHK)
1)前年同月比▲2.6%下回った。
●4.トヨタ、2024年3月期見通し、純利益+4.5兆円、従来から+0.55兆円増(中部経済新聞)
1)車の性能向上による値上げ、生産台数の増加、採算の良いHV車の増、円安。
●5.オムロン、2024年3月通期営業利益+450⇒+240億円黒字に下方修正(時事通信)
●6.3メガ銀行、4~12月純利益は軒並み最高益(ブルームバーグより抜粋)
1)旺盛な資金需要や、海外収益の向上と円安効果。
2)通期計画に対する進捗率は、MUFGが100%弱、三井住友FGが86%、みずほFGが100%強。
3)日銀がマイナス金利解除すれば、来期業績を押し上げる。
●7.ワークマン、3月通期の純利益は前年比▲3.8%減の+160億円に下方修正(ロイター)
1)円安でコスト高、暖冬が響く。
●8.アステラス、今期の最終利益270億円、▲41%減益に下方修正(日経新聞)
1)更年期障害薬が振るわず。
●9.ヤマト、一転減益、今期最終利益は▲22%減の360億円(日経新聞)
1)宅配便の需要弱く、「2024年問題」でコスト増。
●11.キッコーマン、4~12月期最終利益は+25%増、醤油が海外で好調(日経新聞)
●12.任天堂、4~12月期純利益+4,080億円で過去最高、前年同期比+17.9%増(共同通信)
1)新作ゲームソフト販売が好調、円安も寄与。
●13.シャープ、2024年3月期純損益▲100億円赤字、予想+100億円黒字(時事通信)
1)パソコンや車載向けディスプレー需要が想定通り回復せず。
●14.ダイキン、4~12月期営業利益+3,064億円で前年同期比+1%増、予想+3,250億円に届かず、株価▲10.77%安(日経新聞)
●15.GSユアサ、通期営業利益は従来+370億円⇒+420億円に上方修正(フィスコ)
●16.サンマルク、10~12月期も2桁の増収増益(フィスコ)
1)レストラン事業、喫茶事業ともに好調。
●17.東武鉄道、2024年3月通期、純利益+450億円、前期比+54%増、最高益(日経新聞)
●18.カゴメ、米Ingomar社を連結子会社化(食品新聞)
1)Ingomar社は年間155万トンの加工用トマトを加工し、米国第2位・世界第4位。
●19.KDDIがローソン株を公開買い付け、三菱商事とともに共同経営へ(NHK)
●20.トヨタ、米主力工場に約1,900億円投資、来年開始のEV生産に向け(NHK)
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・6367 ダイキン 夏場に期待。
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