京都市のホテル客室稼働率、2023年12月は初めてコロナ禍前以上に
2024年2月7日 09:07
京都市内主要ホテル110施設の客室稼働率が2023年12月、76.7%に達し、コロナ禍前の水準を初めて上回ったことが、京都市観光協会のまとめで分かった。日帰りを含めた日本人の来訪者指数、市内4百貨店の免税売上高もコロナ禍前を超え、春の観光シーズンを前に混雑対策が急務となっている実態が浮かび上がった。
【こちらも】京都・東山の旧料理旅館、「サンローラン」が活用へ 文化発信拠点に
主要ホテル110施設の客室稼働率はコロナ禍前の2019年同月に比べ、0.6ポイント増。市内の主要旅館25施設の客室稼働率も2019年同月より5.1ポイント高い68.0%に達し、4カ月連続で2019年同月を上回った。
外国人の延べ宿泊数は39万3,568泊。2019年同月に比べ、コロナ禍前から開業済みの施設だけだと10.7%増、施設数の変化を考慮しない場合で67.2%の大幅増となった。日本人の延べ宿泊数は43万745泊。施設数の変化を考慮しなければ前年同月から24.0%減となったものの、2019年同月より48.4%多い。
総延べ宿泊者数に占める外国人の割合は47.7%で、4カ月続けて2019年の水準を上回った。外国人の国・地域別内訳は中国人が18.3%でトップ。米国の15.4%、台湾の13.4%が続いた。中国人の1位は3カ月ぶり。日本への直行便が回復傾向にあることが影響したとみられる。
平均客室単価は1万8,204円。2019年同月から31.7%の大幅増となった。市内4百貨店の免税売上高約34.9億円は調査開始以来の最高額。日帰りを含めた日本人の来訪者指数は2019年の平均を100として98.8。2019年同月を4.2ポイント上回っている。
京都市内は祇園・東山、嵐山、四条河原町など主要観光地、繁華街で大混雑が常態化している。路線バスやタクシーの不足、JR嵯峨野線の通勤ラッシュ並みの混雑など、オーバーツーリズムが市民生活に与える影響は大きくなる一方だ。4日投開票の京都市長選で元官房副長官の松井孝治氏が当選したばかりだが、対策を急ぐ必要がありそうだ。(記事:高田泰・記事一覧を見る)