29日の中国本土市場概況:上海総合0.9%安で5日ぶり反落、ハイテクと医薬に売り

2024年1月29日 16:52

*16:52JST 29日の中国本土市場概況:上海総合0.9%安で5日ぶり反落、ハイテクと医薬に売り
週明け29日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前営業日比26.87ポイント(0.92%)安の2883.36ポイントと5日ぶりに反落した。


指標発表が気がかり材料として意識される流れ。中国では今週31日、今年1月の製造業PMIが公表される予定だ。また、米中関係の悪化懸念がくすぶっていることも重しとなっている。指数はこのところの上昇で、約3週ぶりの高値圏を回復しただけに、戻り待ちの売りも出やすい状況だ。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。当局のマーケット支援スタンスがプラスだ。中国証券監督管理委員会は28日、譲渡制限付き株式を対象に、空売り目的の貸し出しを禁止すると発表している(29日から実施)。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、ハイテクの下げが目立つ。半導体モジュール生産の嘉興斯達半導体(603290/SH)が7.7%安、フィンテック大手の恒生電子(600570/SH)が6.5%安、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が5.7%安、薄膜コンデンサー中国最大手の廈門法拉電子(600563/SH)が5.2%安で引けた。


医薬株も安い。中でも、無錫薬明康徳新薬開発(603259/SH)は連日でストップ(10.0%)安している。売り材料が重なる。中欧基金管理有限公司の著名ファンドマネジャーで、通称「医薬株の女神」と呼ばれる葛蘭氏の管理する公募ファンドがこのほど発表した四半期リポートで、無錫薬明康徳新薬開発のA株(603259/SH)など、複数の医薬品開発受託(CXO)株のポジションが減らされていたことが判明。また、米下院中国特別委員会が25日、連邦政府の援助を受ける医療機関が海外の敵対的と懸念されるバイオ企業と契約する「バイオセキュア法案」を提出。無錫薬明は規制対象に挙げられている。ほか、江蘇呉中実業(600200/SH)が3.5%、江蘇聯環薬業(600513/SH)が3.2%、江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が2.6%ずつ下落した。


自動車株もさえない。東風汽車(600006/SH)が6.0%安、北汽福田汽車(600166/SH)が4.1%安、長城汽車(601633/SH)が3.7%安、安徽江淮汽車集団(600418/SH)が3.2%安で取引を終えた。不動産株、素材株、インフラ関連株、証券株、エネルギー株なども売られている。


半面、銀行・保険株はしっかり。中信銀行(601998/SH)が4.6%、中国工商銀行(601398/SH)が1.4%、中国農業銀行(601288/SH)が1.3%、中国太平洋保険(601601/SH)が1.4%、中国人寿保険(601628/SH)が1.3%ずつ上昇した。公益株、酒造・食品株の一角も買われている。


外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.21ポイント(0.08%)高の248.67ポイント、深センB株指数が1.20ポイント(0.12%)高の1037.23ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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