百貨店とSCの12月売上、22カ月連続で前年上回る 忘年会など飲食が好調
2024年1月26日 16:10
日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が2023年12月度の売上高を発表。飲食部門や食料品が好調だったことで、どちらも前年同月を上回る状況が続いていることが分かった。
【前月は】気温低下で冬物好調 百貨店とSCの11月売上、21カ月連続で前年上回る
■2023年の百貨店売上は新型コロナ前とほぼ同水準に
25日、日本百貨店協会が12月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)5.4%増の6,465億2,103万円となり、22カ月続で前年同月を上回った。インバウンド需要は477億円となり、10月から3カ月連続で過去最高額を更新している。
新型コロナが鎮静化して初の年末商戦となり、各社とも催事が好調だった。クリスマス需要で化粧品が、ギフト需要で菓子が好調で、クリスマスケーキはコロナ前の実績を超えている。衣料品では天候が暖かめだったことからコートなどは苦戦したが、ジャケットやニットが動いたという。
また2023年通年の売上高は、既存店ベースが前年比9.2%増の5兆4,211億円となり、2019年比では3.0%減と、ほぼ新型コロナ前の水準に戻している。
■婦人服や化粧品が2桁割合の増加
大都市では10都市中9都市で前年同月を上回った。その中では札幌(前年同月比:10.8%増、以下同じ)、東京(6.2%増)、名古屋(9.1%増)、京都(8.7%増)、大阪(11.4%増)、神戸(6.8%増)、福岡(12.7%増)で比較的伸び率が大きめ。一方、11月同様に広島(8.3%減)のみが前年同月を下回っている。
都市以外の地区は明暗が分かれており、中部(2.1%増)、近畿(0.2%増)、四国(1.7%増)が前年同月を上回った一方、東北(7.9%減)、関東(0.7%減)、中国(1.1%減)、九州(0.7%減)は前年を下回った。
商品別売上高では、婦人服・洋品(11.4%増)、身の回り品(13.9%増)、化粧品(17.0%増)、食堂・喫茶(8.8%増)、その他(8.3%増)で伸び幅が大きめだった。一方、その他衣料品(7.9%減)、サービス(13.4%減)、商品券(7.0%減)でマイナス幅が大きめだった。
■ショッピングセンターは食品や飲食が好調
同日、日本ショッピングセンター協会が12月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比4.6%増の7,220億6,365万8,000円となり、百貨店同様に22カ月連続で前年同月を上回った。
暖冬で冬物衣料などの動きが鈍く、ファッションや服飾雑貨は不調だった。一方で、クリスマス需要や年末年始のまとめ買いで食料品が、忘年会やクリスマスなどで飲食も需要が好調だった。さらに年末の動向として、客数、売上高、客単価ともに前年を上回っている。
■大都市は全て前年上回る
売上のうち、テナントが前年同月比5.3%増の5,599億7,292万3,000円、キーテナントが同2.2%増の1,620億9,073万5,000円となり、全体同様に22カ月連続で前年同月を上回った。
大都市は全て前年同月を上回っており、その中でも札幌市(前年同月比:6.6%増、以下同じ)、東京区部(8.4%増)、名古屋市(5.2%増)、大阪市(8.3%増)、神戸市(8.9%増)、広島市(6.0%増)、福岡市(9.7%増)で伸び率が高めだった。
その他の地方では、北海道(2.3%増)、関東(3.6%増)、中部(4.2%増)、近畿(2.3%増)、中国(2.4%増)で伸び率が高め。反対に四国(0.9%減)が唯一前年同月を下回った。(記事:県田勢・記事一覧を見る)