香港大引:ハンセン3.6%高、中国の預金準備率引き下げなど好感
2024年1月24日 18:08
*18:08JST 香港大引:ハンセン3.6%高、中国の預金準備率引き下げなど好感
24日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比545.89ポイント(3.56%)高の15899.87ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が212.12ポイント(4.13%)高の5353.05ポイントと続伸した。売買代金は1288億680万香港ドルとなっている(23日は1240億6710万香港ドル)。
中国の金融緩和が相場を押し上げる流れ。中国人民銀行(中央銀行)は24日、市中銀行の預金準備率を0.5%引き下げると発表した(2月5日付で実施)。準備率の引き下げは、市場の想定より前倒しになったとの声が聞かれている。本土市場の安定化に向けた当局の動きを好感した買いが先行。一時、上値の重い場面がみられたものの、人民銀の発表を受け、指数は一段高となった。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄は、ほぼ全面高(構成82のうち上昇79)。個別では、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が9.1%高、通信キャリア大手の中国聯通(762/HK)が8.3%高、電子商取引(Eコマース)最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が7.3%高と上げが目立った。そのほか、中国平安保険(2318/HK)が5.4%上昇するなど、主力の金融株も軒並み買われている。アリババに関しては、創業者の馬雲(ジャック・マー)氏や蔡崇信(ジョセフ・ツァイ)会長による2023年第4四半期(10〜12月)の株式買い増しが材料視された。約3週ぶりの高値水準を回復している。
セクター別では、ゼネコンや建機などインフラ建設関連が高い。中国中鉄(390/HK)が6.6%、中国鉄建(1186/HK)が6.3%、中国交通建設(1800/HK)が6.2%、中国龍工HD(3339/HK)が5.9%、中聯重科(1157/HK)が4.7%ずつ上昇した。
中国不動産セクターも急伸。遠洋集団HD(3377/HK)が18.3%高、合景泰富地産HD(1813/HK)が8.1%高、中国恒大集団(3333/HK)が6.8%高、越秀地産(123/HK)が5.6%高で引けた。
エアラインやツアー会社、カジノ、映画など旅行・レジャー関連も物色される。中国南方航空(1055/HK)が5.0%高、中国国際航空(753/HK)が4.7%高、同程旅行HD(780/HK)が6.0%高、香港中旅国際投資(308/HK)が4.0%高、新濠国際発展(200/HK)が5.9%高、金沙中国(1928/HK)が5.1%高、猫眼娯楽(1896/HK)が8.1%高、阿里巴巴影業集団(1060/HK)が5.0%高で取引を終えた。春節(旧正月)の大型連休を来月に控え、需要増の期待が広がっている。
本土市場も続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.80%高の2820.77ポイントで取引を終了した。金融株が高い。不動産株、エネルギー株、公益株、インフラ関連株、運輸株、消費関連株、素材株なども買われた。半面、ハイテク株の一角は売られている。
亜州リサーチ(株)《CS》