日経平均のカギを握る、ファーストリテイリングのウエイト
2024年1月24日 08:46
●ファーストリテイリングが日経平均のキャップに接近
ロイター通信によると、ユニクロやGUなどを運営するファーストリテイリング株が日経平均に占めるウエイト(構成比率)が、キャップ(上限)の11%に接近し、売りが警戒されている。日経平均の算出の定期見直しが1月末に控えているためだ。
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年初から新NISAの影響や、米国経済の底堅さによる米国株の好調などを受けて、バブル後の最高値を更新するなど、好調な日経平均はユニクロの動向からも目が離せない。
●日経平均のウエイトとキャップ
日経平均はTOPIXと違い、個々の株価を一定の計算方法で数値化する等株指数であるため、株価の高い銘柄のウエイトが高くなる。
TOPIXも日経平均も個別銘柄が占めるウエイトの上限(キャップ)を設定しており、日経平均株価は2023年10月から11%(それまでは12%)と決められている。
1位はファーストリテイリングだが、2位~4位は東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクGとなることが多い。2位の東京エレクトロンが多いは、多い時でも7%台である。
●ウエイトを超えるとどうなる?今後売られるのか?
もし基準日にキャップを超えた株価となっていたら、株価換算係数に10%減の価格がキャップ調整済み採用株価として日経平均に組み込まれる。
そうなると、日経平均を採用するパッシブファンドは、その10%ディスカウントされた分をリバランスする必要がある。リバランスによる売りが見込まれる。
1月末の定期見直しがひとつの山になりそうで、警戒が必要である。
ファーストリテイリングは決算も好調なことも買われていた要因だが、日経平均のウエイトが大きいことで利益を得やすいということも、大きな要因だった。
ファーストリテイリングは継続的にウエイト10%超を維持しているが、2024年10月以降の定期見直しからは10%が上限となる。
ウエイトが高いファーストリテイリング株は、キャップ近辺の攻防が今後も続きそうで、2024年10月の見直し時期にはさらに激しい売買となる可能性もある。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)