22日の香港市場概況:ハンセン2.3%安で続落、不動産と自動車に売り
2024年1月22日 17:45
*17:45JST 22日の香港市場概況:ハンセン2.3%安で続落、不動産と自動車に売り
週明け22日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比347.51ポイント(2.27%)安の14961.18ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が125.29ポイント(2.44%)安の5001.95ポイントと続落した。ハンセン指数は2022年10月以来、約1年3か月ぶりに節目の15000ポイントを割り込んでいる。売買代金は1121億7790万香港ドルにやや拡大した(19日は968億7190万香港ドル)。
投資家の慎重スタンスが強まる流れ。中国経済の先行き不安が依然としてくすぶっている。格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは19日、中国の4大国有資産管理会社(AMC)の長期発行体格付けを軒並み引き下げた。銀行の不動産業界向け不良債権が拡大するなか、AMCの業績悪化も進んでいる。また、米中関係の悪化なども警戒された。先週末の米株高などを支えに小高くスタートしたものの、指数は程なくマイナスに転じ、下げ幅を徐々に広げている。一方、朝方公表された実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、予想通り1年物、5年物いずれも現行水準(それぞれ3.45%、4.20%)に据え置かれた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、不動産の下げが目立つ。華潤置地(1109/HK)が11.1%安、龍湖集団HD(960/HK)が10.5%安、華潤万象生活(1209/HK)が6.3%安で引けた。JPモルガン・チェース(JPM)は最新リポートで、中国の不動産セクターに対する慎重な見方を維持。長期的に見ても、同セクターの構造的な低迷は避けられないと指摘した。
新興EV(電気自動車)関連も急落。浙江零ホウ科技(9863/HK)が12.6%安、中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が8.8%安、蔚来集団(9866/HK)が6.7%安、小鵬汽車(9868/HK)が6.6%安で引けた。販売縮小などが懸念されている。業界団体によれば、今年1月の新エネ車販売は前月比で15.3%減少する見込み。また、浙江零ホウ科技については、第三者割当増資計画の発表も嫌気された。
酒造やレストランチェーンの飲食関連も安い。華潤ビールHD(291/HK)が5.4%、青島ビール(168/HK)が5.0%、百威亜太HD(1876/HK)が4.5%、海倫司国際HD(9869/HK)が7.2%、海底撈国際HD(6862/HK)が6.7%、九毛九国際HD(9922/HK)が6.3%ずつ下落した。
非鉄や建材、鉄鋼など素材セクターも売られる。中国アルミ(2600/HK)が5.6%安、中国宏橋集団(1378/HK)が4.5%安、中国建材(3323/HK)が5.4%安、北京金隅集団(2009/HK)が4.8%安、鞍鋼(347/HK)が6.1%安、重慶鋼鉄(1053/HK)が5.8%安で取引を終えた。
本土市場も続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比2.68%安の2756.34ポイントで取引を終了した。不動産株が安い。医薬株、消費関連株、素材株、インフラ関連株、運輸株、ハイテク株、エネルギー株、公益株なども売られた。半面、銀行株の一角は買われている。
亜州リサーチ(株)《CS》