【映画で学ぶ英語】『エクスペンダブルズ ニューブラッド』、”take a chance”の意味と使い方を解説
2024年1月22日 16:20
1月5日に公開された『エクスペンダブルズ ニューブラッド』は、シルヴェスター・スタローン主演のアクション映画「エクスペンダブルズ」シリーズの第4弾。ジェイソン・ステイサムを始めとする同シリーズの常連に、ミーガン・フォックスなどの新たな顔ぶれが加わって超絶アクションを繰り広げる。
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今回はこの映画でジェイソン・ステイサム演じるリー・クリスマスの名言から、”take a chance”というイディオムの意味や使い方を解説したい。
■映画『エクスペンダブルズ ニューブラッド』のあらすじ
バーニー・ロス(シルヴェスター・スタローン)率いる傭兵集団「エクスペンダブルズ(消耗品軍団)」は、CIAから新たな任務を依頼された。
その任務とは、謎のテロリスト「オセロット」のために傭兵のスアルト・ラフマトが核爆弾を盗むことを阻止せよ、というものだった。
バーニーは新たなメンバーを加えたチームを率いてリビアに向かう。チームはラフマトをあと一歩のところまで追い詰めるが、逃げられてしまう。さらにバーニーが操縦する飛行機も撃墜され、残骸から彼の指輪をつけた焼死体が発見された。
CIAの工作員・マーシュ(アンディ・ガルシア)は、命令違反にかこつけてクリスマスを「エクスペンダブルズ」から追放。クリスマスの元カノであるジーナ(ミーガン・フォックス)が新たなリーダーに任命され、ラフマトとオセロットを追跡することになった。
■リー・クリスマスの名言
「エクスペンダブルズ」から追放されたクリスマスだが、バーニーの仇討ちを諦めたわけではない。
ジーナとよりを戻したクリスマスは、これでバーニーの復讐をしてくれと、彼女にナイフを渡す。クリスマスはバーニーとの固い絆を、次の言葉で表すのだった。
He took a chance on me when no one else would.
- 彼(バーニー)は、他の誰もがしなかったときに、俺に賭けてくれた
■表現解説
“Take a chance”というイディオムは、「良い結果にも悪い結果にもなり得る何かをする」という意味で、危険を冒して新しいことに挑戦することを表す。対象となる人や物事は、前置詞onを伴って示される。
今回のセリフのように人に対して使われる場合には、 誰かに期待や信頼を持ち、危険を承知でその人物に新しい機会や役割を与えることを指す。例えば、経験のない人物の将来を信じて採用したときには、次のように言うことができる。
I decided to take a chance on hiring the young applicant. I saw potential in him despite his lack of experience.
- 私はその若い応募者を敢えて採用することにした。彼は経験不足だが、彼に可能性を見出した。
1970年代の洋楽が好きな人は、 ABBAの「テイク・ア・チャンス(原題:Take a Chance on Me)」 という曲を覚えているかもしれない。この場合は、「私に賭けてみない?」といった意味になっている。
これは”chance”という名詞にもともと「偶然の出来事、思いがけないこと」という意味があり、「危険、冒険」といった意味にもなるからだ。
ある人物や物事の可能性に賭けて、敢えてやってみることから、「チャンスを与える」と訳しても間違いとは言えない。だが、「危険を冒してやってみる」という本来の意味を、忘れないようにしたい。
関連する表現として、「用心して危険なことをしない」という意味の”take no chances”というイディオムもよく使われる。例えば、スキーに伴う危険を避けたいため、スキーはしないと言っている人がいる場合、She was taking no chances by refusing to go skiing.となる。(記事:ベルリン・リポート・記事一覧を見る)