17日の香港市場概況:ハンセン3.7%安で4日続落、中国GDP下振れ嫌気
2024年1月17日 18:00
*18:00JST 17日の香港市場概況:ハンセン3.7%安で4日続落、中国GDP下振れ嫌気
17日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比589.02ポイント(3.71%)安の15276.90ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が210.48ポイント(3.94%)安の5132.82ポイントと大幅に4日続落した。ハンセン指数は2022年10月以来の安値水準を切り下げている。売買代金は1305億4140万香港ドルに拡大した(16日は844億1290万香港ドル)。
中国経済の鈍化懸念が改めて強まる流れ。取引時間中に公表された2023年第4四半期(10〜12月)の国内総生産(GDP)成長率は5.2%となり、前四半期(7〜9月)の実績(4.9%)から拡大したが、市場予想(5.3%)には届かなかった。12月の月次統計では、不動産関連の低迷が続き、小売売上高も予想を下回っている。外部環境も不透明。米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は16日、「物価目標の達成は射程圏内」との見方を示しながらも、「インフレ鎮静化が確認できるまで利下げを急ぐべきではない」と述べた。3月にも利下げが実施されるとの観測が後退し、米債券市場では米10年債利回りが急上昇している(3.93%台→4.05%台)。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄は全面安。個別では、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)が8.6%安、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が7.3%安、不動産開発大手の恒隆地産(101/HK)が7.1%安と下げが目立った。
セクター別では、中国の不動産が安い。世茂集団HD(813/HK)が13.0%、中国金茂HD(817/HK)が9.0%、融創中国HD(1918/HK)が8.8%、合景泰富集団HD(1813/HK)が8.5%ずつ下落した。
自動車セクターも急落。蔚来集団(9866/HK)が9.8%安、小鵬汽車(9868/HK)が9.6%安、中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が9.1%安、五菱汽車集団HD(305/HK)が9.0%安で引けた。値下げ競争の激化懸念に加え、欧州連合(EU)の制裁措置も警戒される。外電は17日、消息筋情報として、「EUは早ければ6月にも、中国製の電気自動車(EV)に対する制裁関税を開始する可能性がある」などと報じた。
スポーツ用品や食品飲料、小売など消費セクターもさえない。安踏体育用品(2020/HK)と李寧(2331/HK)がそろって6.2%安、統一企業中国HD(220/HK)が6.6%安、康師傅HD(322/HK)が5.5%安、中国旅遊集団中免(1880/HK)が7.5%安、高キン零售(6808/HK)が7.1%安で取引を終えた。
一方、本土市場は3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比2.09%安の2833.62ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。不動産株、医薬株、ハイテク株、素材株、インフラ関連株、エネルギー株、公益株、金融株なども売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》