NY株式:NYダウは118ドル安、早期の利下げ期待強まる

2024年1月13日 06:52

*06:52JST NY株式:NYダウは118ドル安、早期の利下げ期待強まる
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は118.04ドル安の37,592.98ドル、ナスダックは2.58ポイント高の14,972.76で取引を終了した。

12月生産者物価指数(PPI)が予想を下回り早期の利下げ期待に買われ、寄り付き後、上昇。その後、決算を受けた銀行株の下落が重しとなり、下落に転じた。ただ、金利先安観にハイテクは底堅く推移し、相場全体の下値を支えた。ダウは終日軟調に推移したが、ナスダックは終盤にかけプラス圏を回復しまちまちで終了。セクター別では、電気通信サービスが上昇した一方で、自動車・自動車部品が下落した。

防衛のロッキード・マーチン(LMT)や総合軍事会社のゼネラル・ダイナミクス(GD)は米英軍のフーシ派拠点空爆を受けた緊張拡大に連れ需要拡大の思惑にそれぞれ上昇。金融のシティグループ(C)は第4四半期決算で赤字に転落したものの、従業員2万人削減し収益強化を目指す組織改編計画が好感され、上昇。同業のJPモルガン(JPM)は第4四半期決算で純金利収入が7四半期連続過去最高となったほか、24年通年で増加すると強気見通しを示したが利益確定売りなどにおされ、下落。バンク・オブ・アメリカ(BAC)は第4四半期の決算で純金利収入低下や昨年の地銀破綻関連の費用計上が業績を圧迫、減収減益となり、下落。また、ウェルズ・ファーゴ(WFC)は第4四半期決算で昨年の地銀破綻を受けた連邦預金保険公社(FDIC)の基金補充への拠出金などを含めコストの予想以上の拡大が重しとなったほか、通期の純金利収入について最大で9%減少する可能性があると警告し、下落。

ヘルスケアのユナイテッドヘルス・グループ(UNH)は第4四半期決算で調整後の1株利益が予想を上回ったがコストの上昇が警戒され、売られた。航空会社のデルタ(DAL)は第4四半期決算でホリデーシーズンの需要が強く調整後の1株利益が予想を上回ったものの、コスト高が影響し24年の1株利益目標を引き下げたため下落。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は中国での値下げ、さらに、紅海混乱を受けた部品不足でドイツ工場で大半の生産を停止、レンタカー会社のハーツ(HTZ)による電気自動車の売却が嫌気され下落した。

投資家の恐怖心理を示すVIX指数は一時13.08まで上昇した。


(Horiko Capital Management LLC)《ST》

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