マイナス金利解除はいつ? 注目される2024年の日銀金融政策

2023年12月30日 11:34

●注目されるゼロ金利解除

 ロイター通信によると、日銀の植田総裁は27日放送のNHKのインタビューで、マイナス金利解除のされる可能性が「結果的にゼロではない」と述べたという。

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 12月には、“チャレンジングショック”で円高が進む場面があり、12月18、19日の日銀金融政策決定会合では、マイナス金利解除や金融緩和の終了に踏み込むかが注目された。結果、金融政策は据え置きとなり、円安・株高となった。

 年末に入り、慌ただしい動きとなっている日銀だが、2024年の金融政策はどう動き、マイナス金利の解除はあるのだろうか?

●2023年の植田総裁

 2023年4月、植田和男氏が学者出身として初の日銀総裁に就任し、7月と10月にYCC(イールドカーブコントロール)を修正した。

 だが一貫して、「経済状況や物価を見ながら」として、米国等が利上げを行う中、金融緩和の終了とマイナス金利の解除には踏み切らなかった。

 12月7日には参院財政金融委員会で、「チャレンジングな状況が続いているが、年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況となる」と発言した、いわゆる“チャレンジングショック”で一気に円高が進む局面があった。

 いよいよマイナス金利の解除が近いと予測されていたが、2023年最後の日銀金融政策決定会合での据え置きで、その時期が読めなくなった。

 後に公表された会合の内容では、委員の中で金融緩和の出口に関する意見が活発化したとあり、強く意識されていることは間違いない。

●気になるマイナス金利解除の時期

 2024年前半の日銀金融政策決定会合は、1月・3月・4月に行われる。

 早ければ、1月にも利上げが行われる可能性があり得なくはない。多くの専門家は、春闘がある3月は避けて、春闘で賃上げを確認でき、GDPのデフレギャップがプラスに転じることが確認できる4月が有力という意見が多い。

 だが米国の利上げ終了と利下げの開始が早まり、3月~4月と重なってしまえば、マイナス金利の解除を見送らざるを得ない。

 さらにパーティー券問題などで岸田政権の支持率低下が止まらず、解散総選挙も考えられる。解散総選挙のタイミングも見ながらの判断となる。

 となれば、やむを得ず1月の会合でマイナス金利解除することになることも考えられる。1月のマイナス金利解除となれば、サプライズで市場が混乱することも警戒が必要である。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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