掃除にかける時間は「3時間」? 大掃除がカンタンになった意外な理由とは
2023年12月28日 16:12
2023年も、いよいよ大詰め。自宅の片づけや大掃除を始めている家庭も多いのではないだろうか。
年末になると日本では当たり前のように大掃除を行うが、海外では実はそういう習慣は見られない。大掃除を「Spring cleaning(スプリングクリーニング)」と英語に訳すことはできるが、あちらの大掃除は年末ではなく、春に行う「暖炉のスス払い」を指す。
日本の大掃除には、単に家をきれいにするだけではなく、新年に訪れる歳神様を家にお迎えする準備の意味が込められている。その為、本来は大晦日には大掃除をするべきではないと言われている。歳神様をお迎えする誠意が見えず、失礼とされるためだ。
とはいえ、年末年始は何かと忙しく、近年では31日の大晦日の夕方まで掃除機の音が聞こえてくることも珍しくない。大掃除をするだけでも歳神様に褒めてもらいたいと思っている人も多いことだろう。
見積もりプラットフォーム「ミツモア」を運営する株式会社ミツモアが11月に発表したアンケート調査によると、年末の大掃除は12月26日~31日にやる人が約半数で、大掃除全体にかける時間は「3時間以内」が20.8%、「3~6時間」が19.7%で、「短時間集中派」が約4割を占めることが分かった。大掃除といっても、徹底的に磨き上げるのではなく、家全体をまんべんなく掃除する家庭が多いようだ。
大掃除が短時間で済むのは、二つのケースが考えられるだろう。
一つは、部屋が散らかり過ぎていて、何から手を付けていいか分からなくなり、挙句の果てには面倒臭くなって適当に済ませてしまう場合。もう一つのケースは、普段から家の中がきれいに片付いているので、例えば換気扇や窓、エアコンなど、普段は手が行き届かないところだけを集中的に掃除すれば済んでしまう場合。前者の「面倒臭くなる」ケースにギクッとなる人は多いかもしれないが、昨今は、後者の「ほとんど片付ける必要がない」ケースも増えているという。その理由の一つは、住宅の進化にあると思われる。
一昔前の住宅とは比べ物にならないくらい、最新の住宅は「収納上手」な間取りが多い。
例えば、AQ Groupのアキュラホームが提案している「大収納のある暮らし」では、家の真ん中にたっぷりしまえる「大収納」をプラスしている。1階と2階のちょうど中間部分の天井空間に、高さ1.4m、2階床面積の1/2までの大容量の収納スペースを確保。しかも一部をガラス張りにしてリビングなどから見えるようにすることで、ディスプレイ的な効果も演出し、ただ収納するだけでなく「かざる」「しまう」「とりだす」まで考えた収納を提案しているのが斬新だ。趣味のグッズを飾るのはもちろん、家族の思い出の品や、お正月やクリスマスなどのディスプレイに使うのも面白いだろう。楽しみながら片付け、収納できるので、子どもたちも喜ぶはずだ。
また、ミサワホームでも「蔵のある家」という住宅を展開している。こちらも邸内の任意の場所に「蔵」と称する大容量の収納スペースを設ける提案だ。これまでの通常の同社住宅に比べて収納面積が約3倍にもなるというから驚きだ。
大掃除のためだけではなく、家の中は普段からきれいに片付いていてほしい。収納家具は後からでも、いくらでも買い足したり、交換したりすることもできるが、住宅はそうはいかない。新年に住宅の買い替えや住み替え、リフォームなどを検討しているのなら、収納のことはしっかり考えたいものだ。(編集担当:藤原伊織)