EV車で逆転を狙った自動車後進国
2023年12月28日 15:12
●自動車技術の現況
現在の内燃機関搭載車は、相当高度なレベルにまで発達し、その技術を身に着けた国は少数となった。まともな自動車産業が生き残っている国は、数える程しか存在しない。
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そして日本は、ハイブリッドシステムで「エンジンと電動モーターを連携させる」という、高度な技術によってより進歩させ、単なる内燃機関に関しては高度な技術レベルを持つ他国メーカーに対しても、一層のリードをしている。
●中国を代表とする技術後進国
内燃機関では未来永劫、日本はもとより欧米のメーカーにも追い付くことは不可能だと悟ったからこそ、そんな自動車市場を、一見簡単に思えるEV車で逆転を狙った代表格が中国である。
1党独裁で、国民の意向に何等配慮する必要も無く、勝手気ままにルールを改変出来るから、好き勝手が出来る中国は、EV車に土俵を移して逆転を狙った。
例えば、国内ではガソリン車のナンバー交付を絞り、EV車だけを優遇して交付する様な施策の結果、国民は必要に迫られて仕方なくEV車を取得することになる。
●中国の尻馬に乗った欧米諸国
そんな思惑に気付かない筈が無いのに、日本の技術に屈するのを潔しとせず、中国の尻馬に乗ったのが、ドイツを代表とする欧米勢である。クリーンディーゼル車で日本のハイブリッド車に対抗することを目論んだが、技術力が伴わず、排ガス偽装までしても力尽きて、EV車シフトに舵を切ったのだ。
●EV車は簡単な技術ではない
複雑で高度な技術力を必要とし、部品メーカーの広い裾野が必要な内燃機関と較べて、EV車は、「電動モーターと駆動用の車載電池」さえ調達すれば、簡単にでっち上げることが出来ると思われがちだ。
しかし、そんな簡単なものなら、とっくの昔にEV車が主流になっていた筈だ。
●電気自動車の発展
昔の電気自動車のバッテリーは、「鉛バッテリー」であったから、バッテリー性能の関係で実用的な自動車に劣り、対照的に内燃機関が進歩を遂げた為に、市場から駆逐された。
昨今のEV車は、「鉛バッテリー」から格段に進歩した「リチウムイオン電池」が搭載され、「限定的な用途」には、内燃機関搭載車と同程度の仕事を果たせる程度に成長した。
「限定的な用途」と言うのは、例えばバスなら、一定エリア内を運行する路線バスに使えても、観光バスの様な広範囲に活動する用途には不適合だからである。勿論、発火事故等の問題が発生しないことが必須要件であることは言うまでも無い。
またトラックも、域内配達を担う宅配便や、主要工場と周辺の取引先との資材搬送用には適合するが、長距離運航のトラックには使えない。
●EV車の問題点
昨今の「EV車推し」の環境下、EV車が抱える問題点には、「1充電走行距離」の問題と、「発火事故」がある。
「1充電走行距離」の問題は、「充電インフラ」の整備により或る程度はカバー出来るが、路上で電欠ストップした場合に、現場で補充電出来ないという課題が残る。
発火事故は完成車輸送事態に影を落としている。
また現行EV車に関しては、車載電池搭載の関係もあって、事故の場合の修理金額が高額になるという問題もある。
そして一番問題なのは、EV車の生産段階から、実際に稼働して、最終的に廃車処理されるまでの全工程での環境負荷は、ガソリン車よりも劣ると言う事実がある。
その国の電源構成が、再生可能エネルギーか原子力発電が主力でない限り、発電時を勘案すれば、「電気を用いる」走行中の環境負荷まで劣ることになる。
●先ずまともな自動車が造れること
自動車後進国のEV車メーカーや、たとえ先進国であっても自動車製造のノウハウを持たないメーカー製にはハードルは高い。
一部評論家が評価するT社にしても、車造りの基本が身に付いていないから、単純なボディ剛性の問題である「フロントフードが突然開いて前方視界を失う」様な、初歩的な不具合を発生させる。
内燃機関搭載車がまともに造れる様になってから、電動車にアプローチしなければ、搭乗する人の命だけではなく、他の路上の人や車に対しても迷惑なだけの存在となる。
後進国が日本の補助金を目当てに、未完成な電動車を販売するのは遠慮して貰いたいものだ。またそんな車には、日本も欧米同様に補助金を出すべきではない。
●EV車乗りに求めること
これから厳寒期に向うが、積雪による大規模渋滞等に際して、せめて「電欠エンコ」して他の交通に迷惑を掛けない様にして欲しい。
極言すれば、積雪地域へEV車で乗り入れることは遠慮して欲しいと思う昨今である。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る)