27日の香港市場概況:ハンセン1.7%高で反発、テック指数は2.6%上昇
2023年12月27日 18:00
*18:00JST 27日の香港市場概況:ハンセン1.7%高で反発、テック指数は2.6%上昇
休場明け27日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比284.43ポイント(1.74%)高の16624.84ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が114.71ポイント(2.09%)高の5603.70ポイントと反発した。売買代金は992億4590万香港ドルに縮小している(22日は1411億6330万香港ドル)。
投資家心理が上向く流れ。米ハイテク株高が好感されたほか、中国ネット締め付けの過度な警戒感も薄れている。昨夜の米市場では、早期の米利下げ観測が強まる中、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%高と3日続伸し、2022年1月以来の高値を付けた。ネット締め付けに関しては、国家新聞出版署が22日、ユーザーの過剰消費を誘発することなどを禁止する「オンラインゲーム管理弁法」の草案を発表したが、同署は23日、新たな規制強化案は業界の健全な発展を促進する目的だとしたうえで、修正する余地もあると説明した。中国企業の業績成長も好材料。朝方公表された中国工業企業の利益総額は、今年11月に前年同月比で29.5%増加した。4カ月連続でプラス成長を維持し、増加率は10月の2.7%から急上昇している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、前営業日に急落したオンラインゲームを展開する網易(9999/HK)が11.9%高、騰訊HD(700/HK)が4.0%高と上げが目立っている。網易傘下の網易遊戯はこのほど、中国当局が発表したオンラインゲームの新規制案について、自社のビジネスに実質的な影響を及ぼすことはないとコメントした。指数関連以外のゲーム銘柄も軒並み上昇。ハンセン科技(テック)指数は2.6%高と他の指数をアウトパフォームした。
太陽光などエコ発電関連も高い。中国水発興業能源集団(750/HK)が7.7%、北京能源国際HD(686/HK)が6.3%、福莱特玻璃集団(6865/HK)が5.0%、信義光能HD(968/HK)が3.1%ずつ上昇した。
上下水道やごみ処理など環境インフラ関連も物色される。中国水務集団(855/HK)が8.4%高、北控水務集団(371/HK)が5.7%高、中国光大環境(257/HK)が4.2%高、粤海投資(270/HK)が3.6%高で取引を終えた。
医薬セクターもしっかり。百済神州(6160/HK)が5.3%高、中国生物製薬(1177/HK)が3.2%高、翰森製薬集団(3692/HK)が2.1%高、緑葉製薬集団(2186/HK)が2.0%高で引けた。
半面、海運セクターはさえない。中遠海運HD(1919/HK)と東方海外(316/HK)がそろって3.0%、太平洋航運集団(2343/HK)が1.9%、海豊国際HD(1308/HK)が1.7%ずつ下落した。
一方、本土市場も反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.54%高の2914.61ポイントで取引を終了した。エネルギー株が高い。ハイテク株、証券・銀行株、公益株、医薬株、素材株、食品株なども買われた。半面、メディア・娯楽株は安い。自動車株、軍事関連株、保険株も売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》