18日の香港市場概況:ハンセン1.0%安で3日ぶり反落、海運セクターは逆行高
2023年12月18日 18:00
*18:00JST 18日の香港市場概況:ハンセン1.0%安で3日ぶり反落、海運セクターは逆行高
週明け18日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比162.96ポイント(0.97%)安の16629.23ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が65.97ポイント(1.16%)安の5634.42ポイントと3日ぶりに反落した。売買代金は943億1680万香港ドルに縮小している(15日は1362億5890万香港ドル)。
中国景気の先行きが改めて不安視される流れ。足元では、景気鈍化を示唆する指標が相次いでいる。15日に集中して公表された11月の経済統計は、不動産関連の悪化基調が継続。鉱工業生産や小売売上高の伸びが前月を上回ったものの、アナリストの一部からは、「新型コロナウイルス禍の混乱を受けたベース効果の影響も大きく、中国景気の持ち直しを確認するには至らない」と指摘された。先ごろ公表された11月の消費者物価指数(CPI)がマイナス幅を拡大し、下落率は2020年11月以来、3年ぶりの大きさを記録するなど内需の弱さも際目立っている。香港域内金利の低下一服も逆風。住宅ローン金利基準のひとつとなる香港銀行間取引金利(HIBOR)1カ月物は18日、7営業日ぶりに上昇した。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄は、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が6.0%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が5.8%安、不動産管理サービスの華潤万象生活(1209/HK)が3.9%安と下げが目立っている。
セクター別では、中国と香港の不動産関連が安い。上記した華潤万象生活のほか、華南城HD(1668/HK)が4.7%、雅居楽集団HD(3383/HK)が3.4%、華潤置地(1109/HK)が2.9%、恒隆地産(101/HK)が2.4%、新鴻基地産発展(16/HK)が1.8%ずつ下落した。中国のデベロッパーについては、債務問題の再燃が重し。商業不動産など開発の華南城は18日、11月分の利払いができない可能性があると発表した。
自動車セクターもさえない。小鵬汽車(9868/HK)が6.7%安、華晨中国汽車HD(1114/HK)が3.0%安、理想汽車(2015/HK)が2.9%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.7%安で引けた。
半面、海運セクターは急伸。海豊国際HD(1308/HK)が14.7%高、中遠海運HD(1919/HK)が7.5%高、中遠海運能源運輸(1138/HK)が6.7%高、太平洋航運集団(2343/HK)が5.7%高、東方海外(316/HK)が4.2%高で取引を終えた。運賃の上昇が意識されている。紅海を運航する商業船に対し、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が攻撃を続けていることを受け、各海運大手がスエズ運河の航行を見合わせると相次ぎ発表した。
一方、本土市場は4日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.40%安の2930.80ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。不動産株、素材株、医薬株、消費関連株、インフラ関連株、メディア・娯楽株なども売られた。半面、海運株は急伸。エネルギー株、公益株、銀行株も買われた。
亜州リサーチ(株)《CS》