15日の中国本土市場概況:上海総合0.6%安で3日続落、不動産株は逆行高
2023年12月15日 17:09
*17:09JST 15日の中国本土市場概況:上海総合0.6%安で3日続落、不動産株は逆行高
15日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比16.43ポイント(0.56%)安の2942.56ポイントと3日続落した。年初来安値を付けた10月23日以来、約2カ月ぶりの水準に落ち込んでいる。
中国経済の先行き不透明感がくすぶる流れ。中国指導部は2024年の財政赤字目標を対国内総生産(GDP)で3%とすることを決定したもよう――と伝わったが、比率は改定後の23年目標値(3.8%)を下回っているため、24年の大規模な財政出動は望めないと悲観された。取引時間中に公表された11月の中国経済統計は、不動産関連など一部を除き概ね良好だったものの、アナリストの一部からは、「新型コロナウイルス禍の混乱を受けたベース効果の影響も大きく、中国景気の持ち直しを確認するには至らない」と指摘されている。中国の不動産支援策や金融当局の大規模な資金供給などを手がかりに、指数は小高く推移していたが、後場途中からマイナスに転じた。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、ハイテク関連の下げが目立つ。スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が2.5%安、ディスプレー基幹部品の彩虹顕示器件(600707/SH)が2.0%安、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が1.5%安、フィンテック中国大手の恒生電子(600570/SH)が1.4%安で引けた。
医薬株もさえない。江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が2.3%、薬明康徳(603259/SH)と北京同仁堂(600085/SH)がそろって1.6%、人福医薬集団(600079/SH)が1.5%ずつ下落した。公益株、軍事関連株、エネルギー株、素材株、金融株、メディア・娯楽株なども売られている。
半面、不動産株はしっかり。保利発展控股集団(600048/SH)が2.5%、新城控股集団(601155/SH)が2.2%、信達地産(600657/SH)が1.8%、緑地HD(600606/SH)が1.3%ずつ上昇した。不動産支援策の効果が期待されている。北京、上海の中国2大都市は14日、不動産市場のテコ入れ策をそろって発表した。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.47ポイント(0.21%)高の226.12ポイント、深センB株指数が0.03ポイント(0.00%)高の1064.00ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)《CS》