11日の香港市場概況:ハンセン0.8%安で3日続落、李寧14%急落
2023年12月11日 18:00
*18:00JST 11日の香港市場概況:ハンセン0.8%安で3日続落、李寧14%急落
週明け11日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比132.88ポイント(0.81%)安の16201.49ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が65.67ポイント(1.17%)安の5532.49ポイントと3日続落した。売買代金は987億万2800万ドル(8日は883億6700万香港ドル)。
中国経済の先行き不透明感が強まる流れ。デフレ進行を受け、消費活動の弱さが改めて意識されている。9日に中国で公表された11月の物価統計は、消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)がそろってマイナス幅を拡大。なかでもCPIの下落率は2020年11月以来、3年ぶりの大きさとなっている。それより先、7日発表の貿易統計は、人民元建て輸出がプラス成長を回復したものの、輸入の伸びが大幅に鈍化した。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が14.3%安と急落。同社は10日、香港不動産の恒基兆業地産(12/HK)から域内の商業ビル「港匯東」を22億800万香港ドル(約410億円)で取得すると発表。李寧はビルの一部を香港拠点設立に活用すると説明しているが、手許資金の減少を意識した売りが先行した。一方、恒基兆業は%安と小幅な下げにとどまっている。
このほか、テック株の下げも目立つ。電子商取引(Eコマース)中国大手の京東集団(9618/HK)が6.3%安、フードデリバリー大手の美団(3690/HK)が3.6%安で引けた。テック株で校正されるハンセン科技指数は1.1%安と、全体相場をアンダーパフォームした。
セクター別では、中国の不動産が安い。融創中国HD(1918/HK)が8.9%、中国奥園集団(3883/HK)が4.9%、広州富力地産(2777/HK)、碧桂園HD(2007/HK)が各2.7%下落した。
中国銀行セクターも売られる。招商銀行(3968/HK)が1.8%安、交通銀行(3328/HK)が1.7%安、中国農業銀行(1288/HK)が1.4%安で引けた。国営メディアの報道によると、商業銀行はデベロッパー向け融資を強化中。11月以降に主要行が実行した非国有デベロッパー向けの融資は総額300億人民元余りに達した。
一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.74%高の2991.44ポイントで取引を終了した。石炭株が高い。自動車株、メディア・娯楽株も買われた。半面、不動産株が安い。金融株、家電株の一角も売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》