1日の香港市場概況:ハンセン1.3%安で反落、自動車関連に売り

2023年12月1日 18:00

*18:00JST 1日の香港市場概況:ハンセン1.3%安で反落、自動車関連に売り
1日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比212.58ポイント(1.25%)安の16830.30ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が95.81ポイント(1.64%)安の5761.73ポイントとそろって反落した。ハンセン指数は年初来安値を更新している。売買代金は1142億50万香港ドルに縮小した(11月30日は1391億1930万香港ドル)。


投資家の慎重スタンスが再び強まる流れ。米長期金利の低下一服や、中国人民銀行(中央銀行)の資金吸収などが嫌気された。昨夜の米債券市場では、このところ連日で低下していた米10年債利回りが急上昇している。中国では人民銀が1日、リバースレポ取引を通じ、満期分との差引で5450億人民元を市中から吸収した。一方、取引時間中に公表された11月の財新中国製造業PMI(民間による)は50.7に拡大し、前月実績(49.5)と市場予想(49.6)を上回った。景況判断の境目となる50を再び超過している。前日発表された国家統計局などによる製造業PMIは、予想外に悪化していた。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が6.1%安、香港不動産デベロッパー大手の新世界発展(17/HK)が4.5%安、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(6862/HK)が4.2%安と下げが目立った。


セクター別では、中国の自動車が安い。上記したディーラーのほか、完成車メーカーの小鵬汽車(9868/HK)が5.1%、吉利汽車HD(175/HK)が3.4%、長城汽車(2333/HK)が2.5%、比亜迪(BYD:1211/HK)が1.9%ずつ下落した。価格競争が再び激化していることを不安視している。BYDは11月初めに年末の販売促進キャンペーンをスタート。一部車種を値下げしている。年末が接近する中、販売を積み上げる狙いだ。各社も追随する動きをみせている。


半導体セクターもさえない。晶門半導体(2878/HK)が4.4%安、中芯国際集成電路製造(981/HK)が4.1%安、華虹半導体(1347/HK)が3.9%安、上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.8%安と値を下げた。


半面、マカオのカジノ関連は物色される。金沙中国(1928/HK)が2.3%高、永利澳門(1128/HK)が2.0%高、新濠国際発展(200/HK)が1.8%高、銀河娯楽集団(27/HK)が1.2%高で取引を終えた。業績期待が強まる。今年11月の域内カジノ売上高は、前年同月比で5.4倍に拡大した。


一方、本土市場は小幅続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.06%高の3031.64ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。ハイテク株、通信株、金融株、エネルギー株、公益株なども買われた。半面、消費関連株は安い。素材株、運輸株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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