TOPPAN、宇宙・哲学の知見を用いた思考法のフレームワークを開発
2023年11月29日 16:21
TOPPANホールディングス(東京都文京区)は24日、天文学や哲学の知見を用いた「スペースイノベーションフレームワーク」の思考法を開発したと発表した。長期的でユニバーサルな視点を獲得できるとしており、今後、企業の事業開発支援プログラムや人材育成向けに提供していく予定だ。
【こちらも】TOPPANホールディングスと富士通、医療ビッグデータ事業の拡大に向けて協業
監修は、東京大学特任准教授の高梨直紘氏や、クロス・フィロソフィーズ社長の吉田幸司氏らが行った。日常的な視野にとらわれた思考を打破する思考法で、ビジネスシーンで活用してほしい考えだ。
フレームワークの概要はこうだ。まずは「航行」のステップ。疑似的に宇宙空間に飛び出してその広さを体感する。空間の認識を広げ、既存の思考の枠組みを取り外す。次に「回顧」。「宇宙、地球、生命、人類の誕生、人類の歩み」を時間軸の視点で考え、人類のこれまでの歩みを理解する。
続いて「把握」を行う。環境危機など、人類と地球が置かれている状況を認識。自分が近視眼的な思考になっていないかを確認するステップを踏む。4番目は「責任」。150年後の子孫が暮らす地球や宇宙環境を考える。人類のあるべき姿を長期的・ユニバーサルな視点で思い巡らせる。
最後が「覚悟」。4番目のステップで未来にわたる責任を認識した上で、どのようにビジネスを展開するかを考える。「未来の子供たちのために、今どのように行動すれば『良き祖先』になれるか」を考えて、覚悟を決める。
スペースイノベーションフレームワークを用いれば、日常のビジネスで考えている枠を超えて思考を拡大することが可能だ。また、短期的思考に陥らず、長期的視点を養うことができる。『良き祖先』という視点を獲得すれば、自分が取るべき行動への覚悟にもつながると言う。
変化が激しい外部環境に対応するために、新しい価値創造の手法への注目が高まっている。TOPPANホールディングスは、次世代型人材開発のR&D拠点として「人材開発ラボ」を2017年に開発。2020年にはアーティストの思考ロジックをフレームワーク化した「アートイノベーションフレームワーク」も開発している。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)