ブラックフライデーの結果が示す、米国の景気
2023年11月28日 16:19
●前年比2.5%増
マスターカードによる消費者動向の分析レポート「スペンディングパルス」によると、11月24日のブラックフライデーの米小売売上高は、自動車販売を除くベースで前年同期比2.5%増となったという。ロイター通信が報じている。
【こちらも】独身の日の売上で見る、中国景気の現在地
報道によれば、9月時点では、11月1日~12月24日の年末商戦の売上高は、同3.7%増と予想されていた。
他社が発表しているオンラインでの売上高は、概ね前年比7.5~9.0%増となっており、予想通りとはいえ、コロナ前の10%超の増加ペースと比べると少し鈍化している。オンライン支出額は過去最高だった。
物価上昇率に対して低い売上高の伸び率や、実店舗での客足減少など、物足りなさを感じる部分もあるようだが、米国景気はどう見るべきなのか?
●ブラックフライデーとは?近年はサーバーマンデーも注目!
最近は日本でもブラックフライデーという言葉が定着している。米国ではサンクスギビング・デー(11月の第4木曜日)の翌金曜日を指す。
米国ではこの日に休みを取って土日までの4連休にすることが多く、金曜日に家族で買い物に出かけることも少なくない。
名前の由来は、買い物客で混乱した状況で交通整理やトラブルに追われた警察官が、長時間勤務になった状況を“ブラックフライデー”と自嘲気味に言ったことがきっかけとされる。
後に、新聞で“黒字の金曜日”という解釈が掲載され、小売店の収支が黒字になることからブラックフライデーという解釈が浸透するようになった。
家族でショッピングした翌週の月曜日は、あえて「ネットショッピング」をターゲットとしてセールを行うのが、サイバーマンデーである。
日本ではサイバーマンデーの方がブラックフライデーより先に導入されたが、米国のような感謝祭の習慣がないからなのか定着しなかった。
●ブラックフライデーから米国景気をどう見る?
2023年のブラックフライデーは、米国の金利上昇の行方を占う上でも重要なデータだった。
結果的には急激な金利上昇による景気後退は見られないが、株価を押し上げるほどの好景気ではないということも言えるだろう。
今後、クリスマス商戦へと関心は移るだろうが、12月のFOMC(米連邦準備制度理事会)会合での利上げに、ブラックフライデーの結果がどう反映されるかも注目される。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)