三菱化工機、上期決算・通期予想ともに増収増益 通期は特別利益計上で20円増配、大型案件受注で受注高900億円
2023年11月28日 08:42
2024年3月期第2四半期決算説明
田中利一氏:三菱化工機社長の田中です。本日は、当社2024年3月期第2四半期決算説明会にご出席いただきまして誠にありがとうございます。
決算説明会については、対面、オンライン双方のご要望をいただいており、今回もハイブリッド形式での開催としました。この説明会が多くのみなさまの当社ビジネスへの理解が深まるきっかけとなりましたら幸いです。
目次
目次のとおり、本資料は、本編に事業概況、決算実績、業績予想、そして今年度は2年目に当たる中期経営計画についての取り組み状況を記載しています。
また、Appendixには、過去5年間の業績推移と会社概要を記載しています。それでは、本編を目次に沿ってご説明します。
事業概要
当社の事業概要です。当社は、ケミカル・電子材料関連プラント、水素・エネルギープラント、環境設備などの建設・エンジニアリングと各種単体機械の製作を軸に事業展開しており、エンジニアリング事業と単体機械事業の大きく2つのセグメントで構成されています。
なお、本年4月に、エンジニアリング事業において、戦略的事業領域の早期実現のため、水素・エネルギー、バイオガス、再エネ関連装置、廃棄物リサイクルといった要素技術を環境・水素・エネルギー部門に結集させる機構改革を行っています。
トップシェア製品・コア技術の歩み
当社の強みであるトップシェア製品とコア技術についてご説明します。当社は60年にわたる水素製造、水素ハンドリングの技術とノウハウを有しています。
昨今の水素需要の高まりを受け、高効率、小型化を進めてきた「HyGeia(ハイジェイア)」シリーズはオンサイト水素製造装置分野でのトップシェアを確立しています。
また、創業当初から培ってきた固体と液体の分離技術を活かした船舶用油清浄機「三菱セルフジェクター」シリーズは小型化、高性能化、アフターサービス網の拡充などの取り組みを通じ、こちらもトップシェアを確立しています。
当社は、これらトップシェア製品の開発や製品改良を行う中で、固体・液体・気体の分離といったコア技術を培ってきました。
2024年3月期第2四半期(累計) トピックス
当社グループの今期の主なトピックスを記載しています。2024年3月期第2四半期は、半導体サプライチェーンに貢献するプラント設備の竣工や水素・エネルギー分野におけるカーボンニュートラルに関する取り組み、ろ過機の開発を通じた医薬品製造業界の課題解決に貢献する取り組みなど、環境保全に関する取り組みを中心に推進してきました。
後ほど何点かピックアップしてご説明します。
当社を取り巻くマクロ環境と変化
当社を取り巻くマクロ環境ですが、気候変動対策の観点に地政学的なエネルギー安全保障の必要性も加わり、脱炭素社会の実現に向けた世界的な動きがさらに加速しているものと認識しています。
特に、本年6月には、政府の「水素基本戦略」改定という当社の水素事業に影響をおよぼす大きな動きがありました。この「水素基本戦略」改定は、現在当社において取り組みを進めている水素やアンモニアなどのクリーンエネルギーに関する取り組みと合致する内容であり、当社の新規事業領域への追い風となることが期待できます。
2024年3月期第2四半期(累計) 事業環境と今後の戦略➀
2024年3月期第2四半期におけるセグメントごとの事業環境とそれに基づく今後の戦略についてご説明します。
プラントについては、高い需要が継続しているケミカル関連対応に注力しつつ、半導体関連についても、投資の復調に備えて、状況を注視していきます。
環境・水素・エネルギーについては、脱炭素、カーボンニュートラルに向け期待が高まっているブルー水素、グリーン水素製造技術の確立に向けた取り組み、また、バイオガス原料を使用した水素・燃料ガス製造の拡大に向けた取り組みを推進していきます。
下水分野においては、PPPやPFIなど、自治体との連携事業の実績作りに取り組んでいます。
2024年3月期第2四半期(累計) 事業環境と今後の戦略➁
単体機械事業としては、国内設備投資が堅調に推移する中、更新需要が堅調な分野への営業活動に注力しつつ、生産効率向上に資する省エネ医薬品製造設備の拡販に注力していきます。
舶用機械については、NOx規制への取り組み、そして海運のみならず、航空業界における燃料のクリーンエネルギー化に向けた研究開発等にも取り組んでいきます。
連結損益計算書
それでは、2024年3月期第2四半期の決算実績についてご説明します。
2024年3月期第2四半期における業績としては、売上高約221億4,000万円、営業利益約21億7,000万円、親会社株主に帰属する四半期純利益約16億円となりました。
売上高は前年同期比で4.5パーセントの増加となりました。営業利益は、工事採算の改善、売上原価率の改善および売上高の増加により、前年同期比14.4パーセント増加しています。
セグメント別・地域別売上構成
スライドは、現在の当社の売上構成を表したグラフです。
左側のセグメント別では、エンジニアリング事業が68パーセント、単体機械事業が32パーセントとなりました。
地域別の売上構成については、国内の売上高が78パーセント、アジア地域の売上高が19パーセント、その他地域の売上高が3パーセントとなりました。
アジア地域において、前年度までの売上高に寄与した台湾における大型工事が完工し、売上高が前年同期比44.4パーセント減少となり、海外の構成比率は約22パーセントと若干減少しました。
セグメント別の状況①
セグメント別の業績についてご説明します。エンジニアリング事業では、受注高約242億5,000万円、売上高約150億5,000万円、セグメント利益約9億6,000万円、受注残高約523億2,000万円となりました。
受注高については、国内のケミカルプラント、排水処理設備で複数の大型案件の受注があり、前年同期比で大幅な増加となりました。
セグメント別の状況➁
単体機械事業では、受注高約78億7,000万円、売上高約70億8,000万円、セグメント利益約12億1,000万円、受注残高約82億5,000万円となりました。
受注高は、主力である油清浄機部品、船舶環境規制対応機器ともに増加しました。売上高は、前期および当期における受注高の増加を反映し、前年同期比15.1パーセント増加しました。
セグメント利益についても、売上高の増加および産業機械のアフターサービス工事、油清浄機部品が増加し、売上原価率の改善により、前年同期比23.6パーセント増加しました。
また、原価上昇の価格転嫁が一部実現できたことなども売上原価率の改善に寄与しています。
主な販売管理費
主な販売管理費については、研究開発費、見積設計費、人件費の増加等により、前年同期比で18.2パーセントの増加となりました。
研究開発費については、戦略的事業領域の確立に向けた研究開発投資の着実な実行により、前年同期比295.2パーセント増となっています。
連結貸借対照表
2023年9月末時点における連結貸借対照表です。買入債務、法人税の支払等による現金および預金の減少等により、総資産は減少しました。
また、利益剰余金の計上およびその他有価証券評価差額金の増加などにより、負債に対する純資産の割合が増加した結果、2023年9月末時点の自己資本比率は61.7パーセントとなり、前期末と比べ4.3ポイント上昇しました。
連結キャッシュ・フロー計算書
2024年3月期第2四半期における連結キャッシュ・フロー計算書です。前年同期と比べて、売上債権の増加、仕入債務の支払い等により営業キャッシュ・フローは減少、固定資産の取得等により投資キャッシュ・フローも減少し、フリーキャッシュ・フローはスライドの折れ線で記載しているとおり約36億5,000万円の減少となりました。
2024年3月期 連結業績予想
2024年3月期の連結業績予想は、売上高485億円、営業利益32億円、経常利益33億5,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益40億円を見込んでいます。売上高は、前期および当期の受注高の増加を反映しています。営業利益は、売上高の増加および工事採算の改善等による売上原価率の改善を見込み、前年同期比26.9パーセントの増加を見込んでいます。
2024年3月期 セグメント別業績予想➀
2024年3月期セグメント別業績予想です。エンジニアリング事業では、受注高740億円、売上高335億円、セグメント利益10億円、受注残高836億2,000万円と見込んでいます。
受注高は、上期に引き続き下期も国内で複数の大型案件の受注を見込んでおり、前年同期比93パーセント増と大幅な増加を見込んでいます。前期は下期の無償工事発生により減益となりましたが、当期は影響が解消するため、セグメント利益は前年同期比で223.9パーセント増と、こちらも大幅な増加を見込んでいます。
2024年3月期 セグメント別業績予想➁
単体機械事業は、受注高160億円、売上高150億円、セグメント利益22億円、受注残高84億6,000万円と見込んでいます。受注高は、油清浄機部品と船舶環境規制対応機器が好調です。
セグメント利益は売上高の増加により売上総利益は増加しますが、研究開発費等の増加により、販売費及び一般管理費が増加するため、前期比微減となります。以上により、2024年3月期の連結業績予想は、受注高900億円、売上高485億円、営業利益32億円、経常利益33億5,000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は40億円と見込んでいます。
本中期経営計画の位置づけ
本年度が2年目に当たる中期経営計画の取り組み状況について、ご説明します。本中期経営計画期間は、経営ビジョンの実現に向けて2035年までに中核事業や高収益事業を確立するために、ポートフォリオの見直しによる経営資源のシフトなど、成長に向けた基盤づくりに取り組む3ヶ年と位置づけています。
中期経営計画の方針及び骨子(概要)
中期経営計画の方針は、経営ビジョンで定めた4つの戦略的事業領域実現に向け、戦略的投資を増大し、新規事業創出の足固めを行い、進化と変革への第一歩とすることです。
経営ビジョンに掲げる長期目標である、新たな事業ポートフォリオの確立に向けて、新規事業の創出、既存事業の再構築および収益性の改善、そして経営基盤の確立に向けたモノづくり戦略の確立、グループ経営の推進、企業価値の向上の5つに取り組んでいます。
中期経営計画の数値計画と進捗状況➀
中期経営計画の数値計画と進捗状況です。3年目の最終期には、受注高570億円、売上高550億円、営業利益率5パーセント以上、ROE7パーセント以上を実現することとしています。本年度は、売上高は若干の未達が予想されますが、受注高は大幅に計画を上回り、営業利益率も計画を上回る予想です。
中期経営計画の数値計画と進捗状況➁
配当の数値計画と進捗状況です。来年7月に予定している2023年度の配当は、前年度から20円増額し、1株あたり100円を見込んでいます。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて➀
昨日提出したコーポレート・ガバナンス報告書に記載した、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応についてご説明します。
資本コストと株価の両面における取り組みを検討していますが、いずれも経営ビジョンで掲げる新規事業の創出と既存事業の収益性向上に向けた施策の実行を通じて、当社は企業価値の最大化を目指していきます。
資本コスト面の施策として、資本コストの改善のためにROICの各要素を分解したROICツリーを各事業部へ展開し、事業ごとに評価を実施することで、収益性の向上を図っていきます。収益性評価は、中期経営計画で実施している事業ポートフォリオ評価の一環で、成長性指標の評価とあわせて総合的に事業分析を行い、事業評価を進めていくものです。
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて➁
株価やPBRは、非財務情報開示の充実を通じて、向上・改善を実現していきます。
当社は、ROEが株主資本コストを上回っているにも関わらず、PBRは1倍を割っている状況です。原因を分析したところ、社会課題解決に貢献する企業グループとしての将来の事業戦略や成長性について市場から適切な評価を得られていないことが一因と考え、一層の情報発信の強化が必要だと判断しました。
今後は、統合報告書の発行や、個人投資家へのIR施策の実施、ホームページのリニューアルなど情報発信の拡充を図り、市場のみなさまに当社の成長性をしっかりとお伝えし、理解促進の手助けとなるよう、開示の充実を進めていきます。
新規事業の創出に向けた取り組み(概要)
新規事業創出に向けた取り組みについてご説明します。マクロ環境では、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが進展しています。時代の流れに対応すべく、中期経営計画の骨子の1つ目を新たな事業ポートフォリオの確立として、新規事業の創出を掲げ、マクロ環境に対応する事業を戦略的事業領域と位置づけ、実現に向けた取り組みを推進しています。
特に本年度は、さらなる技術革新と市場拡大が期待されているバイオガス利活用や水素サプライチェーンの構築、アンモニア用途開発、省エネ医薬品製造設備、国産SAF生産の実証、藻類事業などに注力しています。
当社は、保有する技術を活かした戦略的事業領域への取り組みを加速させ、当社創立100年目にあたる2035年の中核事業とすべく、技術開発、営業活動、アライアンスなどの積極的な取り組みを進めています。
新規事業の創出に向けた取り組み➀
トヨタグループさまが実施するカーボンニュートラルの取り組みへの協力について、ご説明します。現在、トヨタグループさまはタイで鶏糞や食品残渣由来のバイオガスから水素を取り出し、製造した水素を圧縮、貯蔵し、輸送するまでの、一連のシステム構築に取り組んでいます。
当社は、一連のプロセスの中でも重要な水素製造装置を納入しています。現地事情を加味した適正な設計について、関係者と議論しながら進め、先月より稼働を開始しています。
今後も、トヨタ自動車さま、豊田通商さま、当社の3社は、日本の水素関連技術を活用し、各国・地域に合わせたクリーンエネルギーの活用促進に努め、さまざまなステークホルダーのみなさまと連携し、水素社会とその先にあるカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
新規事業の創出に向けた取り組み②
次に、水素の運搬技術である「水素吸蔵合金配送システム」に関する取り組みについてご説明します。「水素吸蔵合金配送システム」とは、製造した高純度の水素を吸蔵合金が充填されたタンクに貯蔵し、電気を必要とする利用先まで運搬後、水素を再び取り出し、燃料電池を使って電力を供給、利用する一連のプロセスです。那須電機鉄工さま、日本フイルコンさまと共同で実証を行っているものです。
水素をトラックで運搬できるこのシステムは、比較的小規模かつ使用場所や期間が特定されない電力供給に強みがあります。今年度に実施した6時間にわたる実証試験では、安定的な電力供給ができることを確認しました。今後も3社は実証実験を重ね、2024年度の商業利用開始を目指して協働していきます。
新規事業の創出に向けた取り組み③
3つ目のアンモニアの利活用に関する取り組みについてご説明します。アンモニアは水素キャリアとして、また早期に社会実装可能な脱炭素エネルギーとして期待されています。
このような状況において、当社は内閣府が2030年までにアンモニアを社会実装すべく進める「アンモニア・水素利用分散型エネルギーシステム」の構築に、岐阜大学さまおよびレゾナックさまと協働しています。
我々3者における取り組みは、アンモニアの水素キャリアとしての利活用を目指すものであり、当社はアンモニアから水素を分解するシステムの装置化を担当しています。今後も実証機の設計、製作、運転の実現に向けて協働を継続し、すでに取り組んでいるメチルシクロヘキサンからの脱水素、電解水素などとあわせ、全方位的な水素関連装置をカバーするメーカーとなるべく技術開発に取り組んでいきます。
新規事業の創出に向けた取り組み④
4つ目の省エネ医薬品製造設備開発への取り組みについてご説明します。現在の医薬品製造においては、生産工程で発生する廃棄物やCO2の削減、必要なものを必要なときに必要な量だけ作るオンデマンド生産への適応が課題となっています。
このような業界課題の解決に向け、当社は関連技術を持ち合わせる各企業とともに株式会社iFactoryを設立し、連続生産方式という新たな製造方式を採用して、モジュール型の医薬品製造設備である「iFactory」の開発を行う実証事業に参画してきました。
モジュール型のメリットは、個々のパーツをトラックで輸送できることにあります。例えば、災害が発生した際に必要な機能だけ現地に輸送してモジュールを組み立て、必要な医薬品を必要な量だけ現地生産することも可能となります。
本年度は、モジュール全体での連続稼働を行う実証運転を完了しました。今後も引き続き、株式会社iFactoryを通じて、医薬品業界、ファインケミカル業界の各社への拡販に取り組み、省力・省エネ化、カーボンニュートラル社会の実現に寄与していきます。
新規事業の創出に向けた取り組み⑤
5つ目は、持続可能な航空燃料である、Sustainable Aviation Fuel、いわゆるSAFの生産に関するトピックとなります。現在、日揮さま、コスモ石油さま、レボインターナショナルさまの各社は、国内初となる廃食用油を原料とした国産の持続可能な航空燃料SAFの大規模生産の実証事業に取り組んでいます。
この事業に向けて当社が受注したのが「三菱ディスクセパレータ」です。これは主に船舶用燃料油、潤滑油用の油清浄機として70年以上の歴史と11万台以上の納入実績のある、当社のトップシェア製品です。
本実証事業に向けてはその分離性能が評価され、原料の廃食用油に含まれる不純物の除去を行います。このように「三菱ディスクセパレータ」は船舶用途だけでなく、クリーンエネルギー分野での用途も拡大しています。
今後も当社はSAF製造のみならず、クリーンエネルギー関係に向けて、当社のディスクセパレータを供給することで持続可能な社会の実現に貢献していきます。
新規事業の創出に向けた取り組み⑥
6つ目のトピックとしては、藻類事業の拡大に資する共同開発の加速に向けた出資についてです。当社は本年9月に、藻類産業の構築を通じて社会課題の解決に取り組む、ちとせグループさまへ、共同開発の加速による藻類事業拡大を目的とした出資を実施しました。
藻類は太陽光を唯一のエネルギー源とし、製造工程でニ酸化炭素を消費し、光合成で育成するためCO2排出がありません。そのため、カーボンニュートラルなエネルギー源、栄養源として期待が高まっています。
当社は、藻類分野においてフォトバイオリアクターなどの培養装置の開発や、大規模培養のための大型プラント建設、抽出のための分離技術など、多方面で貢献できる技術を有しています。今回の出資を通じて、産業構築パートナーとしてちとせグループさまと共同研究を進めていくことで、藻類事業の拡大と持続可能な社会実現に取り組んでいきます。
その他主要な取り組み エンジニアリング事業
エンジニアリング事業のその他の主要な取り組みについては、オンサイト水素製造装置「HyGeia」シリーズ、吸蔵合金水素圧縮機について記載しています。
その他主要な取り組み 単体機械事業
単体機械事業のその他の取り組みとしては、船舶環境規制対応機器であるEGRエンジンシステム用排水処理装置、油清浄機、三菱セルフジェクターについて記載しています。
その他の中期経営計画に係る取り組み➀
その他の中期経営計画に関わる取り組みについてご説明します。
1点目としては、気候変動への取り組みです。スライドに記載のとおり、当社は今年度TCFD開示を「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」、4つの要素すべてに拡大しました。当社のGHG排出量目標として、いわゆるネットゼロの定量目標を設定するなど、カーボンニュートラル目標を具体化しています。
今後は、本年設置したサステナビリティ委員会を中心として、全社的な排出量削減や情報開示など具体的な取り組みを進めていきます。
その他の中期経営計画に係る取り組み➁
続いて、主にカーボンニュートラルに向けた取り組みとなります。2点目は、電力調達におけるカーボンニュートラル化についてです。本社・川崎製作所、四日市事業所、鹿島工場において、太陽光発電設備の設置やグリーン電力の調達などクリーンエネルギーの導入を進めています。
3点目は、SDGs債への投資です。本年度の1件目として、本年11月に「神奈川県グリーンボンド」への投資を実行しました。引き続き、投資面からもSDGsへの取り組みを推進していきます。
4点目は、SDGs認証制度への認定についてです。このたび横浜市から「Y-SDGs」の認証をいただき、自治体のSDGs登録認証については川崎市に次ぐ2件目の認証取得となります。
その他の中期経営計画に係る取り組み➂
5点目は、株式会社iFactoryへの追加出資です。先ほど新規事業の取り組みとして、医薬品製造設備「iFactory」についてご説明しました。このたび、この設備の開発加速を図る目的で、同社の第三者割当増資を引き受けています。
6点目は、デジタルトランスフォーメーション、いわゆるDXの取り組みです。グループ全体のDXによるもの作りの高度化、効率化のため、DX推進部の設置に続き、各事業本部、グループ各社を横断したメンバーで構成するDX推進委員会を設置しました。
今後は、これらの組織を中心に策定したロードマップに沿って、戦略的事業領域のさらなる発展に向けたDXの取り組みを着実に進めていきます。
以上が簡単ではありますが、当社グループの中期経営計画の主な取り組み状況となります。
田中氏からのご挨拶
当社グループは、三菱化工機グループ2050経営ビジョンと中期経営計画のもと、2050年に向けた社会課題に対応する企業グループを目指して、経営ビジョンに掲げたビジョンステートメントである持続可能な発展に挑戦し、快適な社会の実現に向けて邁進します。
今後とも当社への一層のご理解を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。ご清聴ありがとうございました。