21日の香港市場概況:ハンセン0.3%安で反落、中国不動産セクターは逆行高
2023年11月21日 18:00
*18:00JST 21日の香港市場概況:ハンセン0.3%安で反落、中国不動産セクターは逆行高
21日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比44.18ポイント(0.25%)安の17733.89ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が26.67ポイント(0.44%)安の6076.67ポイントとそろって反落した。売買代金は1072億4410万香港ドルとなっている(20日は1063億6470万香港ドル)。
投資家の慎重スタンスが改めて強まる流れ。中国の景気鈍化懸念がくすぶっているほか、半導体分野などを巡る米中対立の警戒感が蒸し返された。また、中国人民銀行(中央銀行)が商業銀行に対し、2024年1〜3月の新規融資額に上限を設定したと報じられたこともマイナス材料。関係者の話によれば、融資額は今年1〜3月に比べ4分の1程度にまで縮小する計算という。昨夜の米ハイテク株高や、中国経済対策に対する期待感などを手がかりに指数は高く推移していたものの、終盤に入りマイナス圏に沈んでいる。(亜州リサーチ編集部)
「ニューエコノミー」関連銘柄が急落。ハンセン科技(テック)指数は1.0%安と他の指数をアンダーパフォームした。個別では、中国スマートフォン大手の小米集団(1810/HK)が4.9%安、医療アプリの平安健康医療科技(1833/HK)が3.6%安、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(992/HK)が3.4%安と下げが目立った。小米集団が報告した7〜9月期決算は事前予想を上回ったものの、足元の上昇が目立っていただけに、材料出尽くしの売りに押されている。
中国自動車セクターの一角も安い。中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が5.3%、五菱汽車集団HD(305/HK)が5.2%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が2.0%、長城汽車(2333/HK)が1.8%ずつ下落した。
中国発電セクターもさえない。龍源電力集団(916/HK)が3.0%安、中国電力国際発展(2380/HK)が2.4%安、華能国際電力(902/HK)が1.3%安、華電国際電力(1071/HK)が0.9%安で引けた。
半面、中国不動産セクターは高い。融創中国HD(1918/HK)が12.0%、雅居楽集団HD(3383/HK)が6.2%、龍湖集団HD(960/HK)が4.8%、中国恒大集団(3333/HK)が1.9%ずつ上昇した。デベロッパー支援の動きを好感。中国当局はデベロッパーの資金調達支援に向け、「ホワイトリスト」の作成を進めているもよう――などと報じられた。龍湖集団のリスト入りも予想されている。融創中国に関しては、大型デベロッパーで初めてオフショア債務再編が完了したことを材料視。同社は20日引け後、オフショア債務再編案の成立要件が全て満たされ、同日付で発効したと報告した。
一方、本土市場は3日ぶりに小反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.01%安の3067.93ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。発電株、証券株、自動車株、軍事関連株なども売られた。半面、不動産株は高い。エネルギー株、食品・酒造株、銀行株、運輸株も買われた。
亜州リサーチ(株)《CS》