1日の香港市場概況:ハンセン0.1%安で続落、海底撈13%下落
2023年11月1日 18:00
*18:00JST 1日の香港市場概況:ハンセン0.1%安で続落、海底撈13%下落
1日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比10.70ポイント(0.06%)安の17101.78ポイントと続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が2.17ポイント(0.04%)安の5859.57ポイントと3日続落した。売買代金は679億6970万香港ドルに縮小している(10月31日は846億5190万香港ドル)。
様子見ムードが広がる流れ。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を現地時間1日(日本時間2日未明)に控え、金融政策動向を見極めたいとするスタンスが強まっている。中国の景気懸念も重し。取引時間中に公表された10月の財新中国製造業PMI(民間による)は49.5に低下し、景況判断の境目となる50を3カ月ぶりに割り込んだ。前日に発表された中国製造業PMI(国家統計局などによる)も予想を下回り、節目の50を再び割り込んでいる。ただ、下値は限定的。官民で公表された景況感指数が悪化する中、市場からは「景気不安は経済対策につながる」との声が聞かれた。関係者の間からは、第4四半期中の預金準備率引き下げ観測も浮上している。5年に1度の中央金融工作会議に関しては、10月30〜31日に開催され、流動性の確保と融資コストの引き下げに尽力することが確認された。ハンセン指数は高く推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(6862/HK)が12.8%安、不動産管理サービスの華潤万象生活(1209/HK)と旅行サイト中国大手の携程集団(9961/HK)がそろって2.5%安と下げが目立った。海底撈は10月31日引け後、同系列の特海国際HD(9658/HK)から日本のホテル事業を買収すると発表。日本の観光業回復を見込み、今後の成長余地は大きいと判断しているものの、これを好感する買いは限定されている。特海国際株も2.8%下げた。
セクター別では、レストランチェーンなど外食関連が安い。上記した海底撈のほか、百勝中国HD(ヤム・チャイナ・ホールディングス:9987/HK)が13.0%、九毛九国際HD(9922/HK)が6.7%、海倫司国際HD(9869/HK)が1.9%ずつ下落した。百勝中国が1日公表した7〜9月期決算は2割増益と堅調だったものの、決算説明会で同社の楊家威・最高財務責任者(CFO)は第4四半期(10〜12月)について慎重な見通しを示したことが不安視されている。
産金セクターもさえない。中国黄金国際資源(2099/HK)が4.5%安、招金鉱業(1818/HK)が2.8%安、紫金鉱業集団(2899/HK)が1.8%安、霊宝黄金(3330/HK)が1.7%安で取引を終えた。
半面、香港不動産セクターは高い。新世界発展(17/HK)と信和置業(83/HK)がそろって2.8%、恒隆地産(101/HK)が1.7%、新鴻基地産発展(16/HK)が0.9%ずつ上昇した。
医薬セクターもしっかり。四環医薬HD集団(460/HK)が3.0%高、康希諾生物(6185/HK)が2.2%高、華潤医薬集団(3320/HK)が1.6%高、中国生物製薬(1177/HK)が1.3%高で引けた。
一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.14%高の3023.08ポイントで取引を終了した。酒造株が高い。銀行株、公益株、エネルギー株、自動車株、メディア・娯楽株なども買われた。半面、素材株は安い。ハイテク株、医薬株、不動産株、海運株、インフラ建設関連株も売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》