27日の香港市場概況:ハンセン2.1%高で反発、医薬セクター大幅上昇
2023年10月27日 18:00
*18:00JST 27日の香港市場概況:ハンセン2.1%高で反発、医薬セクター大幅上昇
27日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比354.12ポイント(2.08%)高の17398.73ポイントと反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が119.46ポイント(2.04%)高の5979.01ポイントと3日続伸した。売買代金は914億7800万香港ドルに拡大している(26日は808億740万香港ドル)。
内外の好材料で投資家心理が上向く中、後場に上げ幅を拡大した。米金利の低下と中国企業の成長持続を好感。昨夜の米債券市場では、インフレ指標の鈍化を受け、米10年債利回りが急低下している。中国では、朝方公表の工業企業利益総額が今年9月に前年同月比11.9%増となり、2カ月連続で2ケタ成長を維持した。また、香港で佳境入りした主要企業の決算報告では、一部セクターを除き増益や黒字転換など業績が改善している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、医薬の上げが目立つ。翰森製薬集団(3692/HK)が11.7%高、石薬集団(1093/HK)が10.8%高、中国生物製薬(1177/HK)が9.8%高で引けた。医薬セクターを巡っては、足元で好業績を発表する企業が増えている状況。本土ブローカーは最新リポートで、同セクターの業績が底打ちしたと分析している。
中国不動産セクターも高い。合景泰富集団HD(1813/HK)が10.0%、中国恒大集団(3333/HK)が6.3%、世茂集団HD(813/HK)が5.4%、碧桂園HD(2007/HK)が2.9%ずつ上昇した。碧桂園が発行した一部米ドル建て債券について、国際金融団体は26日、デフォルト(債務不履行)が生じたとの判断を示したが、これを嫌気する売りは限定された。香港の不動産株も買われた。
そのほか、決算動向を手がかりにした物色も活発化。1〜9月期の2ケタ増益を発表した風力発電の龍源電力集団(916/HK)は9.5%値上がりした。エアライン大手の中国国際航空(753/HK)は4.7%上昇。同社の1〜9月期は黒字転換している。タンカー輸送中国最大手の中遠海運能源運輸(1138/HK)は4.5%高。1〜9月期決算は480%増益だった。
半面、中国保険セクターはさえない。新華人寿保険(1336/HK)が3.0%、中国太平洋保険(2601/HK)が1.1%、中国人寿保険(2628/HK)が0.7%ずつ下落した。うち生保最大手の中国人寿保険が公表した1〜9月期決算は48%減益を強いられ、セクター全体の売り材料となっている。
一方、本土市場は4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.99%高の3017.78ポイントで取引を終了した。医薬株が高い。消費関連株、素材株、インフラ関連株、不動産株なども買われた。半面、金融株は安い。エネルギー株、通信株も売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》