小糸製作所とデンソーが協業 夜間の物体認識率を向上へ

2023年10月21日 16:24

 小糸製作所とデンソーは、画像センサーの物体認識率向上に向けたシステムを開発する検討を開始した。車両のランプと画像センサーを協調させ、夜間走行時の安全性向上を目指す。

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 交通死亡事故ゼロ社会に向けた取り組みは、多くの企業が実践している。今回の協業は、夜の走行に必要不可欠なランプ製造と自動車部品サプライヤーの老舗同士が、共同でシステムを開発を検討するものだ。

 小糸製作所が得意とするのは、自動車照明機器のハイビーム配光制御技術だ。対向車を幻惑させることなく、光の配光を制御し、良好な視界を確保するADB(Adaptive Driving Beam)を開発するなど、高機能で高性能のライティング技術に定評がある。

 デンソーは、安全運転支援システムで「目」の役割を持つ、センサーの開発を強みとする。様々なセンサーで車両周辺を的確に認識し、安全運転の手助けを行う。この技術のさらなる向上のため、夜間を含めた様々な交通シーンにおいて、物体認識の向上に取り組んでいるのが特徴だ。

 今回の協業では、小糸製作所の強みであるハイビームの配光技術と、デンソーの強みである画像センサーの物体認識技術を組み合わせる。夜間での安全走行や対向車への幻惑改善に期待ができるだろう。

 昨今夜間走行では、対向車のライトが眩しいということが問題になることが多い。通常はハイビーム走行が義務付けられ、それに伴いハイビームとロービームの自動切り替え装置が装備されたクルマが増えたが、機能が正確でないことで眩しさを感じさせてしまう。

 また最近は、LEDヘッドライトが標準装備された車両も多く、従来より白く目に突き刺さるようなライトが多くなった。

 だが運転する側からすれば、LEDのような明るいライトから従来のハロゲンバルブに戻ることはほぼ無理と言えるだろう。今回のような、ヘッドライトのリーディングカンパニーと自動車部品のトップサプライヤーの協業は、今後のライティング技術向上に期待が持てそうだ。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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