9月のバイト時給、求人各社で過去最高時給を更新
2023年10月18日 15:04
求人サイトを運営する各社が9月度のパート・アルバイト時給動向を発表。マイナビ、リクルート、ディップの3社が過去最高時給を更新するなど、最低賃金の改定や人手不足を背景に時給の上昇傾向が続いていることが分かった。
【前月は】8月のバイト時給はアップ続く、ディップが最高時給を更新
■アイデムは東日本のみ前年同月上回る
4日、アイデムが9月の「パート・アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの平均時給は、前年同月比16円増の1,220円、関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の平均時給は同13円増の1,240円となり、2カ月ぶりに前年同月を上回った。
職種別では専門・技術職の平均時給が同93円減の1,491円と大きくマイナス。それ以外は前年同月を上回っており、中でも販売・接客サービス職が1,101円(前年同月比:49円増、以下同じ)、飲食サービス職が1,084円(40円増)、製造関連・ドライバー職が1,225円(130円)と時給の上げ幅が大きめだった。
西日本エリアの平均時給は同57円減の1,193円、関西3府県(大阪、兵庫、京都)の平均時給は同61円減の1,208円となり、東日本とは反対にどちらも7カ月ぶりに前年同月を下回った。
職種別では専門・技術職が1,553円(126円減)で大きくマイナス。その他も1,060円(6円減)と前年を下回った。前年同月を上回ったものの中では、販売・接客サービス職が1,043円(50円増)、事務職が1,082円(51円増)、製造関連・ドライバー職が1,101円(62円増)と時給の上げ幅が大きめだった。
■マイナビは過去最高時給を更新
13日、マイナビが9月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比71円増の1,211円となり、12カ月連続で前年を上回った。また7月の1,203円を超えて、過去最高時給を更新している。
業種別で時給が上がったのは、ホテル・ブライダル・トラベルが1,173円(前年同月比:93円増、以下同じ)、家電・量販店が1,337円(139円増)、店長・マネージャー/候補が1,405円(328円増)。雑貨・コスメ販売が1,056円(63円増)。DTP・CADオペレーターが1,284円(100円増)、Web/グラフィックデザイン・POP制作が1,336円(131円増)、映像/音響制作・フォトグラファーが1,050円(86円増)。
アンケート・調査・企画が1,478円(113円増)、イベント企画・運営が1,514円(98円増)、サンプリング・PRが1,598円(77円増)。看護師・准看護師が1,968円(492円増)、保育士が1,482円(116円増)、薬剤師・登録販売者が1,558円(166円増)。ホールが1,144円(62円増)、居酒屋・バーが1,156円(70円増)。
インストラクターが1,237円(234円増)、映画館・遊園地・テーマパークが1,073円(70円増)。ボディセラピスト・エステティシャンが1,075円(98円増)。テレフォンアポインター・テレマが1,585円(138円増)。その他軽作業が1,163円(72円増)、搬入・搬出・会場設営が1,838円(58円増)。建築・土木・設備作業が1,735円(270円増)。デリバリー・バイク便が1,138円(61円増)など。
反対に時給が下がったのは、携帯販売が1,369円(78円減)。家庭教師が1,514円(110円減)。営業が1,311円(123円減)、営業アシスタントが1,106円(80円減)。SE・プログラマが1,363円(69円減)、テクニカルサポート・保守・テスターが1,169円(146円減)。その他クリエイティブ・編集が1,171円(103円減)、編集・制作・校正が1,047円(303円減)。ワゴン販売・売り子が1,125円(661円減)。製造・ラインが1,253円(83円減)など。
地域別では北海道・東北が前年同月比46円増の1,063円、関東が同71円増の1,284円、甲信越・北陸が同38円増の1,111円、東海が同49円増の1,158円、関西が同98円増の1,235円、中国・四国が同67円増の1,075円、九州・沖縄が同90円増の1,106円。全地域が、12カ月連続で前年を上回っている。
■リクルートも過去最高時給を更新
16日、リクルートのジョブズリサーチセンターが9月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比20円増の1,161円となり、29カ月連続で前年同月を上回った。更に22年12月と23年6月の1,158円を超えて、過去最高時給を更新している。
フード系が過去最高時給を更新し、販売・サービス系でも過去最高時給と同額となった。最低賃金の改定に加えて、年末の繁忙期にかけて更なる時給のアップ傾向が続きそうだ。
職種別で時給が上がったのは、レジが1,110円(前年同月比:67円増、以下同じ)、アパレル販売が1,093円(57円増)、化粧品販売が1,075円(64円増)、ホテルスタッフが1,196円(70円増)。ファーストフードが1,132円(70円増)。警備員・監視員・パーキングスタッフが1,189円(66円増)、ビルメンテナンス・施設管理が1,190円(61円増)。受付が1,210円(71円増)。家庭教師が1,555円(123円増)など。
反対に時給が下がったのは、コールセンタースタッフが1,455円(76円減)。営業が1,383円(215円減)。訪問介護士(ホームヘルパー)が1,310円(97円減)、介護福祉士が1,294円(122円減)、幼稚園教諭が1,223円(103円減)など。
地域別では首都圏が前年同月比22円増の1,201円、東海が同10円増の1,076円、関西が同10円増の1,128円となり、3地域とも前年同月を上回っている。
■ディップは2カ月連続で過去最高時給を更新
同日、ディップが9月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は前年同月比124円増の1,336円となり、33カ月連続で前年同月を上回ったことに加え、2カ月連続で過去最高時給を更新した。またアルバイト・パートの求人件数は同12.9%増の約29万2,000件だった。
職種別で時給が上がったのは、営業・企画営業が1,555円(前年同月比:156円増、以下同じ)。Webデザイン・CAD・DTPが1,368円(104円増)、編集・制作・撮影が1,338円(284円増)、看護・介護が1,772円(504円増)、専門職・その他が1,265円(203円増)。携帯・家電販売が1,603円(89円増)、専門ショップが1,070円(64円増)。
カフェ・レストラン・ファーストフードが1,136円(71円増)。イベントその他が1,493円(300円増)、イベント関連が1,381円(68円増)、モデル・エキストラ・芸能関連が1,410円(65円増)、レジャー・娯楽施設が1,142円(66円増)、サービスその他が1,147円(59円増)、パチスロが1,466円(62円増)、エステ・リラクゼーションが1,172円(73円増)。
仕分け・検品・梱包が1,382円(161円増)、軽作業・物流その他が1,334円(150円増)、警備・車両誘導が1,292円(170円増)。建築・土木その他が1,360円(146円増)。技製造系が1,484円(101円増)、工場・製造その他が1,402円(169円増)。教育・保育が1,238円(66円増)など。
反対に時給が下がったのは、事務・データ入力が1,234円(110円減)。IT・クリエイティブ/クリエイターその他が1,330円(74円減)、SE・PG・エンジニア・運用が1,296円(334円減)、調査業務が1,229円(206円減)。キャンペーン関連が1,281円(222円減)、建設系が1,321円(265円減)。塾講師・家庭教師が1,651円(225円減)、教師・講師・インストラクターが1,635円(206円減)、試験監督・添削が1,368円(122円減)、教育その他が1,495円(144円減)など。
地域別では関東が前年同月比93円増の1,353円、東海が同123円増の1,313円、関西が同136円増の1,325円、九州が同215円増の1,351円となり、7カ月連続で全地域が前年同月を上回っている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)