グッピーズ、主力の人材サービス事業が牽引し増収増益 2024年は売上・利益で2桁増を計画
2023年10月17日 08:51
2023年8月期決算説明
木村仁士氏:本日はお忙しいところご参加いただき、誠にありがとうございます。ただいまより株式会社グッピーズ2023年8月期通期決算説明会を始めさせていただきます。
なお、本資料には、将来の見通しに関する記述が含まれています。これら将来の見通しに関する記述は、作成した時点における情報に基づいて作成されています。これらの記述は、将来の結果や業績を保証するものではありませんのでご了承ください。
1 会社概要
ご覧の順番でご説明させていただきます。まずは会社概要です。
1-1.ミッション
当社の事業内容を一言で⾔うなら「⻭科領域に強みを持つITサービスカンパニー」です。ミッションは「Goodな発想で、世界をHappyに。」です。
1-2.事業内容
事業内容は、人材サービス事業、ヘルスケア事業の2つのセグメントとなっています。人材サービス事業では、医療・介護・福祉業界に特化した求人サイトを運営しています。ヘルスケア事業では、健康管理アプリを提供しています。
1-3.人材サービス事業:中途向けサービス
中途向け人材サービスは医療・介護・福祉業界に特化した求人サイトを運営しています。このうち特に、⻭科医師・⻭科衛⽣⼠・⻭科技⼯⼠等の⻭科業界に強みを有しており、売上の9割以上を占めています。
⻭科医院は全国に約6万8,000軒あり、コンビニよりも多く、人材獲得が⻭科医院経営の⼤きな悩みとなっています。当社は人材獲得で価値の高いサービスを提供しています。
また、料金形態別に⾒ると、⻭科業界向けの閲覧課金売上が9割以上を占めています。⻭科業界以外の職種については、「その他」の成功報酬型の課金となっています。
1-4.人材サービス事業:閲覧課金の仕組み
閲覧課金について補足してご説明します。求人広告を出す法人は、プリペイド方式で、ポイントを購入します。ポイントを購入すると求人サイト上に求人を掲載でき、求職者が求人をクリックすると120ポイント(120円)が消費されます。
ポイントがなくなった時点で掲載終了となりますが、追加でポイントを購入すれば引き続き掲載ができます。仮に最初に見た人ですぐに採用が決まったら、120円で採用できたことになります。
「Google」や「Yahoo!」のリスティング広告(クリック課金)と同様な仕組みですが、異なるのは入札制ではなく、1クリックは120円と固定され低料金であるという違いがあります。また、入札制の場合には、高い金額を入札しないと掲載されませんが、当社の閲覧課金はすべての求人が掲載される点も特徴となっています。
1-5.人材サービス事業:新卒向けサービス
ここからは新卒向けサービスについてご説明します。新卒向けサービスは「就職サイト」と「就職情報誌」に求人を掲載することができ、期間掲載型の固定料金です。
また医療・介護・福祉業界は国家資格が必要な職種が多く、学⽣向けに国家試験対策アプリも提供しています。特に⻭科衛⽣⼠を目指す学⽣のおよそ8割が当社の国家試験アプリを利用し、学⽣との接点獲得につながっています。
2 2023/8期決算実績概要
続いて、2023年8月期の決算実績をご説明します。
2-1. 2023年8月期実績
2023年8月期の通期実績ですが、売上は前年同期比29.4パーセント増の約24億円、営業利益は前年同期比39パーセント増の6.5億円となりました。
増加の要因としては人材サービス事業が好調であることが挙げられます。またヘルスケア事業については、売上が前年同期比0.9パーセント増と横ばいになっておりますが、こちらは売上構成の大きい健康保険組合連合会との契約が2022年4月より変更になったことによるもので、企業向け、自治体向けの売上は増加しております。
2-2.セグメント別実績
セグメント別の業績はご覧のとおりです。左の図、人材サービス事業については順調に成⻑しています。
右の図、ヘルスケア事業については、利用事業者数は増加しているものの、売上構成の大きい健康保険組合連合会との契約が2022年4月より変更になった影響で売上が横ばいとなっております。
2-3. 2023年8月期 営業利益の分析
2023年8月期の営業利益の増減要因についてご説明します。増収効果5.4億円は人材サービス事業の伸張によるものです。
減益要因としては、人員増により1.4億円、広告運用強化により0.9億円、システム投資により0.4億円、その他支払手数料等の増加により0.8億円となっています。
この結果、営業利益は2023年8月期の4.7億円から1.8億円増加の6.5億円となりました。
2-4. 2023年8月期実績(四半期推移)
続いて四半期ごとの推移についてです。第4四半期会計期間は売上高約6億円と対第3四半期会計期間比で横ばい、営業利益は法人事業税に係る租税公課や決算賞与支給等の季節的要因が発生したことにより第3四半期会計期間から0.5億円減少の0.7億円となりました。
なお、第2四半期と比較した際の売上の減少要因は人材サービス事業において求人者のフォロー体制強化を優先したためです。
詳細については第2四半期決算説明資料をご覧いただけますと幸いです。
2-5. 人材サービス事業:KPI
クリック数・スカウト数の推移と求人数の推移についてご説明します。左の図をご覧ください。クリック数については、2023年8月期の下期において求人者のフォロー体制整備を優先したことで減少しておりますが、前年同期比では増加しております。
またスカウト数については、右肩上がりで増加しております。加えて右の図で示される求人件数、ポイント消費法人数は高水準を維持しており、引き続き当サービスをご利用いただけていることがわかります。
2-6. 2023年8月期 BS
2023年8月期のバランスシートはご覧のとおりです。株式上場に伴う増資の影響で純資産が増加しました。自己資本比率は72パーセントとなっています。
今後も増資により得たキャッシュを人件費や広告宣伝費に充当し、さらなる成⻑に繋げてまいります。
2-7. 2023年8月期 CF
2023年8月期のキャッシュフローはご覧のとおりです。フリーキャッシュフローは引き続き⿊字を達成しております。
3 2024/8期決算見通し
続いて、16ページからは、2024年8月期の決算見通しをご説明します。
3-1. 2024年8月期業績見通し
決算見通しはこちらです。当社の予算作成方針は、今までの実績をベースに達成可能性を重視したものとなっております。
売上高は前年比20パーセント増加の28.7億円、営業利益は前年比34.6パーセント増加の8.8億円を見込んでおります。
セグメント別にみると人材サービス事業は17.9パーセント、ヘルスケア事業は43.3パーセントの成⻑を見込んでおります。
3-2. 2024年8月期 想定営業利益の分析
2024年8月期の営業利益の増減要因について、2023年8月期実績との比較でご説明します。増益要因は、人材サービス事業の成⻑による増収効果4.8億円です。減益要因は、人員増により0.7億円、広告運用強化により0.9億円、その他支払手数料等の増加により0.9億円となっています。
この結果、営業利益は2023年8月期の6.5億円から2.3億円増加の8.8億円を見込んでいます。
3-3. 業績見通しの前提
19ページは業績見通しの前提となる各指標の想定を示しております。左のグラフをご覧ください。スカウト数・クリック数については求人者との接点強化による増加を見込んでおります。
また右のグラフで示している顧客数と求人件数については、地方営業を強化することで増加を見込んでおります。
4 中期経営計画
続いて、20ページからは、新たに策定した中期経営計画についてご説明します。
4-1. 人材サービス事業の目指す姿
当社の主力である人材サービス事業については、⻭科医院において診療以外の領域を担うプラットフォーマーを目指していきます。現在は採用と集客についてサービスを提供しておりますが、今後は他の領域にもサービスを拡大していきます。
4-2. 人材サービス事業 中長期成長シナリオ
これにより中⻑期的には、⻭科領域での人材サービスを行う企業から、⻭科医院の経営を幅広く支援する企業への転換を行い、さらなる規模の拡大を目指していきます。
4-3. ヘルスケア事業の目指す姿
一方でヘルスケア事業については2025年8月期に⿊字化し、人材サービス事業と並ぶ第2の柱として成⻑を目指していきます。
その中ではターゲットの明確化や価格体系の見直しといった既存ビジネスの改善・強化に加え、人的資本経営の領域へ拡張していきます。
4-4. 中期経営計画数値目標
24ページは中期経営計画の数値目標です。3年後、2026年8月期には売上50億、営業利益19億を目指します。
なお、中期経営計画についてはこれから説明するアクションプランを達成した場合の目標値として定めており、過去実績をベースに作成した当期見通しとは異なる方針で作成しております。
4-5. 中期経営計画の基本方針
中期経営計画のアクションプランはこちらの3つです。次のページより詳しく説明していきます。
4-6. 地方営業チャネルの展開による地方都市への浸透率向上(1/2)
1点目は⻭科向け人材サービスにおける求人者・求職者への浸透率向上です。まず求人者についてです。ご覧のとおり、現在当社のお客さまは首都圏が多く、地方での浸透率は低くなっています。
そのため地方都市の開拓がさらなるお客さまの獲得に繋がると考えております。
4-7. 地方営業チャネルの展開による地方都市への浸透率向上(2/2)
地方都市での浸透率向上の施策としては、ターゲット都市を設定し、トライアルを行い、効果が出た営業手法を全国に展開していこうと考えております。
4-8. 新卒登録者の利用前倒しと継続利用の促進
また求職者向けには、新卒登録者との接点強化が必要だと考えております。現在当社では医療資格を目指す学生向けに国家試験対策アプリを提供しております。
このアプリの機能を充実させることで国家試験対策の勉強を行う前から利用していただき、国家試験終了後も、転職活動を行うまで離脱するのを防ぎたいと考えております。
4-9. 歯科医院向け集患ビジネスの拡充
2つ目は⻭科医院向け集患ビジネスの拡充です。当社は今年6月に⻭科医院検索サービス「⻭科医院の窓⼝」をリリースしました。今後は予約管理ツールの導入など機能追加を進めていくことで、より使いやすく、みなさまにご利用いただけるようなサービスを目指していきます。
4-10. ヘルスケアアプリの顧客拡大と単価向上
3つ目はヘルスケアアプリの顧客拡大と単価向上です。ヘルスケアアプリについてはこれまで1IDごとの課金体系を採用しておりましたが、今年11月からは従業員規模ごとの料金へと変更いたします。これにより、現在の課金体系だと高額になってしまっていた大企業さまにもご利用いただきたいと考えております。
またオプション機能も充実させることで、お客さまそれぞれのニーズに応えられるサービスにしていきます。
4-11. ヘルスケアアプリの人的資本経営の拡張
現在ヘルスケア事業は企業の健康経営に役立つアプリを提供しておりますが、ここで培ったノウハウやデータを活用することで、人的資本経営を行う企業さまにもご活用いただけるサービスが提供できるのではないかと考えております。
4-12. キャッシュバランス想定
最後に資本政策です。営業活動により獲得した資金は主にシステム開発へと充当していきます。
34ページ以降のAppendixは説明を省かせていただきます。以上で説明を終わらせていただきます。ご視聴ありがとうございました。