ファーストコーポレーションは24年5月期1Q順調、通期減益予想だが保守的

2023年10月17日 08:31

(決算速報)  ファーストコーポレーション<1430>(東証プライム、10月20日より東証スタンダード)は、10月13日の取引時間終了後に24年5月期第1四半期連結業績を発表した。23年5月期末より連結決算に移行したため前年同期の非連結業績との比較で見ると、売上総利益率低下や販管費増加などで減益だったが、売上面は大型案件の進捗などで増収と順調だった。そして通期予想を据え置いた。大型案件の進捗などで大幅増収だが、建築資材価格の高止まりの影響などを考慮して減益予想としている。ただし保守的な印象が強い。積極的な事業展開で上振れを期待したい。株価は地合い悪化の影響などで戻り一服の形だが、第1四半期業績に対するネガティブ反応は限定的だった。高配当利回りなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■24年5月期1Qは増収で順調、通期減益予想だが保守的

 24年5月期第1四半期の連結業績は、売上高が59億40百万円、営業利益が2億11百万円、経常利益が2億03百万円、親会社株主帰属四半期純利益が1億37百万円だった。なお売上総利益は5億56百万円、売上総利益率は9.4%、販管費は3億45百万円、販管費比率は5.8%で、受注高は3件合計132億94百万円だった。売上高の内訳は完成工事高が52億43百万円、不動産売上高が

 23年5月期末より連結決算に移行したため前年同期の非連結業績(売上高47億30百万円、営業利益2億57百万円、経常利益2億53百万円、四半期純利益1億70百万円、売上総利益5億58百万円、売上総利益率11.8%、販管費3億円、販管費比率6.4%で、受注高は1件・17億円)との比較で見ると、売上総利益率低下や販管費増加などで減益だったが、売上面は大型案件の進捗などで増収と順調だった。

 売上高の内訳は完成工事高52億43百万円、不動産売上高6億20百万円、共同事業収入39百万円、その他37百万円(前年同期は完成工事高43億45百万円、不動産売上高0百万円、共同事業収入69百万円、その他3億15百万円)だった。受注高は一般請負3件を受注して大幅に増加した。建築資材価格上昇に伴って受注金額も上昇傾向となっている。

 なおセグメント別には、建設事業が売上高52億43百万円で利益(全社費用等調整前営業利益)4億71百万円、不動産事業が売上高6億59百万円で利益25百万円、その他が売上高37百万円で利益53百万円の損失だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が23年5月期比27.6%増の326億円、営業利益が5.7%減の18億70百万円、経常利益が8.0%減の18億20百万円、親会社株主帰属当期純利益が9.9%減の12億30百万円としている。配当予想は23年5月期比4円減配の31円(期末一括)としている。予想配当性向は30.0%となる。

 通期ベースでも、大型案件の本体工事進捗などで大幅増収だが、造注による特命工事の減少や建築資材価格の上昇による売上総利益率低下を見込み、減益予想としている。ただし保守的な印象が強い。積極的な事業展開で上振れを期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化の影響などで戻り一服の形だが、第1四半期業績に対するネガティブ反応は限定的だった。高配当利回りなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。10月13日の終値は758円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS103円18銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の31円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS664円54銭で算出)は約1.1倍、そして時価総額は約101億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事

最新記事