心斎橋に寺院とホテル・商業施設の複合施設 ビル内に寺 ホテルは11月26日開業

2023年10月11日 16:44

 大阪・心斎橋の御堂筋沿いに地域の古刹・三津寺とホテル、商業施設を一体化させた複合施設「東京建物三津寺ビルディング」(大阪市中央区心斎橋筋)が完成した。江戸時代に建築された三津寺の本堂を施設内に移して保存するとともに、大阪の目抜き通り・御堂筋にふさわしいホテルなどを併設する施設で、入居する「カンデオホテルズ大阪心斎橋」は11月26日に開業する。

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 施設は約900平方メートルの敷地に建つ高さ約60メートル、地下1階、地上15階建て延べ約9,500平方メートル。土地所有者の三津寺と借地権者として事業を計画した東京建物が2021年から共同で整備を進めてきた。

 1~3階の吹き抜け空間に補強工事をした三津寺の本堂を移し、4階以上をホテルにした。本堂は御堂筋から見える形にし、ホテルの利用客は三津寺の境内を通ってエントランスへ向かうようにしている。三津寺の庫裏には境内から連続した茶室や密教寺院のお堂を思わせる仏像、仏画のギャラリーを設置する。低層部には物販店も入る予定。

 三津寺は奈良時代(710~784年)に聖武天皇の命で高僧の行基が創建したとされる。現在の本堂は江戸時代後期の1808(文化5)年に建立されたが、築200年を超えて補修費用がかさむことから、定期借地権を設定して賃料収入を得ることで解決した。三津寺は11月26日に落慶法要を計画、僧侶や稚児らが御堂筋を練り歩いて施設の完成を祝う。

 心斎橋をはじめとする大阪ミナミは2022年の入国制限緩和以降、アジアや欧米から訪日外国人観光客が殺到するようになった。しかも、御堂筋に面するという好立地もあり、東京建物は訪日客らが日本を楽しめる場所とすることも意識して計画を進めてきた。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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