イスラエル・ハマス紛争、市場への影響は!?
2023年10月11日 16:37
●イスラエルとハマスが衝突
イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実行支配しているイスラム組織ハマスが衝突し、戦闘の激化と長期化が懸念される。
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7日に突如開始されたハマスによるイスラエルへの攻撃を受けて、原油先物は週明けに約5%上昇し、安全資産である金や米国債に連動するETFなどにも買いが入った。
1973年~74年に発生した第4次中東戦争に端を発したオイルショックに状況が似ているという声もあり、再び世界経済が混乱に陥るのだろうか?
●イスラエルとハマス
ハマスは、1987年に結成されたイスラム組織だ。武力によるイスラエル打倒とパレスチナにおけるイスラム国家の樹立を目指しており、2007年からガザを実効支配している。
ハマスは7日、イスラエルへ多数のロケット弾を発射する奇襲攻撃に出た。これを受けて、イスラエル軍はガザへの空爆を開始。ネタニヤフ首相は、「われわれは戦争状態にある」としている。
戦闘による双方の死者は、既に2100人以上と報道されている。
ハマスの攻撃は、第4次中東戦争勃発から50周年の節目の日(10月6日)を狙ったという見方や、イスラエルとサウジアラビアの国交正常化を防止するため、という見方など、様々な意見が出ている。
ハマスと良好な関係にあり、イスラエルと対立しているイランは、今回の関与を否定している。
●市場への影響は?オイルショックの再燃か?
原油価格は上昇したが、そもそもイスラエルは産油国ではない。1970年代のオイルショックの時のように、需要が急増しているわけでもなく、原油価格が3倍に上がることも考えづらい。
米国だけでなく、先進各国は石油在庫も潤沢にある。ただ中東全体に緊張が波及すれば、供給に影響が出る可能性もある。
だが株価や先物市場などの取引は、当時よりハイテク化・システム化が進み、高速で取引されるようになっており、乱高下は避けられない。
今回の件で、エネルギー株が上昇したが、インテルがイスラエルで新工場建設を計画していることから半導体関連が軒並み下落した。一方で、防衛関連の株は上昇している。
9日の米国市場も、連休明けの10日の日経平均も大幅高となるなど、相場全体への影響は今のところ小さい。今後の状況次第ということになるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)