10日の中国本土市場概況:上海総合0.7%安で続落、ゼネコン株に売り
2023年10月10日 17:16
*17:16JST 10日の中国本土市場概況:上海総合0.7%安で続落、ゼネコン株に売り
10日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比21.69ポイント(0.70%)安の3075.24ポイントと続落した。
国内発の新規材料に乏しい中、外部環境の不透明感が重しとなる流れ。パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスとイスラエルの「戦争」で、中東地域が不安定化すると懸念された。中国が掲げる広域経済圏の「一帯一路」戦略では、中東地区も重要なハブとなっている。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。10日の外国為替市場で、対米ドルでの人民元相場が大幅に続伸していることなどを好感し、指数はプラス圏で推移する場面もあった。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、ゼネコンなどインフラ建設関連の下げが目立つ。中国交通建設(601800/SH)が8.5%安、中国中鉄(601390/SH)が7.8%安、中国鉄建(601186/SH)が6.8%安、中国建築(601668/SH)が4.0%安で取引を終えている。インフラ建設各社は「一帯一路」戦略を追い風に海外進出を加速させているが、「中東地域の混乱は、事業展開に影響を及ぼす」と市場関係者の一部は指摘した。
医薬株も安い。康縁薬業(600557/SH)が5.2%、津薬達仁堂集団(600329/SH)が5.0%、亜宝薬業(600351/SH)が3.3%、薬明康徳(603259/SH)が2.4%ずつ下落した。エネルギー株、素材株、公益株、酒造・食品株、不動産株、海運株、金融株なども売られている。
半面、半導体株は高い。深セン市匯頂科技(603160/SH)が4.5%、上海貝嶺(600171/SH)が3.9%、上海韋爾半導体(603501/SH)が3.3%、杭州士蘭微電子(600460/SH)が2.4%、有研新材(600206/SH)が1.5%ずつ上昇した。米政権は韓国の半導体大手2社に対し、半導体製造装置の対中輸出規制から適用除外することを決定。中国半導体産業にとってプラスになるとみられている。そのほか、自動車株の一角も買われた。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.71ポイント(0.31%)高の232.13ポイント、深センB株指数が0.92ポイント(0.08%)安の1102.00ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)《CS》