ノーベル平和賞、イランの人権擁護活動家ナルゲス・モハンマディ氏が受賞
2023年10月7日 17:38
2023 年のノーベル平和賞はイランの人権擁護活動家でジャーナリストのナルゲス・モハンマディ氏が受賞した。授賞理由はイランにおける女性抑圧に対する彼女の闘い、およびすべての人の人権と自由を促進する彼女の闘い(プレスリリース)。
物理学を学ぶ学生だった 1990 年代からモハンマディ氏は平等と女性の権利の擁護者であることを明らかにしており、卒業後はエンジニアとして働く傍らさまざまな改革志向の新聞でコラムニストとして活動した。2003 年にはノーベル平和賞受賞者のシリン・エバディ氏が設立した人権擁護者センターに参加。2011 年には投獄された活動家とその家族を支援する活動で初めて逮捕され、実刑判決を受けた。以来、彼女は計 13 回逮捕されて 5 回の有罪判決を受けており、実刑は合計 31 年間、むち打ち刑は合計 154 回。現在も収監されている。
イランでは 2022 年 9 月、イラン道徳警察に拘束中の若いクルド人女性が殺害されたことを受け、神権体制が実権を握った 1979 年以来最大の政治的デモが行われた。このデモのスローガン「女性 — 生命 — 自由」はモハンマディ氏の献身と活動を適切に言い表しているという。ノルウェーノーベル委員会は彼女に授賞することで、イランにおける人権と自由、民主主義のための彼女の勇気ある闘いを称賛する。また、神権体制による女性の抑圧と差別に反対する昨年のデモに参加した人々に対する評価でもあるとのことだ。