神戸・垂水駅前の再開発、商業と住宅の高層複合施設に着工 2026年完成予定
2023年10月3日 16:13
神戸市の垂水中央東地区市街地再開発組合が3日、JR垂水駅、山陽垂水駅北側の商店街に面した一角で商業と住宅の複合施設(垂水区神田町)の起工式を行い、建設工事に着手した。参加組合員の野村不動産が明らかにしたもので、2026年3月の完成を予定している。
【こちらも】梅田の茶屋町再開発、再開発組合が発足 店舗・オフィス・ホテルの複合開発へ
再開発場所は北側を垂水センター街商店街、東側を銀座通り商店街、西側を一番街通り商店街に面した約0.7ヘクタール。施設は鉄筋コンクリート一部鉄骨32階建て約3万9,000平方メートル。1階に商業施設、2階以上に住宅が入る。
高さは114メートル。垂水駅前に誕生する新たなランドマークとなり、1階の商業施設が周辺の商店街と連動し、駅前の商業を活性化させることを目指している。施設内には約300平方メートルの広場や約160平方メートルの緑地、幅員2メートル、延長約220メートルの歩道状空地を設け、歩行者の滞留、散策の場所とする。低層部空間や歩行者の足元をライトアップし、夜間の景観にも配慮する。
再開発場所は駅前の人出が多い場所だが、まとまったオープンスペースがないうえ、木造老朽建築物が市場を中心に密集していた。このため、地権者らが駅前のにぎわい向上と災害に強い街づくりを目指して、2010年に市街地再開発準備組合を設立。2019年に都市計画決定が告示されたあと、2020年に本組合へ移行して計画を詰めていた。施設の完成予定は2026年3月だが、住宅の引き渡しは2026年5月以降になる見込み。
再開発事業は、神戸市が都市ブランドを高める目的で推進する「リノベーション神戸」にも位置づけられ、垂水地区の中心部にふさわしい姿に変えることで、兵庫県西宮市や明石市など周辺の地方自治体に流出した住民を呼び戻す狙いが込められている。(記事:高田泰・記事一覧を見る)