NYの視点:米国政府機関閉鎖への懸念が強まる、格下げリスクが上昇

2023年9月26日 07:43

*07:43JST NYの視点:米国政府機関閉鎖への懸念が強まる、格下げリスクが上昇
米国では予算を巡る議会の交渉が難航している。合意が期限に間に合わず、10月の新年度入りに政府機関閉鎖に陥るリスクが高まった。共和党の下院保守派は歳出削減要求が通らない限り、暫定予算案の交渉を阻止する意向を示している。上院議員は9月30日の年度終了後も政府資金を手当てする暫定予算案を議論する。

民主党は予算案にウクライナ追加支援やマウイ島の山火事を含む自然災害の救済措置を盛り込むことを検討しているが、ウクライナ支援を巡り下院共和党の強硬派と対立。共和党の下院保守派グループのメンバーは政府機関閉鎖を恐れておらず、バイデン政権が導入している「open border国境開放」政策のつけとして急増している難民の亡命申請のプロセス厳格化など優先政策を民主党に受け入れさせたい考え。米信用格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは政府機関閉鎖は米国のトリプルA格付の見通し「ネガティブ」に判断される可能性を警告。格付の引き下げで、米国金融市場のトリプル安に繋がる可能性は警戒される。

もし、政府機関が閉鎖した場合、200万人の連邦職員や軍関係者の給与支払いなどが遅れる。また、雇用統計など経済指標発表に影響が出ることになり、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定をより困難とする。パウエル議長はデータが取得できなかった場合、同じ情報を他のソースから得るよう努めると述べた。次回連邦公開市場委員会(FOMC)は10月31日から11月1日にかけて開催される予定となっている。《CS》

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