7日の香港市場概況:ハンセン1.3%安で3日続落、半導体セクターに売り
2023年9月7日 18:00
*18:00JST 7日の香港市場概況:ハンセン1.3%安で3日続落、半導体セクターに売り
7日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比247.91ポイント(1.34%)安の18202.07ポイントと3日続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が89.03ポイント(1.39%)安の6314.67ポイントと反落した。売買代金は868億4600万香港ドルに低迷している(6日は929億2840万香港ドル)。
米金利高が嫌気される流れ。インフレ高止まりの警戒感が続く中、昨夜の米債券市場では米10年債利回りが連日上昇した。原油相場の9日続伸(一時、昨年11月中旬以来の高値)や、米景況感が予想外に改善したことがインフレ圧力を強めると不安視されている。外国為替市場では、対米ドルの人民元が下落基調で推移している。中国本土からの資金流出が懸念される状況だ。中国の景気懸念もくすぶる。取引時間中に報告された8月の中国貿易統計では、前月に続くマイナス成長が明らかにされた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(981/HK)が7.6%安、光学部品OEMメーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が4.3%安、医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)が3.9%安と下げが目立った。
セクター別では、半導体が安い。上記した中芯国際集成電路製造のほか、華虹半導体(1347/HK)が5.7%、晶門半導体(2878/HK)が5.1%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.8%、SMPT(522/HK)が2.6%ずつ下落した。半導体分野を巡る米国の対中圧力継続が不安視されている。米国の厳しい輸出規制にもかかわらず、華為技術(ファーウェイ)が国産の先進半導体を搭載して3年ぶりに第5世代(5G)移動通信機能を復活させたことを受け、ジェイク・サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は現地時間の5日、先端半導体や製造装置などの対中輸出を厳格化する考えを示した。
中国不動産セクターも急落。世茂集団HD(813/HK)が18.5%安、碧桂園HD(2007/HK)が12.3%安、合景泰富集団HD(1813/HK)が11.2%安と値を下げている。前日の相場では、追加支援策の期待感で軒並み急伸していた。
非鉄や鉄鋼、セメントなど景気動向に敏感な素材セクターもさえない。新疆新キン鉱業(3833/HK)が3.1%安、江西銅業(358/HK)が2.1%安、中国東方集団(HD(581/HK)が3.1%安、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が2.8%安、華潤水泥HD(1313/HK)が3.9%安、中国建材(3323/HK)が3.0%安で引けた。
半面、天然ガス関連の銘柄群は物色される。新奥能源HD(2688/HK)が4.5%、華潤燃気HD(1193/HK)が1.4%、昆侖能源(135/HK)が1.0%、港華智慧能源(1083/HK)が0.9%ずつ上昇した。
一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.13%安の3122.35ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。医薬品株、消費関連株、金融株、素材株、公益株、不動産株、インフラ関連株なども売られた。
亜州リサーチ(株)《CS》