タウンニュース社、売上高・各利益は前年を大きく上回り過去最高、売上増に加え、売上原価・経費節減が奏功

2023年8月31日 08:49

目次

宇山知成氏:みなさま、こんにちは。株式会社タウンニュース社にご興味をお持ちいただき、誠にありがとうございます。本日は、弊社の会社概要及び第43期決算状況をご説明します。ご説明は、会社概要及び事業紹介、43期決算概要の順に進めてまいります。

ご挨拶

まずは、会社概要からご説明します。当社は、創業以来「1つの街に1つの新聞(タウンニュース)。」というコンセプトのもと、地域新聞『タウンニュース』の発行を主な事業として取り組んできました。

今後はこの事業を基幹としつつ、地域における情報ネットワークをはじめとするリソースを活かした多様な事業を展開していきます。目指すは「地域の総合情報企業」です。

会社概要

次に、会社概要と沿革をご説明します。タウンニュース社は1980年に設立し、現在44年目の年度に入りました。2006年に東証JASDAQ市場(現スタンダード市場)に上場しました。

主要事業である地域情報紙「タウンニュース」の発行に加えて、デジタル情報サービス、各種印刷・出版物の制作、各種プロモーション事業、地域プロデュース事業、そして公民連携事業として行政の持つ施設の管理委託業務など地域を軸とした幅広い事業を手掛けています。

経営理念

当社の経営理念はスライドに記載のとおりです。地域新聞社として報道を通して社会貢献を図ることと、生活情報紙としての広告を通して地域や企業の発展に寄与することを社会的な役割として掲げ、日々活動しています。

タウンニュースの発行

次に、当社事業の詳細をご紹介します。まずは、主要事業である「タウンニュース」の発行です。「タウンニュース」は行政区単位に細分化された地域密着型の無料紙です。

フリーペーパーでありながら、身近なニュースを生活情報とともにお届けする「地域の新聞」を標榜しています。単に広告やイベント情報のみを掲載する「情報誌」とは明らかに異なり、全国紙や全県紙などでは取り上げることがない生活者が必要とする情報を丁寧に取材し、記事にしています。

性別を問わず幅広い年代に読まれていることが大きな特長で、家庭内で回読されることが多く、掲載された情報はしばしば各界、各方面で話題となっています。取り扱うネタは最新のニュースはもとより、地域の歴史、政治、経済、教育、文化、スポーツと幅広く、地域の方にその地域のあらゆる情報をお届けしています。

広告・プロモーション

タウンニュース紙面への広告出稿は地元の中堅中小企業、街の商店や個人事業主、さらには行政や諸団体など幅広い範囲に及んでいます。地域の事業者にとっての主要顧客は言うまでもなく地元住民です。地域住民を基本読者とするタウンニュースは、そうした事業者のニーズに応える最適メディアです。入念な取材に基づく店舗・会社紹介、商品PR、イベント告知、求人、行政の施策紹介などを掲載していただいています。

また、広告代理店を通じて大手企業などへもアプローチをしています。

地元事業者に対しては主にそれぞれの編集室が、広告代理店には専門部署が営業活動を行っています。

広告・プロモーション

地域との関係性の強いタウンニュースは、紙面広告以外の多様な広告・プロモーションニーズにもお応えし、確かな実績をあげています。

紙面製作で培った取材力、編集力を活かした自費出版物、記念誌制作をはじめ、複数の自治体の広報媒体の企画・編集などにも長年携わっています。また、近年では動画制作や各種販促グッズの企画・制作・販売も数多く手がけています。

デジタル関連事業

また、当社では時代の変化に対応し、デジタルメディアでの地域情報発信に力を入れています。

「Web版タウンニュース」や「メール版タウンニュース」「タウンニュース for LINE」のほか、「Yahoo!」をはじめとするキュレーションサイト、SNSへのニュース配信など、紙面とは異なる読者層へも拡大を図っています。

デジタル関連事業

さらに、スピンオフサイトとして、イベントやお出かけスポットを紹介するご近所情報サイト「RareA(レアリア)」や神奈川県全域と東京多摩地域の全政治家を紹介する「政治の村」、その姉妹サイト「政治の村Students」なども手がけ、幅広い層に違う切り口で情報発信を行っています。

自社サイトで得た知見を活かし、ホームページ製作なども手がけています。

地域プロデュース・PPP(公民連携)事業

地域との距離の近い当社では地域の活性化や街づくりイベント、各種講演会、お祭り、コンサルタント事業などの企画、運営にも積極的に関与し貢献を果たしています。

その一環として、行政機関の施設運営管理業務を担うなど、新たな分野へも事業を拡大、強化しています。

当期の概要

次に、直近の当社第43期の決算内容をご説明します。新型コロナウイルスやウクライナ情勢などの影響を受け、当業界を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いていますが、当社は地域の幅広い業種・職種のみなさまに支えられ、売上・利益とも前年を大幅に上回ることができました。

具体的にご説明します。中期経営計画(2021年度~2023年度)2年目となる当事業年度は、計画の基本ビジョンである「『地域情報紙を発行する会社』から『地域情報紙も発行する総合情報企業』へ」を実現すべく、事業領域のより一層の拡大・発展を目指し事業に邁進してきました。

中期経営計画では「紙面関連事業の深化」「デジタル事業の強化」「非紙面事業の拡大」を3大事業戦略として位置付けています。コア事業である紙面関連事業では、地域新聞として、地域住民の必要とする身近な話題、政治・経済・スポーツ・文化・教育等の幅広い分野のニュースを丁寧に取材・記事化し、真に地域に密着した話題性の高い紙面を提供することで、競合他社との差別化を図ることに引き続き注力しました。

広告営業面では回復基調にある民間広告需要に応える提案営業を進めるとともに、行政・団体広告や政治関連需要の取り込み、「SDGs」「防災・防犯」といった地域課題解決に向けた全社一斉企画の実施、”神奈川県なでしこブランド2023”に認定された「こどもタウンニュース」の定期発行化などに注力してきました。

デジタル事業においては、「Web版タウンニュース」や「メール版タウンニュース」及び「タウンニュース for LINE」を主軸に記事の配信強化を図るとともに、昨年8月には新たに「LINEアカウントメディアSelect」に参画するなど、新聞購読者以外の地域住民にも身近な情報を届ける情報発信の多様化にも取り組みました。

また、スピンオフサイトであるご近所情報サイト「RareA(レアリア)」や配信記事内における「インライン広告」などをはじめとした商材の拡充により、デジタル広告の需要を取り込む態勢の整備と収益化を図ってきました。

非紙面事業では、プロモーション事業部門をタウンニュース事業部門から分離・独立させる組織改編を行い、この事業分野を将来にわたり強力に牽引する体制を整えました。

そうした中、自治体が実施する各種プロポーザルへの積極的参加を進め実績を積み上げ、柱の1つであるPPP(公民連携)事業では、初年度となった「秦野市文化会館」の指定管理業務が概ね順調に推移し、成果と課題をもとに4月から2年目の事業をスタートさせています。

そのほか、各種プロモーション事業の企画や企業・学校・団体の記念誌、自費出版物、販促グッズ、ホームページ・動画制作など地域における多様なニーズに対応する事業を進めてきました。

これらの施策を総合的に展開してきた結果、売上高は前事業年度を大きく上回るとともに過去最高となりました。利益については、紙面原材料費などの高騰があったものの売上の増加に加え、売上原価ならびに経費の節減に努め、営業利益、経常利益、当期純利益ともに前事業年度を大きく上回り、いずれも過去最高を達成する結果となりました。

中期経営計画進捗状況

また、2021年12月に公表した「中期経営計画42期(2021年度)~44期(2023年度)」の最終年度(44期)の各種目標(売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、売上高営業利益率)をすべて1年前倒しで達成することができました。

当期の概要

以上を総合すると、当事業年度の業績は、売上高36億9,200万円(前年同期比13.7パーセント増)、営業利益5億6,900万円(前年同期比50.5パーセント増)、経常利益6億2,100万円(前年同期比36.5パーセント増)、当期純利益4億3,000万円(前年同期比38.3パーセント増)となります。

損益計算書の概要

損益計算書の概要をご説明します。利益面では売上高が増加したことに加え、折込部数の適正化等による売上原価の低減と経費の節減効果が顕在したことにより、営業利益、経常利益、当期純利益が前事業年度を大きく上回る結果となりました。

貸借対照表・キャッシュフロー計算書の概要

次に、貸借対照表の概要です。当事業年度末の資産合計については、前事業年度末に比べ4億3,800万円増加し、49億7,600万円(前年同期比9.7パーセント増)となりました。これは主に、有価証券が1億円減少したものの、現金及び預金が4,000万円、建物4,600万円、投資有価証券が3億2,000万円、長期預金が1億5,300万円増加したこと等によるものです。

負債合計については、前事業年度末に比べ1,800万円増加し、6億2,500万円(前年同期比3.0パーセント増)となりました。これは主に、未払消費税等が900万円、預り金が1,000万円増加したこと等によるものです。

純資産合計については、前事業年度末に比べ4億1,900万円増加し、43億5,100万円(前年同期比10.7パーセント増)となりました。これは主に、利益剰余金が3億4,700万円、その他有価証券評価差額金が7,200万円増加したことによるものです。

キャッシュフローに関しては、営業活動で得た資金を投資及び財務活動で活用していますが、現金及び現金同等物は前年対比で3,600万円減少し、7億1,800万円となりました。

営業活動によって得られた資金は、4億6,400万円(前年同期比5,300万円増)となりました。これは主に、税引前当期純利益(6億2,000万円)、減価償却費(4,500万円)、その他の流動負債の増加(2,300万円)等の増加要因が受取利息及び受取配当金(1,400万円)、不動産賃貸収入(1,900万円)等の減少要因を上回ったことによるものです。

投資活動の結果支出された資金は、4億1,800万円(前年同期比1億9,600万円増)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出(5億2,500万円)、有形固定資産取得による支出(5,800万円)、投資有価証券の取得による支出(2億3,000万円)等の要因が、定期預金の払戻による収入(3億9,500万円)、不動産賃貸収入(1,900万円)等の要因を上回ったことによるものです。

財務活動の結果使用した資金は、8,200万円(前年同期比500万円増)となりました。これは主に、配当金の支払い額(8,200万円)です。

次年度(44期)の見通し

最後に、44期の見通しについてご説明します。44期については、過去最高の売上・利益の更新を目指すとともに、「中期経営計画」における未達項目の計画完遂に努めていきます。加えて、弊社創業50年にあたる2030年に向けた新たなロードマップの策定準備を進め、基本ビジョン実現への道筋をより明確なものにしていきます。

次年度(44期)の見通し

具体的な取り組みについて、3大事業戦略に沿ってご説明します。紙面関連事業については、持続可能なサービスの提供を前提に、引き続き既存発行地区版の深化をより一層進め、コロナ禍以前にもまして多様な手法で顧客との接点確保を維持し、超地域密着の強みを活かした比類ない紙面づくりにより、競合他紙との差別化を図っていきます。

また、地域の状況を踏まえながら、新たな地域への新規創刊に向けた具体的な準備を進めていきます。

デジタル事業については、引き続き「Web版タウンニュース」「政治の村」「RareA(レアリア)」などオウンドメディアの広告販売強化をはじめ「メール版タウンニュース」及び「タウンニュースfor LINE 」の読者拡大、キュレーションサイトなど、デジタル分野における記事配信事業の強化などを推進していきます。

また需要が増加しているホームページ制作や部分リニューアル、動画制作、リスティング広告、SNS広告など、さまざまなWeb需要に応える体制を整えていきます。

さらに、非紙面事業においては、プロモーション事業部門がその中心的な役割を担い、Webを活用したハイブリッドなイベント・セミナーの企画運営や自治体のクロスメディアプロモーションの受注、PPP(公民連携)事業の一層の推進など、官民問わず、当社が保有するリソースをビジネスに繋げるべく、紙面以外の地域の広告需要の総合的取り込みに一層注力していきます。

以上の施策により、次期の業績は、売上高39億4,900万円、営業利益6億5,000万円、経常利益7億3,200万円、当期純利益4億7,600万円を見込んでいます。

以上、簡単ですが、弊社の概要と主要事業、そして「43期決算」について概要をご説明しました。

最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。引き続きタウンニュース社に対するご指導・ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

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